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公園の芝生や河川堤防に生えた花…雑草という言葉の定義は何?

幻冬舎ゴールドライフオンライン

※本記事は、宇都宮大学雑草管理教育研究センター教授、博士(農学)・小笠原 勝氏の書籍『雑草害~誰も気づいていない身近な雑草問題~』(幻冬舎ルネッサンス新社)より、一部抜粋・編集したものです。

雑草の定義

雑草にもちゃんとした定義があり、その定義は大きく二つに分けられます。

一つは人の価値観に基づいた定義で、人の役に立たない植物あるいは人に何らかの損害を与える植物を雑草とみなすというものです。

米国雑草学会は雑草を「人類の活動と幸福・繁栄に対してこれに逆らったりこれを妨害したりするすべての植物」と定義しています。幸福・繁栄とはいかにもアメリカらしい強者の尊大さみたいなものを感じさせる言葉です。

例えばダイズ畑に前年に作付けしたコムギ種子が土壌に残っていて、それが春に生えてきたとします。どちらも作物ですが、農家にとっての幸福とはたくさんのダイズを収穫することですから、ダイズの収量を競合によって低下させるコムギは排除すべき植物、すなわち雑草になります。

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また、この逆も然りです。農業では、作物の収量や品質といった客観的な指標があることから、どんな植物を雑草と見なすかは容易であり、その判断は一般的な社会常識から大きく逸脱することはありません。

しかし、雑草と見なすべきか否かの判断に迷う場合があります。その一つが写真1に示した河川堤防におけるアブラナ科の一年生植物のセイヨウアブラナです。

 

姿形がセイヨウアブラナに似ているセイヨウカラシナという植物もあります。葉の基部が茎を抱き葉柄のないのがセイヨウアブラナで、葉の基部が茎を抱かずに葉柄が明瞭なのがセイヨウカラシナです。

どちらも河川堤防ではよく見かけることのできる植物で、川の近くの畑で油料作物や野菜として栽培されていたものが堤防に逃げ出したと考えられています。

花が黄色で綺麗なため、今や早春の風物詩として多くの市民に親しまれており、セイヨウアブラナやセイヨウカラシナで町興しを企てている自治体もあるようです。

外見からは到底、悪さをする植物には思えませんが、堤防を維持管理する側からすれば、とても厄介な植物です。

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