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「消滅危機」から躍進の国民民主 独自路線の先に何を見る?玉木雄一郎代表に聞く【インタビュー】

J-CASTニュース

衆院選で自民党や立憲民主党が議席を減らす中、いわゆる「野党共闘」に加わらず独自路線を取った国民民主党は公示前の8議席から11議席に増やした。玉木雄一郎代表がJ-CASTニュースの取材に応じ、特に経済政策を愚直に訴え、若者にも響いたことが奏功したとの見方を示した。

「野党国対」の枠組みを離脱する一方で、維新との接近も指摘される。玉木氏によると「国民とは近距離、各党とは等距離」。与野党にかかわらず、政策単位で協力を求めていきたい考えだ。議席を減らした立憲については、共産党との選挙協力で「主張の現実性」などが「揺らいできている気がする」とも指摘した。改めて連携するとすれば、立憲が共産と「少なくとも政策的なものでは、ちゃんと一定の距離を置いて、現実路線でやっていく」ことが必要だとした。原油価格高騰への対策では、衆院選で追加公約として掲げたトリガー条項の凍結解除を引き続き訴える。憲法改正については、「自民党みたいにやたらめったら権力を広げようとする改正でも駄目だし、何でもかんでも『一字一句変えちゃ駄目だ』というのでも駄目」。憲法審査会を継続的に開いて議論を促進すべきだという立場だ。緊急事態条項についても「議論したらいい」とした。(聞き手・構成:J-CASTニュース編集部 工藤博司)

経済政策にこだわって「見てくれている人は見てくれている」

―― 衆院選公示前には「もう消滅」「絶滅危惧種」など散々な言われようでしたが、8議席が11議席に伸びました。勝因をどう分析しますか。

玉木: 現職の6人は全員が選挙区で当選できましたし、比例でも5議席が取れたので、我々としては「よく生き残ったな」という思いです。一言で言うと、やはり国民の皆さんに有権者の皆さんに助けてもらったと思います。我々は結構愚直に政策を作って訴えて、特に経済政策に対しては、かなりこだわって訴えてきて、それでかなり手応えを感じることができたので、「見てくれている人は見てくれているな」というのが、正直な感想です。

―― どんな「手応え」でしたか。

玉木: 作ったパンフレットが足りなくなって増刷したぐらいなので、やはり公約を見たい、知りたいという声が結構あったのは事実です。衆院選では(自分が)一番長い距離を移動した党首らしいのですが、各演説会で必ず10代20代の若い人が集まってきてくれていました。やはりツイッターやユーチューブの「たまきチャンネル」などで発信してきたことの一つの効果だと思います。若い人に関心を持っていただけていますし、実際に各地の出口調査を見ても10代20代の支持は厚かったので、そういうところに届いていた、響いていたっていうのは、我々がむしろ勇気をいただきましたね。

―― 党のスケジュールは報道陣向けにもグーグルカレンダーで共有されていますが、長崎1区と茨城5区に壮大なリソースを投下しているように見えました。

玉木: 投下しました。絶対に、その1期生(17年10月の衆院選で初当選した世代。1年生、1回生)2人は負けられない、しかも共産党が候補者を立てている選挙区ですから、「そこで負けるわけにはいかん」と。そこで勝ってこそ自分たちの信じる政策や理念を訴え続けることができると思って、特に力を入れてそれぞれ3回ずつ(現地に)入りました。初日には長崎に行きましたし、最終日はマイク納めの時間まで茨城5区にいました。自分の選挙区にはほとんど帰っていないので、あの2つは絶対通さなければいけないと思っていました。結果が出て良かったです。

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―― 特に長崎1区は自民党の対立候補が安倍晋三元首相の元秘書で「激戦区」だと言われていました。

玉木: やはり(選挙戦の)後半は手ごたえを感じてきました。正直、長崎1区は我々の事前調査では横一線だったんですね。だからテコ入れをして、本人(候補者の西岡秀子氏)も非常に頑張ったところもあるし、支援者の皆さんにも助けていただいて、最終的には(対立候補に)比例復活を許さないぐらい勝つことができたので良かったです。茨城5区は、調査では正直負けていました。共産党さんが立てて、「どうしても無理だろう」と言われていたところを一丸となって戦って、浅野(哲)候補も、選挙戦を通じて強くなったと思うんです。発するメッセージも非常に力強くなりました。本当に「代議士」になったな、という感じですね。

若い人が議員になれる道を開かないと、高齢者向けの政策ばかりに…

―― 当選した11人中5人が新人でした。これをどう評価しますか。比例票が後押しした、党名が浸透してきたという見方もできそうです。

玉木: そうなんです。20年9月に新たにスタートを切って1年ちょっとでしたが、これだけいろんな政党がある中で、認知度を上げていくのは大変なんですよ。ただ、選挙期間中は比較的平等に地上波でも取り上げてくれたりするし、政策についてもかなり注目していただいたので、こういう結果につながったと思っています。共産党を抜いて、一応野党第3党になったので、いろんなテレビなんかにも出来れば呼んでいただいて、我々の政策を国民の皆さんに知っていただくようなチャンスをいただければと思います。さらに、これまでと同様に、ネット上では「たまきチャンネル」やツイッターで、タイムリーに政策を発信していきます。

―― 9月15日に行われたポスターと主要政策の発表会見では、「給料が上がる経済」や「人づくり」を掲げて「若い人をエンカレッジ(激励)していく、そういう政党で我々はありたいと思っている」と話していました。投票率が高い高齢者向けの政策が優先されがちな「シルバーデモクラシー」が問題になる中、「若者向け」を明確にするのは珍しいです。選挙戦での印象的な若者からの反応などあれば聞かせてください。特に「若者に響いた」と感じた政策はありましたか。

玉木: 象徴的なのが、名古屋で「18歳被選挙権」に特化して演説をした時です。各党みんな「若者政策」と言いますが、力を入れていないんですよ。なぜかと言うと、当事者がいないからですよね。今はどんなに「若者のためにやります」と言ったって、早くて25歳にならないと衆議議員になれない。参院議員なら30歳。10~20代の声を反映する政治をやろうとすれば、そういう人たちが政治家になるのが早い。ですから、「18歳の選挙権を実現したけど、今度は18歳の被選挙権を衆議院に認めよう。早ければ『高校生衆院議員』とか『大学生衆院議員』ができる」というパネルを作って、賛否をシールで貼ってもらいました。若い人がいっぱい来てくれて、皆さん「賛成」に。一部反対もありましたけどね。そういう対話型の演説会をしたら、すごく若い人の反応が良かったです。ただでさえ数(人口)が減っていくし、若い人は数少ない時代ですから、政治的にはむしろもっと若い人を積極的に議員になれるような道を開いてあげないと、与野党各党、常に絶対数が多い高齢者向けの政策ばかりになってしまいます。若い人にもっともっと投票にも行ってもらいたいし、さらに自分がなったらいいと思います。そうすれば同級生が政治家だ、という機会もあるわけで、それが一番政治を身近に感じる機会になると思います。そういったことを話したら、結構興味を持って聞いてもらいました。

―― 演説会場に若い人は多かったですか。

玉木: そうですね、北海道では半分ぐらい高校生でした。17歳だと選挙権がありませんが、それでも来てくれて耳を傾けてくれました。そういう若い世代にきちんと響くような政策を言わなければいけないと、選挙活動を通じて逆に私自身気づかされましたね。出口(調査の結果を)見ると、実際に10~20代は比較的他の年代層に比べて、支持の層が厚かったです。

日常的にSNS投稿続ける「ネットどぶ板」が大事

―― 立憲民主党は比較的年齢が高い人の支持が多かったですが、自民、維新、国民の3党は比較的10~20代が多かった印象です。ところで、先ほどユーチューブの効果に関する話題がありましたが、11月10日の「岩瀬惠子のスマートニュース」(ラジオ日本)では、「『ネットどぶ板』が大事」だと話していました。この「ネットどぶ板」という用語自体は、19年の参院選で自民党の山田太郎参院議員が使っていたようですが、どんな「どぶ板」が奏功したとお考えですか。

玉木: 今回は、「急にネットやり始めた」という人は駄目ですよね。ネット選挙は実は手間がかかって、普段からコツコツと、「いいね!」が少なくても書き続けるとか、そういうことをやって初めて選挙中、本番にブレイクするんですよ。

―― やっぱり「にわか」じゃ駄目なんですね。

玉木: 選挙は日常活動が大事だと言いますが、ネットも日常活動が大事ですね。
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