top_line

あなたの語彙力が試される!
無料ゲーム「ワードパズル」で遊ぼう

「寅さん初代マドンナ」光本幸子、“悲喜劇を呼ぶ淑女”が誕生した「伝説演技」

アサ芸プラス

「少し痩せたんじゃないの? まあ、そういや 顔色も悪いわ 大丈夫なの?」

「憂さ晴らしに、これからどっか行きましょうか?」

「ねっ? 行きましょう」

 そして、別れ際に「おやすみなさい」と、寅さんと握手する「お嬢様」冬子であった。

 冬子にとっては、日常であっても、寅さんにとっては、この上ない非日常なのである。

広告の後にも続きます

 そして、冬子の縁談がまとまったことを知り、寅さんは「身を引く」のである。

「お嬢さん、お笑い下さいまし。私は死ぬほどお嬢さんに惚れていたんでございます」

 後に、定番となるマドンナとの悲喜劇の嚆矢となったシーンである。その初代マドンナこそが光本であった。罪深い、いや罪の自覚などありはしない「お嬢様」の誕生である。

 さて、実は、このマドンナとのくだりは、第1作「男はつらいよ」では、サブストーリーであり、本線は、さくらと博の馴れ初めばなしであり、その結婚と満男の誕生までが描かれるのだが、それは本編を観てのお楽しみ。

 のちのち語られる、おいちゃん渾身のギャグ。

「おい、枕、さくら出してくれ」は、この第1作で飛び出した。

 2022年の干支は寅。12年ぶりに48作を観なおしてみるのも一興と言うべきか。

(文中敬称略)

  • 1
  • 2
 
   

ランキング(エンタメ)

ジャンル