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アルツハイマー型認知症を予防する点スプレーワクチンの治験が開始される

カラパイア


 アルツハイマー型認知症は、脳神経が変性して脳の一部が萎縮していく過程でおきる認知症だ。患者には病気であるという認識がなく、徐々にもの忘れが多くなり、ゆっくりと症状が進行していく。

 その点鼻予防薬がアメリカの病院で試験的に投与されるそうだ。

 じつはこのワクチン、かつて効果がないとして、大手製薬会社が開発を断念。にもかかわらず、アメリカ当局が特例的に承認したという経緯がある。

脳の垢を除去して、記憶を守る鼻スプレー”ワクチン”

 ブリガム・アンド・ウィメンズ病院で試験的投与が行われるアルツハイマー型認知症の”ワクチン”を、「アデュカマヌブ(Aduhelm)」という。

 感染症予防でもないのにワクチンというのは、それが免疫系に作用して、病気を予防するからだ。

 アルツハイマー病の原因は、「アミロイドβ」というタンパク質の破片が、垢(プラーク)のように脳内にたまることだと推測されている。

 そのせいで神経細胞が破壊され、記憶や思考力が失われてしまう。

 そこでアデュカマヌブを鼻にシュッとスプレーしてやる。すると免疫系が刺激されて、ベトベトした垢が除去されるのだ。それによって、アルツハイマー病を予防し、病状の進行を抑える効果が期待できるという。

photo by iStock

かつて治験を断念した経緯

 かつてアデュカマヌブは、かつて治験に失敗して、開発が中断されたことがある。

 この薬の開発を進めていたバイオジェン社は、アメリカ当局(食品医薬品局)によって効果が不確かであると判断され、結局19年に後期臨床治験を中止してしまった。

 ところが、だ。それから半年後に、治験の参加者にワクチンの効果があったらしいことが明らかになったのだ。

 最終的に食品医薬品局は、「不確かだが、患者に役立つ可能性がある」として、特例的制度の下でアデュカマヌブを承認した。

 こうしてアデュカマヌブは、ほぼ20年ぶりのアルツハイマー病新薬としてデビューしたが、その一方で、効果が不確かのものが承認されたことで、物議を醸すことにもなった。

photo by iStock

アルツハイマー型認知症の新薬は続々と開発中

 遅々として開発が進まなかったアルツハイマー型認知症の予防薬だが、ネバダ大学のジェフリー・カミングスによれば、その開発はついに「難関を突破した」そうだ。

 アデュカマヌブ以外にも、有望な新薬候補が続いている。

 バイオジェン社は、日本のエーザイ社と共同で、また別の抗体薬「レカネマブ」の申請を完了。さらにイーライリリー社も、年内にも治療薬「ドマネマブ」のデータを食品医薬品局に提出するとしている。

 また、ここ5年ほどで、脳スキャンや血液検査法などの新しい技術が登場。アルツハイマー病を正しく診断し、治療の効果もきちんと確かめられるようにもなってきたとのことだ。

References:An Alzheimer’s Nasal Spray Vaccine Is About to Enter Human Trials For The First Time / written by hiroching / edited by parumo

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