実は山本くんは入社当時からはやみんに憧れていて、距離を縮めるチャンスをうかがっていました。はやみんが超ズボラ女子だったことは想定外でありながらも、掃除や洗濯、料理など幼少期から鍛えた家事力を武器に「嫁」としてはやみんとの距離を縮める作戦に!
ただ、カップ麺の買いだめや服の脱ぎ散らかしグセを注意したり、快適な空間づくりに精を出したりしてはやみんの世話を焼くあまり、寝ぼけたはやみんに「お母さん」と言われてキズつく一幕も(笑)。
そう、まさに山本くんのかいがいしさ、嫁どころか「オカン」そのものなんですよね……。
はやみんが「一家に一人」と評したように、山本くんの家事はカンペキ。恋人としてじゃなくても、そばにいてほしくなる……。日々、忙しく働いている女子には、そんなはやみんの気持ちが痛いほど分かることでしょう。
■ふいに表れる「恋心」に乙女心が呼び覚まされる
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一方、仕事以外では気が抜けまくりのはやみんは、これでもかというほど鈍感。周囲はみんな山本くんから発せられるはやみんへの想いに気づいているのに、はやみん本人だけが全く気づいていません。山本くん、気の毒すぎる……。
というのも、はやみんは旦那&嫁として同居を始める時に約束した「あくまで家事の担い手だから絶対に手を出さない」というポイントにこだわり、山本くんのことを想っている自分に気づかないフリをしてしまってるんです……!
ところが、突然少し冷たくなった山本くんの態度にモヤモヤ(鈍感すぎる自分のせい)。そのまま少し気まずい期間に自分を避けて同期の女子の自宅で「嫁活動」していることを知ってモヤモヤ。そこまできてようやく気づく「これ、嫉妬!?」。恋が動き出すのが遅すぎる!!
そして、はやみんが山本くんへの気持ちを自覚していくにつれて、山本くんの一挙一動がなんだかカッコよく見えてしまうから不思議。
はやみんが意を決して「山本くんを独り占めしたい」と伝えてからは、もう……。想像を軽く超える二人の幸せタイムが続くわけです。
山本くんは元々はやみんに好意を寄せていたとはいえ、嫁(家事担当)と旦那(お金稼ぎ担当)としてスタートした二人の共同生活。そんな日々を過ごす中で、当たり前のようにはやみんに優しくしてくれる山本くんのカッコよさ、そして恋愛なんてご無沙汰だったはやみんの不器用すぎる愛情表現に、恋することのじれったさや切なさ、そして「誰かに恋して、相手を大切に想うことのすてきさ」を思い出させられる作品です。
■恋することの楽しさを思い出させてくれる作品
恋愛から遠ざかった生活をしていると、ついつい「今の生活がラクだなぁ」と思ってしまうこともありますよね。でもふとした瞬間に孤独を感じたり、「このままでいいのかな?」と不安になったり。
はやみんと山本くんの奇妙な生活からは、熱く燃え上がるような恋愛模様は浮かび上がってきません。でも、燃え続けるたき火のような優しい温かさを感じることができるんです。
『わたしのお嫁くん』で、誰かを大切に思いながら過ごす日常の幸せ、恋する日々のときめきをぜひ思い出してみてください!
それでは、今週もよい週末を!
(藤堂真衣)