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柔道・瀬戸勇次郎が全日本3連覇! 男子66kg級銅メダリストの矜持

パラサポWEB

しかし、瀬戸は階級の変更を迫られている。

これまでパラリンピックの柔道競技は男子の場合、体重別の7階級に分けてそれぞれのメダルを争ったが、パリ大会では2つのカテゴリー(全盲と弱視)に分けられ、それぞれ4階級(60㎏以下級、73㎏以下級、90㎏以下級、90㎏超級)で実施されることが発表されたのだ。

瀬戸の胸中は複雑だ。

「今まで66㎏級で戦ってきた。そこで戦える誇りもあったので残念です」

今年も因縁の相手・藤本との試合が注目を浴びた

種目の見直しはかねてより議論されており、階級が減るだろうことは理解していた。しかし、66㎏級がなくなり、パリ大会は60㎏級か73㎏級で目指すことになるため、「まさか間(66㎏級)がすっぱ抜かれるとは思っていなかった。かなりショックでした」と衝撃を隠せない。

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普段は体重が70㎏前後で、試合前に3~5㎏ほど減量する瀬戸は、「おそらく60㎏以下まで落とすのは難しいのではないかなと思っています。73㎏級でやるとなると、76㎏くらいは欲しいところ。とはいえ、パラリンピック予選が始まるまでの1年未満という期間で体を作るのは厳しい。トレーニング方法を含めて考え直さなければ……」と困惑気味だ。

さらに、全盲が不利とされ、カテゴリー分けがされることについて、「自分は弱視だから」と前置きをしたうえで、「障がいの程度に関係なく、みんなが一緒にできる。それが柔道のいいところだと思っています。これまで弱視の選手相手に戦っていた全盲の選手の気持ちもあるし、全盲の選手に勝つことのできない弱視の選手もいる。そんな中で、単純にわけるのがいいのかどうなのか」と複雑な気持ちを明かした。

先天性の目の病気により、弱視の瀬戸。人や物がぼんやり見え、光をまぶしく感じるという

瀬戸を強くするレジェンドの存在

今後の階級は未定だが、パラリンピックの金メダルに臨む目標は変わらない。

パラリンピック3連覇の実績を持つ藤本とは、計量の行われた試合前日、約半年ぶりに再会した。東京大会で銅メダルを獲得した瀬戸に「メダルおめでとう、がんばったな」と言葉をかけてくれたという。

「66㎏級は藤本さんがメダルを獲られていた階級なので、改めて引き継ぐことができて本当によかったなと思いました」

ライバルではあるが、切磋琢磨して高め合う仲間でもある。「今日もそうですし、普段からそんなにバチバチはしていないですよ(笑) だけど、試合はお互い真剣。それがうれしいし、楽しいことなんです」

全日本選手権は2年ぶりの大会。無観客で開催された 

この日も「もっと長い時間試合をしたかった」と思うほど、楽しい試合だったと振り返った。

来年3月には講道館で東京国際視覚障害者柔道選手権大会が開催予定。「同じ階級にしろ、違う階級にしろ、藤本さんがいることで自分のモチベーションが上がることがあるんだろうなと思います」

大学卒業後は、大学院進学を見据える。パリに向けて、より柔道に取り組める環境を整備しており、金メダルへの思いものぞかせる。

「新しいレギュレーションの中で今の自分がどれだけ通用するかまだわかりませんが、今後、状況の変化に対応できるように、また少しずつ練習していきます」

初出場の東京大会で輝いた瀬戸勇次郎。21歳の銅メダリストは、未知の領域に挑む。

text by Asuka Senaga
photo by Haruo Wanibe

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