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本物の八方美人が教える、人とのちょうど良い付き合い方の話【荒井沙織】

ホンシェルジュ

この反応を貫いていると、不思議と良いリアクションを求められなくなったのだ。誰かが嫌われていることや、あの子ってちょっと変だよね、ということに一切気付かないような《ちょっと天然な子》で居ることで、面倒を最小限に抑えることができたと思っている。

そもそもこちらに話を膨らませる気がないのだから、話していて盛り上がる訳が無い。複数の子たちで噂話に花が咲いていたとしても、②を行使すれば「もう〜!気付かないなんて、さおちゃんはほんと天然なんだから〜笑。」ということで、なんとなく会話がひと段落するのも実証済みだ。

この立ち位置はとても有効だった。なぜなら、たとえ私が陰口の対象になっている人物を擁護しても、顰蹙を買う事が無かったのだから。この自分なりの最適解を見つけたことが、その後の私が、良いか悪いか “ 八方美人 ” と言われるようになった原点だろう。

嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え
著者岸見 一郎 古賀 史健 出版日2013-12-13

八方美人を極める

人間の面倒な部分は嫌いだが、基本的には性善説を信じたいと思っている。だから、どんな人でも、最初は好意的に受け入れる態勢なのだ。そして、ある程度の違和感は自分の中でフォローして許容できる。そういう意味で、私はきっとナチュラルボーン・八方美人だ。

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基本的になぜか「ぶりっ子」のイメージは標準装備だし、大学時代は学校で菓子パンを買っているだけで「意外だね」と言われたり、気を遣えば「媚を売っている」だとか。そんなことだから、とにかく人目に触れるのが面倒で、大学一年生の頃は、一人暮らしをしていた家から夕方になるまで出られない時期もあった。社会人になった今でも、目の前や真後ろで悪口を言われたりする事があるのが、本当に驚きだ。

元々は、どれだけ嫌な思いをしても、特定の誰かを嫌いだと思ってしまう自分は嫌だなと思っていた。けれど、大人になるにつれ増えていった理不尽な思いを経験するうちに、そんな人たちを無理に “ 善い人 ” と思わなくて良いかなと、考え方を変えることにした。自分が “ NG ” と感じるような人間は、どれだけこちらが神経をすり減らして我慢しても、無遠慮にどんどん攻撃してくるものだ。世の中には、解り合えない人間同士もいる。

それで、一度 “ NG ! ”と思ったら、拒否反応を出して良いということにした。自分を消耗させる人間からは、離れるのが一番だ。そう決めたら、無駄な心労を減らす事ができた。“ NG ” の人たちに何と言われようと、使わずに済んだエネルギーは、もっと人に優しくするために使いたい。

ところで近頃、仕事関係の一部の方々から、「あざといキャラ」でいじられ始めた。「ぶりっ子」にしても「あざといキャラ」にしても、愛のあるキャラ付けは楽しい。善い人たちに囲まれていてこそ、 “ 八方美人 ” で在りたい、“ 八方美人 ”を極めたい、と思う。

腹6分目

人付き合いは腹8分目くらいが丁度良い、とはよく言われたもので、何となく私もそう思っていたのだが、ここ数年は新たな基準に設定し直した。どんなに仲の良い友人でも、60%くらいの距離感と気持ちでいると、ストレスは格段に軽減される気がする。

近すぎると、見えなくて良い所まで見えてしまったり、意見の違いに悩んだりすることがある。家族だって別の人格なのだから、友人や知人ならば当然、違和感を抱くことも価値観のすれ違いもあるはずだからだ。例外的に近い存在がいても、「本来60%くらいで良いものなのだ。」と思えば、大体のことは気にならないものだ。

意識的に遠ざける必要はないけれど、少し余白を持たせることで、その余裕の中で良質な人間関係を築くことができると、現在の私は感じている。たとえ連絡が密では無くとも、大切に思う存在は多かったりする。

友だち幻想 (ちくまプリマー新書)
著者菅野 仁 出版日2008-03-06

それでも人間って面白い!の境地

人間って面倒臭い。特に、肌の合わない人間関係は面倒だ。解り合えない人は、誰にでも必ず存在する。

けれどそれも全部含めて、いま私は、人間というものを面白いと思っている。そういう心境になってきたのは、落ち込んだり心を乱されたりを繰り返しながら、少しずつ、自分自身の存在を確立し始めた証なのかなと思う。その上で自分の嫌なことを認識できれば、人との付き合い方も変わってくる。善いものだけを残していけば良いという、とてもシンプルなことだと気付いたのだ。

少しモヤモヤしたときは、SEKAI NO OWARIの『Dragon Night』を聴くことにしている。この曲の歌詞を聴くと、ちょっとだけ寛容な気分になれるからだ。「自分だってもし立場が違っていたら、人を攻撃していたかもしれない。今そんな自分にならずに済んでいることに感謝しよう。」そんな気持ちにさせてくれる、好きな一曲だ。

SEKAI NO OWARI―世界の終わり
著者SEKAI NO OWARI 出版日2015-02-10

ただし…

もしあなたが攻撃されるなら、出来るだけ早く逃げてほしい。傷つけられる可能性がある人間関係において “ 離れた者勝ち “ は大原則だ。傷つきながら、ただ我慢して過ごすなんて、あなたの時間が勿体無い。無駄を無くすためには、まずは少しでも、離れること!

今年の新年度は、誰もが自分の心を大切に、あなたの大切な時間を無駄なく、楽しめますように!

撮影: 荒井沙織
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2021年11月30日

提供元:ホンシェルジュ

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