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自由を守りぬいた気概…独立共和国スイス「ジュネーブ」を巡る

幻冬舎ゴールドライフオンライン

本記事は、村野憲政氏の書籍『ヨーロッパ歴史訪問記』(幻冬舎ルネッサンス新社)より、一部抜粋・編集したものです。

(3)1998年1月31日-2月1日(土・日)モンブラン登頂記

モンブランは雲の上でした。標高4,807mのヨーロッパ最高峰は冬の間は天気がよく、真っ白な雪を頂いたたおやかな稜線を見せてくれます。もちろんいつも晴天だと雪も積もらず、4週間のうち1週間は吹雪というのが天気のパターンです。雲の下になるジュネーブは、その代わり冬の間は曇か雪というのが通例ですが、モンブラン、シャモニー1日観光に参加した土曜日は薄曇りでしたが日曜日はうららかな快晴で暖かく、金曜日夕方からの2泊3日の週末旅行は最高の天気に恵まれました。

 

土曜日は朝8時半のジュネーブ発のバスで10時にはシャモニー到着、10時半過ぎにはロープウエーの終点標高3,842m、氷点下16度のエギーユ・デュ・ミディ(Aiguille du Midi)の頂上に立ちました。目の前にはモンブラン、左に回ってヨーロッパ・アルプス3大北壁のグランド・ジョラス、そしてそのはるか遠くにはモンテ・ローザ、マッターホルンが見えました(マッターホルンには1996年9月にスイス現地法人臨店検査時に週末を利用して1泊2日で行ってきました)。

このロープウエーは中間駅(2,310m)から終点駅(3,777m)までの標高差約1,500m、水平距離約3,500mを約20分で一気に釣り上げ、シングル・スパンとしては世界一だそうです。ふもとのシャモニーの標高は約1,000mですから、階段を登る時などすぐに息が切れめまいがする感じです。

エギーユ・デュ・ミディは真昼の針峰(Needle of Midday)という意味で、ふもとのシャモニーから見る真昼の太陽の位置から取られた名前で、ガイドさんに教えて貰うまで中央の針峰(Needle of Middle)とばかり思い込んでいました。大学の第二外国語はフランス語だったのですが、勉強をしていなかった証拠です[*注]

 

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午後は登山電車でヨーロッパ第二の氷河メール・ド・グラス(Merde Glace:氷の海)まで行き、氷河の中のトンネル観光をしましたが、終点駅の目の前には天を突くような尖鋒エギーユ・デュ・ドリュー(Aiguille du Dru)が聳え、氷河の奥にはグランド・ジョラスとものすごいパノラマが開けます。氷河の上はスキーコースになっていて、エギーユ・デュ・ミディからふもとのシャモニーまで全長21キロのヨーロッパ最長のダウンヒル・コースだそうです。帰りのバスは4時半ですが途中の車窓からは白いアルプスの峰々が夕日に赤く輝いているのが見えました。

 

ジュネーブは小さい町です。人口は20万人ぐらい、ヨーロッパ最大(と言っても琵琶湖より少し小さいくらい)のレマン湖から地中海に注ぐローヌ河が流れ出すところにあります。1535年に宗教改革を機にカトリック司教を追放しプロテスタントの共和国となり、フランスから亡命してきたカルヴァンを迎えプロテスタントの中心地となりました。その後も1685年のナントの勅令の廃止を機にフランスから大量の亡命新教徒を受け入れるなど独立した共和国として栄え、ナポレオン支配が終わった1815年に最後の連邦加盟州としてスイス連邦の一員になりました。

最大の観光名所はカルヴァンが1536年から亡くなる1564年まで説教をしたサン・ピエール教会でカルヴァンが座った椅子が残されています。ただ質素・勤労を旨としたプロテスタントの教会らしく、装飾は少なくシンプルな建物です。その他には旧市街、市役所、サンジェルマン教会、旧武器庫、数多くの国際機関等ですが、面白かったのはジュネーブで最も古い家と言われるタヴェル家(Maison Tavel)で、その中に城壁と堀で囲まれた中世のジュネーブ市のミニチュア模型があり、戦乱の中で自由と独立を守った共和国の気概が伝わってくるようでした。観光上の問題の1つは、ジュネーブがフランス語圏であるため説明書・掲示等がフランス語であり、英語しか分からない語学音痴は非常にもどかしい思いをすることです。

 

というわけで、以上モンブランには登っておりません。某メガバンク行員のAさん、モンブラン登頂記とエギーユ・デュ・ミディからのダウンヒル滑降記を電子メールで寄稿しませんか。楽しみにしています。そういえば皆さん、Aさんから先月のプラハ紀行に関し訂正依頼がありました。Aさんのモンブラン登頂は1991年、40歳記念だそうです。謹んでお詫びします。

ヨーロッパは、歴史、文化の深さがアメリカやオーストラリアと比べ物にならないだけでなく、自然の美しさもでも負けません。お陰で単身赴任の侘しさも今までのところ、それなりに紛れています。今週は木・金のデュッセルドルフ支店出張のあと、月・火の2日間年休を取り、ドイツのドレスデン・ベルリン観光をする予定です。

 
 

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