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海水温が上がるとアホウドリの離婚率が高くなる

カラパイア


Rod Long / unsplash

 固い夫婦の絆で結ばれているはずのアホウドリのつがいが、危機に直面している。温暖化により海の水温が上昇したことで、離婚が増えているのだ。

 鳥類は9割が一夫一婦のつがいを作ることで知られているが、中でもアホウドリは夫婦の絆が強く、滅多に別れないことで有名だ。

 もしも夫婦の危機でアホウドリのヒナが生まれなくなれば、個体数の減少につながる恐れもあると、『Proceedings of the Royal Society B』(21年11月24日付)で報告されている。

気温が高かった年はアホウドリの離婚率が上昇

 今回ポルトガル、リスボン大学の研究グループが調査したのは、ペンギンが暮らすことでも知られる南大西洋の「フォークランド諸島」に生息するアホウドリだ。

 2004年から2019年に集められたデータを分析したところ、通常なら4%未満の離婚率が、7.7%まで上昇していることが判明。

 一般にアホウドリのメスがオスを見限るのは、うまく繁殖できない場合だ。しかし気温が高かった年では、無事子供を授かったメスですらオスを捨てることがあったという。

Photo by Nareeta Martin on Unsplash

 アホウドリのつがいが離婚するのは、思うように子供を作れないときだ。

 卵が無事に孵化したつがいを、「孵化しなかったつがい」、「孵化してもヒナが死んだつがい」と比べると、離婚率に5倍もの差があるという。なかなか子供ができないと、メスはもっといい相手を求めて、今のオスを捨ててしまうのだ。

 だから繁殖地の環境が厳しくなれば、それだけ離婚が増える。

海水温と離婚率に関連性

 それを裏付けるように、今回の研究では、海水温の上昇と離婚率の上昇とに関係があることが明らかになっている。

 海水温が上がると、アホウドリが食べられる栄養が乏しくなるので、海で食事する時間が長くなる。すると営巣地にたどり着くのが遅くなり、つがいはすれ違ってしまう。

 また時間どおり営巣地に着いたとしても、姿が貧相になり、魅力的に見えないかもしれない。

 その結果、メスはオスと別れる決心をする。

Photo by Annie Spratt on Unsplash

暑くて不快なのはオスのせい、とメスが勘違いすることも

 だが、今回の研究では、暑い年にはうまく子供を作れたアホウドリですら、離婚していることが明らかになっている。

 その理由について、研究グループは暑さのストレスが原因ではないかと推測している。環境が悪化してストレスを受けたメスは、それがオスのせいであると勘違いをするのだ。

 だからせっかくヒナが生まれているのに、メスはオスの下から去っていく。

フォークランド諸島にあるアホウドリのコロニー

夫婦の危機は個体数減少につながる恐れ

 何十年も生きるアホウドリは、パートナーと長年連れ添うことで、夫婦ぴったり息のあった行動がとれるようになる。これは子育てにもメリットのあることだ。

 しかし勘違いによって離婚が増えてしまうと、こうしたメリットを活かせなくなる。

 また離婚の本来の目的は、繁殖できない相手と別れ、できる相手を探すことだ。すでに子供を作れる相手がいるのに、それを捨ててしまうのは無駄でしかない。

 その結果として、アホウドリ全体の繁殖率が下がり、個体数が減少する恐れもある。

ほかの動物にも夫婦の危機が?

 同じようなパターンが、鳥以外の社会的動物でも起きている可能性があると、研究グループは指摘する。

 繁殖相手が少ない種でこれが起きれば、その影響はずっと深刻なものになるかもしれないと、研究グループは懸念している。

References:Albatrosses divorce more often when ocean waters warm | Science News / written by hiroching / edited by parumo

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