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第47回城戸賞準入賞作品シナリオ「グレー」全掲載

キネマ旬報WEB

1974年12月1日「映画の日」に制定され、第47回目を迎えた優れた映画脚本を表彰する城戸(きど)賞。本年度は、対象337作品から準入賞に「グレー」と「寄生虫と残り3分の恋」の2作品が選ばれました。

ダンスとピアノ。トランスジェンダーとパニック障害。二つの出会いが生む物語を描いた「グレー」のシナリオ全文を掲載いたします。

もう一つの準入賞作品「寄生虫と残り3分の恋」の全文はこちらから、お読み頂けます。

 

タイトル「グレー」生方美久

あらすじ

 ダンス講師のアルバイトをしている乙黒春は、トランスジェンダー男性。後輩の新田と共に、ダンサーとして活躍することを目指しているが、まだ一歩夢には届かず、もどかしい日々を送っていた。

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 ある日のコンテスト終了後、春がホールに一人残っていると、女子高生・白瀬桃がピアノを弾き始める。ピアノを演奏する桃の姿に圧倒され惹かれる春。

 翌日、桃が出演するピアノコンクールを見に来た春。しかし、桃は棄権。桃は二年ほど前、パニック障害を発症し、人前で演奏することが難しくなっていた。

 惹かれ合うものがあった二人。桃はピアノを聴かせ、春はダンスを見せる約束をする。しかし、スタジオに行く直前、春がトランスジェンダーであることが桃に知られてしまう。

 ホルモン治療を再開し、改めて桃と会うことにした春。桃は春のために曲を作っていた。春はその曲に合わせて踊ることを提案する。打ち合わせもしないまま、春のダンスが桃のピアノに美しく合わさる。

 桃の幼馴染・咲也は、春と桃のスタジオでの様子を隠し撮りしていた。出来心で「トランスジェンダー」「パニック障害」と公表した上でYouTubeに動画を投稿する。動画はすぐに拡散され、テレビで特集されるまでに再生回数が伸びていた。世間に注目されることに最初は戸惑う二人だったが、肯定的なコメントを見て、動画でのパフォーマンスを前向きに考え始めていた。

 一方で、SNSでは二人を直接的に攻撃する声が増えていく。そして、桃がパニック発作を起こした映像と、春が以前強姦被害に遭った映像が拡散されてしまう。

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