top_line

【 最新ニュースをアプリでサクサク読むなら! 】

四川食旅⑤ 麻辣火鍋|火鍋ブームは二度到来!? 時代はモンゴル系薬膳鍋から四川麻辣(マーラー)鍋へ

80C[ハオチー]

四川食旅⑤ 麻辣火鍋|火鍋ブームは二度到来!? 時代はモンゴル系薬膳鍋から四川麻辣(マーラー)鍋へ

この記事は、四川省の省都・成都市の文化情報発信サイトGo Chengduの連載「川菜一番」の日本語版です(中国語版はこちら)。「外国人が見た四川料理」をテーマに、80C編集のサトタカが成都の美食を日中のメディアで発信します。

辛くなくても汁がなくても、火鍋は火鍋である。

火鍋と聞いて、みなさんはどんな光景を思い浮かべるだろうか。友人たちに問うと、多くは赤白二色のスープが入る鴛鴦鍋を思い浮かべるようだ。片方は香辛料の効いたスパイシーなスープで、もう片方は白か半透明の辛くないスープが入るあの火鍋だ。

しかし、そもそも中国で火鍋(フオグオ)とは鍋料理全般を指す。北京や天津をはじめ、中国北方で愛される涮羊肉(羊しゃぶしゃぶ)も、東北地方の豪快な大鍋料理も、広東省の潮州牛肉火鍋も、貴州省の豆豉火鍋も、四川省や重慶市の麻辣火鍋も、鍋を火にかけながら食べる料理はすべて火鍋である。

日本で火鍋というと、この鴛鴦(おしどり)鍋のイメージだ。名前の由来は、2つのスープがひとつの鍋に入れられる“ニコイチ”であることから。

なんなら汁がなくたって火鍋だ。炒め煮のようなものを鍋に入れ、火にかけながら食べる料理は干鍋(乾鍋:ガングオ)といい、酒のアテに大人気。汁がないため、さまざまな具を入れて煮るのではなく、カエルや鶏肉など、主食材が決まっていることが多い。

干鍋は汁なし火鍋。麻辣味のものは麻辣香鍋とも。スパイシーな味わいの炒め煮のような雰囲気だ。写真は上野「三百杯」にて撮影。

ではなぜ日本では、火鍋=赤白二色のイメージが定着したのだろう。そのきっかけは、今からおよそ20年前に遡ると考えられる。

スープが飲めてタレ要らず。モンゴル系薬膳火鍋優勢の2000年代

振り返ると、西暦2000年初頭から2010年にかけては、3つの中華系火鍋チェーン店が相次いで日本にオープンした時期だった。

広告の後にも続きます

まず、中華圏に本店を構えるチェーン店としていち早く進出したのが天香回味(テンシャンフェイウェイ)」だ。台北発の薬膳火鍋の専門店で、赤白のスープはチンギスハーンが愛したモンゴルの鍋をイメージして開発。スープは飲んでおいしく、たれをつけずに食材を煮るだけで美味!というのがウリで、日本一号店は2002年12月24日にオープンした。ちなみに台北の本店も同年の2002年に開業している。

それに続いてやってきたのが、内モンゴルの包頭市に本店を構える火鍋チェーンの二大巨頭だ。愛らしい羊のロゴマークが印象的な小肥羊(シャオフェイヤン)」は2006年10月、渋谷センター街にオープン。翌2007年4月に小尾羊(シャオウェイヤン)」がオープンしている。

それ以前に火鍋を出す店もあったが、複数店舗展開する店のインパクトは強い。結果的にこの時期は、火鍋=鴛鴦鍋のイメージを作った第一次火鍋出店フェーズだったといえる。

「小肥羊」上野店の看板。1号店はIT系の企業が手掛けた。 「小尾羊」。こちらも上野店の看板。

また、これら3つのチェーン店は、いずれもモンゴル系の火鍋を謳っているのが共通点。赤と白両方のスープが楽しめる鴛鴦鍋が基本で、スープには複数の生薬を使う、たれなしタイプといえる。

この“スープが飲める火鍋”が、日本市場にフィットした。出汁文化のある日本では「汁は飲むもの」という認識があり、雑炊や麺で鍋を締めるというマインドもある。もしこれが飲めないスープであれば、複数店舗展開をしながら、長く生き残れなかったのではないだろうか。

四川の黒船到来!2015年から始まる麻辣火鍋チェーンの台頭

そんな日本に、四川省発の麻辣火鍋チェーン「海底撈(ハイディラオ:かいていろう)火鍋」が池袋にやってきたのは2015年のことだった。同店は中国でサービスのよさで知られており、前年の冬には、出店の噂が在日中国人の間で話題になったほど。

  • 1
  • 2

TOPICS

ランキング(グルメ)

ジャンル