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小惑星衝突だけではない。人類は宇宙からやってくる病原菌の侵略にも備えなければならない

カラパイア


 宇宙からもたらされる地球の危機と言えば、小惑星の衝突が真っ先に思い浮かぶだろう。事実、NASAは地球防衛ミッションをテスト中だ。だが、他にも圧倒的脅威が存在するという。

 地球外生命体の侵略だ。ここでいうのはグレイのようなエイリアンなどではなく、微生物レベルの小さな生命体だ。

 オーストラリアの侵略生物学者たちは、宇宙に運ばれた地球の微生物が宇宙で突然変異し、恐ろしい病原菌となって地球に戻って来ることを懸念しており、地球を守るため、より高度な体制を整えねばならないと警鐘を鳴らしている。

 この論文は『BioScience』(21年11月17日付)に掲載された。

宇宙へ運ばれた地球の生命体が究極変異を遂げ地球に戻る危険性

 数年後には宇宙ホテルの建設成層圏での結婚式サービスが始まるように、近い将来、宇宙がもっと身近になるであろう気配はそこかしこから感じられる。

 だが、宇宙時代へ向けた進展は、少々先走りすぎているのではないかと、懸念する専門家もいる。

 宇宙旅行が当たり前のものになる前に、きちんと宇宙のバイオセキュリティを整えておかねば、危険なエイリアンの襲撃を受ける恐れがあるというのだ。

photo by Pixabay

 もちろん、現段階で地球外生命体は発見されていない。ゆえに、まったく未知の生命体が地球に襲来する危険性は低いかもしれない。

 より現実的なのは、宇宙へと運ばれた地球の生命体が宇宙で変異し、それを逆輸入するというシナリオだ。

 宇宙では、微生物の遺伝子に突然変異が起きやすいことが知られている。

 たとえば、微重力下の「大腸菌」を1000世代ほど観察した研究では、それらが抗生物質への抵抗力を身につけたことが確認されている。

 もし、そんな細菌が宇宙から地球へ持ち込まれてしまったら、SFの世界で描かれているような恐ろしい事態になるかもしれない。

photo by iStock

地球の生物を宇宙に持ち込むことで生じるリスク

 地球の生物を宇宙に持ち運んでしまうリスクは現実的なものだ。

 たとえば、宇宙船の組み立てに使われていたNASAのクリーンルームでは、非常に強い耐性を身につけた細菌が発見されている。

 また人間が何らかの目的で生物を宇宙に連れて行くこともある。2019年に月に墜落したイスラエルの宇宙船には、最強の生命力を誇るクマムシが乗せられていた。

 墜落の衝撃は、人間ならひとたまりもないかもしれない。だが、そのクマムシについては、まだ生きている可能性が指摘されている。

photo by iStock

宇宙でのバイオセキュリティの重要性

 オーストラリア、アデレード大学の侵略生物学フィル・キャシー氏らは、「起きる可能性は低くくても、重大な結果をもたらす恐れのあるリスクは、バイオセキュリティ管理の中心に据えおくべき対象です」と述べる。

 宇宙の科学研究を促進するために設立された国際機関「国際宇宙空間研究委員会(COSPAR)」には、地球防衛に特化した部門が存在する。だが、そのメンバーに地球外生物侵略の専門家はいない。

 キャシー氏は、これは重大な見落としであると指摘。「地球”外”生物による地球”内”汚染」や「地球”内”生物による地球”外”汚染」に対応するための制度が必要であると主張する。

宇宙の生物汚染を防ぐことはできるか?

 一度広まってしまったものに対処するのは容易なことではない。火星などでパンデミックが起きてから対応するよりも、それが起きないよう未然に防ぐ方がずっと楽だ。

 その一方で、地球の微生物を完全に地上に封じ込めておくなど、現実には不可能ではないかという意見もあるようだ。人間が移動すれば、必然的に微生物を連れて行くことになるからだ。

 はたして地球と地球外のバイオハザードを防ぐことはできるのか? 宇宙は「バイオセキュリティ・リスクの次なるフロンティア」であると、専門家は警鐘を鳴らしている。

研究論文:BioScience | Oxford Academic:Planetary Biosecurity: Applying Invasion Science to Prevent Biological Contamination from Space Travel |
References:Alien organisms – hitchhikers of the galaxy? / written by hiroching / edited by parumo

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