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東西統一を経て変わりゆく都市…ドイツ「ベルリン」を巡る

幻冬舎ゴールドライフオンライン

本記事は、村野憲政氏の書籍『ヨーロッパ歴史訪問記』(幻冬舎ルネッサンス新社)より、一部抜粋・編集したものです。

1998年2月9・10日(月・火)ドレスデンおよびベルリン紀行(後篇)

-クレーンの町(City of Cranes)-

ベルリンはクレーンの町(City of Cranes)です。鶴(Cranes)がたくさんいるからではなく、ドイツ統一後の新首都として1999年にボンから移ってくる政府機関用建物の建設工事がピークを迎えており、中心部は至るところクレーンが林立しています。

ベルリンの再開発を象徴するクレーン

1997年12月のヴェネツィア紀行でヴェネツィアが沈んでしまう前に観光することをお勧めしたことをご記憶でしょうか。ヴェネツィアは(hopefully)まだ100年くらいは大丈夫そうですがベルリン改造計画はあと2年で完了しますので、皆さん急がないと世紀の建設ラッシュを見逃すことになります。

ロンドン支店の友人が、ベルリンは森鴎外の小説『舞姫』の舞台だと教えてくれました。残念ながら私は読んだことがなく、また手許にもなく今回のベルリン旅行前に読むことはできませんでした。あらすじを教えてもらいましたが、ヒロインがマリア教会の前で泣いているところに通りかかった日本人留学生が声を掛け、彼女の家に下宿させてもらうことになり、主人公は恋に悩み勉学も疎かになるのですが、日本からの出張してきた上司の励ましで立ち直り、彼女を捨てて帰国するという、(サラリーマン優等生の)森鴎外らしいストーリーです。

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ヨーロッパの都市を回る時は、その町の雰囲気を感じ取るのと、町の大きさを自分の足で測るため極力歩くようにしています。デュッセルドルフ支店のオーストラリア人の友人(ロンドン支店に転勤になり、昨日からフラットが見つかるまで私のロンドンのフラットに滞在しています)からは歩くには少し広すぎると言われましたが、ホテルがベルリンの西の外れにあり、東に向かってベルリンを横断するには絶好の位置にあったこと、および市内観光バス・ツアーが10時からだったため朝食後の時間を有効に使おうと思い7時過ぎから歩き始めました。

ベルリン一の目抜き通りクーダム・ストリート、爆撃で崩壊したままの姿で残されているカイザー・ウィルヘルム記念教会、ジーゲスゾイレ(戦勝記念塔)からドイツ帝国陸軍が行進した6月17日通り、そして東ベルリン地区に入りソ連戦勝記念碑、ブランデンブルク門、ウンター・デン・リンデン(菩提樹の下)通りに並ぶ国立図書館、フンボルト大学、ノイエ・ヴァッヘ(新衛兵所)、ツォイクハウス(武器庫)、国立オペラ座等の壮麗な建物を経て、アカデミー広場に並ぶフランス大聖堂、ドイツ大聖堂、シャウスピールハウス(現コンツェルトハウス)、そして最後にベルリン大聖堂、赤い市庁舎、マリア教会まで約3時間歩き続けました。

ブランデンブルク門
カイザーヴィルヘルム記念教会

ベルリンはロンドン・パリと並ぶヨーロッパの大都市で、プラハとは違い18、19世紀の近世都市でドイツ的な重厚さを感じさせる町です。ロンドンもパリも歩き回りましたが、3つの都市を比べるとやはりパリが一番だと思います。歴史、建物の美しさ・調和、都市計画の素晴らしさ等ヨーロッパの都市の中でも図抜けています。

敢えてロンドンの魅力をあげるとすれば、イギリス王室によるライブ・ショーを見られることでしょうか。ベルリンも壁崩壊後8年あまりしか経っていませんが、東ベルリン地区も古い建物はあまり目につかず、統一ドイツの首都が移転する1999年までには建設ラッシュも終了し面目を一新することになります。

月曜日はポツダムへの半日観光ツアーに参加しました。ポツダムはプロイセン王国の夏の離宮があったところで、19もの湖に囲まれた公園の中にプロイセン王国発展の基礎を築いたフリードリヒ大王(在位1740年~1786年)が18世紀半ばに建てたサンスーシ宮殿を始め14の宮殿が散在しています。日本に無条件降伏を求めたポツダム宣言が採択されたツェツィーリエンホーフ宮殿もその1つです(冬の本宮殿はベルリン大聖堂の前にあったそうですが第二次世界大戦の爆撃で破壊されました)。

各宮殿は博物館・美術館になっており、ガイドさん曰く全部ゆっくり見ていたら3日間でも足りないそうですが、冬の間公開されているのは4ヶ所程度です。その代わりどこへ行っても観光客は少なく、今回も大型バスに4人だけでサンスーシ宮殿もゆっくり回れました。サンスーシとはフランス語で憂いの無いという意味で、階段状のブドウ園の上に建てられたロココ様式の代表的な宮殿です。

サンスーシ宮殿
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