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ベルリンの壁崩壊直後…リアルタイムで見た「東西格差」

幻冬舎ゴールドライフオンライン

※本記事は、藤間敏雄氏の書籍『21世紀の驚くべき海外旅行Ⅱ』(幻冬舎ルネッサンス新社)より、一部抜粋・編集したものです。

ベルリン、ミュンヘンを往く

ドイツの水道など

ベルリンでは水道水が飲める。このブランデンブルク地方は湖(SEE)が多く、水源には困らないし、シュプレー川上流八〇キロあたりが「シュプレーの森」といって豊富な涵養(かんよう)林(りん)に恵まれている。浄水施設の詳細が不明であるが、ドイツ人のことだからそこはぬかりなくしていると思う。

この点、汚染のひどいライン川沿岸とは大分様子が違う。ケルンではラインの伏流水を空中にスプレーして溶存酸素をふやした後、地中にわざわざ浸透させ数キロ先で掘り抜き井戸でくみあげる(鯖田豊之『水道の文化』より)。

デュッセルドルフでは一九五〇年頃より、水に異臭を感ずるようになり、上流での下水処理を改善し、伏流水の化学物質の除去、脱臭を目的としたオゾン・粒状活性炭処理の採用を行うなどの処置をとっていると言う。もともと西ドイツの水道の特徴は、消毒用の塩素注入率は低い。

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主流は地下水至上主義であると言える。伏流水と人工地下水の比率は旧西ドイツの浄水場の数で三対一である。ライン中流には二〇メートルに及ぶ厚い砂れき層が存在する所が多く、元来この地下水を利用していたが、地下水量が不足するに伴い、地表水を前処理してから浸透池で地下に浸透させて人工地下水とする方式が普及したもので、この地方の水道水は建前は飲用に適するというが、実際はミネラルウォーターを飲んでいる。

ベルリン近辺では良い水は豊富なのだが、低地なので昔からいかに揚水するかが大問題で、どの街にも村にも給水塔がきちんと保存され、揚水法などが展示されてある所もあるという。

全体にヨーロッパ、特に国境付近では国防上の理由から浄水場や水源の位置を公表していない例が多い。ベルリンも例外ではないが、ミネラル水を買うと全部がガス入りである。水道水を飲用している証拠であろう。

ベルリン遷都が決まって、この都市はこれから建設の時を迎える。現状では交通機関一つとっても西側には高速道路あり、東側には昔ながらの市電が走る。国電に当たるSバーンは全部ディーゼル車で未電化、また都心部はUバーン(地下鉄)が未発達で、空港など要所毎の連絡が誠に不便である。東西分断の傷あとといえる。

統一のコストとして東ドイツの生活水準を西独なみに高めるのに、十年で二兆三〇〇〇億マルクかかり、例えば連邦議会の建築費だけでも二〇〇億マルクを要するという。大統領官邸や官庁街も建てるとすると大変な建築ブームが起きそうで、不況下の日本としてはうらやましいような話だが、逆にこれらの費用をもう既に日本が負担し始めているという説もあり、これでは日本の不況に拍車をかけていることを重視すべきだ。

現在、繁華街のクーダムの地価が坪三〇万円(マルク六〇円として)どまりだが、この値段が本当ではないかと狂乱地価の中の我々は思う。元来、森に覆われていた低地ドイツ、特にエルベ川以東は古代ローマ帝国の区域外である。ローマ人が優れていたのは、かれらの持つ「開放性」で、征服した他民族を次々に同化していった(塩野七生『ローマ人の物語』)。

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