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東京2020大会ホストタウンで生まれた選手との絆。コロナ禍でのおもてなし秘話

パラサポWEB

世界的なパンデミックという特殊な状況の中、東京2020大会は無事に幕を下ろすことができた。その裏には多くの人たちの努力と協力があったのだが、そのひとつがオリパラ史上初の試み「ホストタウン」。ホストタウンとなった(日本国内の)地域が、大会に参加する選手の事前合宿を受け入れるほか、受け入れた国と地域の住民とがスポーツ、文化、経済などの多様な分野で交流して絆を深めるとともに、地域の活性化を目指していくという新しい取り組みだ。コロナ禍の中での対応は想像以上の苦労とドラマがあったようだが、そうした状況下で生まれた予想外の絆もあるという。そこで今回、ホストタウンとして海外選手とその関係者を迎え入れた、2つの自治体にお話を伺った。

リモートでどうおもてなしするか、が課題に。思考を巡らせ実施したアイデアとは?

ー共生社会ホストタウン・石川県小松市ー

誰もが安心して暮らせるまちづくりに取り組んできた小松市

パラリンピアンの受け入れを機に共生社会の実現に向けた取組を推進する「共生社会ホストタウン」として登録した石川県小松市の「木場潟カヌー競技場」は、NTC競技別強化拠点となっている。ここでは日本選手権やオリンピックのアジア地区最終予選会など国際大会が開催されている。東京2020大会ではパラリンピックで以下の5カ国からパラカヌーの選手や関係者、合計36人を迎え入れた。

・イギリス (選手7人 スタッフ等8人)
・カナダ  (選手2人 スタッフ等3人)
・フランス (選手3人 スタッフ等4人)
・ポルトガル(選手2人 スタッフ等2人)
・ニュージーランド(選手2人 スタッフ等3人)

小松市が「共生社会ホストタウン」として登録した背景には、近年住民の高齢化により、高齢者や障害者手帳の所持者が増えてきていたという現状があると、小松市役所地域振興課の藤本課長。

「そういう世の中だからこそ、年齢、性別、国籍、障がいの有無に関係なく誰もが安心して暮らせるまちづくりに取り組んできました」(藤本課長)

たとえば、ハード面では木場潟カヌー競技場の乗降艇浮桟橋にスロープを設置。さらにバリアフリートイレの新設や競技場内の舗装整備など、パラアスリートが快適に練習できる環境を整えた。ソフト面では、市内の幼稚園や小中学校でオリパラ教育を実施。コロナ禍前には選手と子どもたちが交流する機会も設けるなどして、準備は着々と進んでいた。
このようにまちづくりから始まったことが「共生社会ホストタウン」に合致し、北陸で初めて登録。東京2020大会を迎えるためさらに準備を整えてきた。

離れていても応援したい。動画を活用したメッセージやオンライン交流でおもてなし

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新型コロナウイルス感染の世界的な蔓延により、予定していたおもてなしや、選手たちとの交流イベントのほとんどが中止となってしまった。そんな中、事前準備を進めていた小松市役所のスタッフの脳裏をよぎったのは、コロナ禍前の事前合宿で小松市を訪れた選手と触れ合ったときの、子どもたちの笑顔。オリパラ教育や選手たちとの交流の中で芽生えた海外の国やパラアスリートへの思いを、もっと育んであげたい。そこで市内の幼稚園の協力のもと、園児たちの応援メッセージ動画を国ごとに制作。園児たちが「よさこい祭ソーラン節」にあわせて踊りを披露したり、各国の言葉で応援メッセージを送ったりして応援した。

■カナダ
https://www.youtube.com/watch?v=MQPyBLmG1Vs
■イギリス・ノルウェー
https://www.youtube.com/watch?v=HP-hb1gG0Hc
■ニュージーランド・モザンビーク
https://www.youtube.com/watch?v=M55e71hV2LI

その他、リモートではあったが、書道や浴衣の着付け教室、石川県ならではの金箔貼りなどの体験会などを行い、日本のカルチャーに触れてもらう機会を作った。書道体験では「勝」という縁起のいい文字や自分の名前をカタカナで書くなどして選手たちは楽しみ、大会前の緊張をほぐしたそうだ。

こうした応援の甲斐があり小松市に滞在したパラカヌー選手16人うち、9人がメダルを獲得しているということから、小松市での事前の調整がうまくいったことがうかがえる。実際、小松市の温かなもてなしをSNSで紹介しているアスリートもいる。

https://twitter.com/LauraSugar1/status/1428969964933763072

メダリストは木場潟から

木場潟で合宿をした選手がメダルを獲得した際には90センチ×180センチもある巨大な紹介パネルを作って多くの人が目にする園路に設置。大会終了後にはその数が12枚にもなり20メートルを越えるビクトリーロードとなった。
小松市内外から年間80万人が訪れる「木場潟公園」には、市民も普段から馴染みのある公園。身近な公園から多くのメダリストが輩出されたことを知ることにより、木場潟が世界のトップ選手が認める競技場であり、「カヌーの聖地」だということを市民が改めて実感する機会となった。

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