top_line

【 最新ニュースをアプリでサクサク読むなら! 】

港町で海鮮三昧!旬の青蟹と小海鮮を食べまくる!|山口祐介の江南食巡り③

80C[ハオチー]

中国料理FROM天台山!当企画は、2021年にオープンした中国浙江省の山岳リゾートホテル「星野リゾート 嘉助天台(かすけてんだい)」総料理長・山口祐介さんの中国食探訪記です。仏教の聖地・天台山から、ここに住み、食を生業として働く料理人の目線で見た《中国の食》をご紹介します。★1回目から読む方はこちらからどうぞ!

中国料理の秋冬の味覚といえば上海蟹ですよね。日本でも、今の時期は各店で上海蟹が食べられていることでしょう。しかし、僕が住む浙江省台州エリアで、今食べるべき蟹といえば青蟹です。

青蟹とはワタリガニ科の蟹で、ノコギリガザミのこと。浙江省、福建省、台湾、広東省など東シナ海から南シナ海沿岸あたりで収獲されている蟹で、mud crab(マッドクラブ)というとピンとくる方もいるのではないでしょうか。

そんな青蟹は、このあたりでは中秋節に食べごろを迎える蟹として知られています(旧暦8月15日。今年は10月21日)。同じ時期に旬を迎える上海蟹はというと、天台では家で蒸して食べるのが主流。蟹味噌入りの小籠包はさすがに店で食べますが、レストランで食べるのは圧倒的に青蟹なんです。

ゆで青蟹。マッドクラブですから殻は硬く、爪に肉がしっかり詰まって、身は甘く、味噌もたっぷり。

青蟹の味わいは、肉質のしっかりしたワタリガニという感じ。特に爪にしっかりと蟹肉が詰まっていて、爪が一回り大きいのが肉蟹と呼ばれるオス。メスは膏蟹と呼ばれます。なかでも食べごたえがあり、流通にのってくるのは1杯400g前後。大きいものは500gくらいになります。

今の時期、上海や江蘇省の蘇州など、上海蟹の産地に近い人たちは、誇りもあると思うので上海蟹を食べることでしょう。しかし浙江省の南沿岸に住む寧波や台州の人たちは、上海蟹の季節が来ても燃えない人がほとんどです。一切、テンションが上がらない(笑)。

広告の後にも続きます

うちのレストランでも点心の湯包(スープ入り饅頭)で使いますが、それ以外は基本的に扱いません。ところ変われば旬の味覚も変わりますね。

これが青蟹。

振り返ってみると、ここ10数年間、青蟹はほぼ日本の中華料理市場から消えていたような印象があります。しかし僕が20代前半のときは福建蟹(福建ガニ)と言う名前でアメ横にも売られており、調理場でも活きた青蟹をよく使っていました。当時勤めていた店で、この蟹をぶつ切りにして煮込み、卵で閉じるタイプの芙蓉蟹にしていたのです。

そしてここ天台に来て再び青蟹を調理するようになり、今度は産地を訪れてみたくなりました。きっかけは、なじみの滴滴(DiDi)のおじさんです。

滴滴とはアプリで呼べる中国の個人タクシーのひとつ。おじさんは、僕が日本と中国を行き来しているときから付き合いがあり、今ではすっかりなじみの顔です。最近はタクシー運転手に人気がある朝ごはん屋さんに連れて行ってもらうこともあり、「青蟹に興味があるなら三門まで連れて行ってあげるよ」と言われたのです。

僕が働く店でも青蟹の注文が入っているので、この誘いに乗らない手はありません。さっそく中国人の若い料理人たちを誘って、浙江省の青蟹のメッカ・三門県までおじさんの車で行ってきました。

青蟹のメッカ、浙江省台州市三門県へ!

目的地となる三門県は、上海から高速鉄道(中国の新幹線)を使って約3時間弱。僕のいる天台に行くときは、上海紅橋→紹興市→寧波市→台州市と南下していきますが、台州市に入って最初の駅が三門県駅で、ここが天台山の観光の入口にもなっています。

  • 1
  • 2

TOPICS

ランキング(グルメ)

ジャンル