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米津玄師「春雷」で描くのは初恋?力強くも儚い歌詞の意味を考察

UtaTen

初恋の想いを綴ったアルバム「BOOTLEG」収録曲が人気


▲米津玄師 – 『春雷』【OfficialMusicVideo】

2017年11月1日に発売された米津玄師のメジャー3枚目、通算4枚目となるアルバム『BOOTLEG』。

多彩な楽曲を集めたこのアルバムの収録曲の1つで、タイアップなどでスポットが当てられていないながらファンから根強い支持を受ける人気曲が今回紹介する『春雷』です。

懐かしさを覚える音楽と早口なボーカルに惹きつけられ、リピートして聴きたくなる楽曲となっています。

「春雷」とは春の訪れを告げる雷のこと。

このフレーズにどんな意味が込められているのか、歌詞の解釈を考えながら読み解いていきましょう。



「春の真っ最中」に主人公の前に現れたのは、言葉でも手振りでも表現しきれないほど輝く人です。

その人を見つけた日から、彼の「胸には嵐が住み着いたまま離れない」かのように激しい思いがうごめいています。

春雷が春を告げる雷であることと、春が恋を表して使われることを考えると、これは落雷のように衝撃的な初恋の出会いを描いていると考察できます。



風になびいて「踊るその髪の黒」、透き通るように「真っ白い肌」。

美しい色のコントラストは、相手の女性の繊細に輝く魅力を物語っています。

恋をすると、相手の見ている世界や考えを知りたくなるものです。

彼もそう思って「頬に手を伸ばし」ますが、彼女のあまりの儚さや尊さを目の当たりにして、彼女を自分が壊してしまいそうで恐怖を感じ触れることができません。

好きすぎて触れることも怖くなる気持ちは、恋を経験したことのある人なら共感できるのではないでしょうか。

そしてこの部分で「似合ってました」や「怖かった」と過去形で歌われていることに注目すると、主人公がかつての初恋を思い出している曲であることが見えてきます。

春の景色にあなたを想う





「あなた」に恋をしてから少しのことで一喜一憂する自分は、まるで相手の思い通りに行動しているかのようです。

「ゆらゆら吹かれて」という歌詞で、恋心に翻弄されている様子が見事に表現されていますね。

初めてのことに戸惑いは大きいようですが、「悲しくって散らばった思いも全て あなたがくれたプレゼント」というポジティブな捉え方が印象的です。

「あなた」に恋をしたからこそ得られた感情や体験だと思うと、想いが届かない心の痛みや憂いさえ大切に感じられるという気持ちが伝わってきます。



想いが伝わってほしいと願いながらも、この気持ちを「言葉にするのも 形にするのも」うまくいきません。

だから彼はただ「目を見つめ」、すると「あなたはふっと優しく」笑って応えます。

そんな何気ない出来事によって、かさついていた心や胸が騒ぐような秘密が砕かれて、恋に落ちたことに気づきました。

激しい音を立てて落ちる雷のように痛みの伴う恋心が体を駆け抜け、気持ちは高まっていきます。



様々な感情を繰り返している内に季節はめぐり、また春が訪れました。

「甘い香り」はきっと想いが通じ合っているかもしれないと感じた出来事のこと。

期待してしまうような瞬間があったから余計に恋焦がれ、出口のない恋の中をさまよっています。

続く「花が散れば」というフレーズは、春の終わりのことを指しているのでしょう。

春は出会いと別れの季節。春に出会った二人は、春にお別れしてしまうことが決まっているようです。

この点を考えると、もしかしたらこの初恋は主人公の学生時代の記憶で、春になったら先に卒業してしまう先輩に想いを寄せていたということなのかもしれませんね。

今咲いている花が散った頃にはお別れだから、最後の思い出を一緒に作ってくれませんか?そんな想いが込められているように感じられます。

また、散り始めた花の自由な美しさや、手を伸ばしてもすり抜けていくもどかしさが、まるで「あなた」を見ているようで愛しくも歯がゆい想いに駆られている様子も見えてきます。

やがてそんな日々も過ぎ去った何度目かの春。

春の景色に重なる初恋の人を思い出しながら、「あんな嵐はどこへやら」と熱い気持ちへの懐かしさと寂しさに思いを馳せています。

失恋の痛みも強く愛した証拠





「まだまだ心は帰れない」というフレーズから、時間は経ってもまだ彼女のことを忘れられないでいると解釈できそうです。

彼女の「細い声」を思い出す度に恋心がぶり返すから、自分も彼女に愛されていたと思いたくて「騙しておくれ」と歌っているように感じました。

とはいえ、甘い香りの漂う記憶も今では儚い幻なのです。

想いを伝えられないまま失恋してしまったようですが、時が経っても忘れられないほど愛することができた恋はとても尊いものですね。



彼は彼女の気持ちを聞きたい、自分の想いを伝えたいと思っていました。

「それでもあなたを前にすると 何にも出てはこないなんて」という歌詞は、片思いの不安やじれったさを伝えていて男女問わず共感できますよね。

そして、心で感じる痛みや痺れといったつらい面も恋の一部だと分かったことで、彼は恋が楽しいばかりのものでないことをはっきり感じ取ったようです。

次の「あなたの心に 橋をかける大事な雷雨だと知ったんだ」の部分は、様々な考察がされている印象深い一節。

まずそれまでの歌詞から、恋を通して感じるつらさを天候の荒れた「雷雨」と表現していると捉えらえます。

また、相手の心に橋をかけるということは二人の心を繋ぎ通わせることと解釈できるでしょう。

雨と橋から連想されるのは虹。虹は雨が降るからこそ現れるものです。

そのことをふまえて考察すると、虹がかかるには太陽と雨が必要なように、人と人が心を通わせるにも喜びと悲しみのどちらも必要で、自分が得た感情に無駄なものはないんだというメッセージが込められているのではないでしょうか。

そうして迎える穏やかな春は、きっと自分をもっと成長させてくれるはずです。



この部分でも「どうか騙しておくれ」と呼びかけています。

本当は違うと気づきながらも、記憶の中の彼女が向けてくれていた感情が愛だと信じていたいという願いの表れのように感じます。

いつかその記憶が消えてしまうその日までは、嘘でもあなたに愛されていたい。

実らないと言われる初恋だからこそ未練がましくも特別な感情を抱いてしまう、リアルな人間ドラマが描かれていたと言えるかもしれませんね。

「春雷」が初恋の気持ちを思い出させてくれる


米津玄師の『春雷』は春や雷といったキーワードを使い、初恋の衝撃と愛情の熱量が巧みに表現された作品です。

歌詞を振り返ってみると「好き」や「愛してる」といった直接的な表現はないのに、主人公が相手にどれほど愛情を持っていたかがダイレクトに伝わってきたのではないでしょうか。

日本語の美しさや米津玄師の言葉のセンス、そして心の片隅に眠る初恋のきらめきをじっくり感じてください。

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