
そもそも文芸誌とは
「文芸誌」とは、小説や詩歌、随筆などの作品を中心に、書評や論評なども掲載している月刊誌や季刊誌です。
日本では当初、同人の間で刊行されていて、1904年に新潮社の「新潮」が初めて商業的に発売されたといわれています。それまで小説を掲載する媒体は新聞が中心でしたが、ここからは文芸誌を主な舞台にしていくことになりました。発行人も出版社へと移行していきます。
さまざまな種類がある文芸誌のなかでも、「文學界」「新潮」「群像」「すばる」「文藝」は「五大文芸誌」といわれ、それぞれ公募の新人賞を主催し、小説家になるための登竜門となっています。
作家志望の人や出版関係者が読むような難しい雑誌、という印象があるかもしれませんが、1度読んでみると、最新の作品をいち早く読むことができたり、まだ見ぬ作家の魅力を知れたりと、その楽しさにはまってしまうかもしれません。
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文芸誌「文學界」のおすすめポイントと特徴を紹介!
文芸春秋が発行する月刊誌です。もともとは1933年に文化公論社が創刊したもので、当時は小林秀雄、林房雄、川端康成など8人の同人が編集を担当していました。
1938年に石川淳の「マルスの歌」を掲載したところ、反戦意識を高めるとみなされて発禁に。作者と編集主任が罰金を課せられます。これを文藝春秋を創業した菊池寛が肩代わりしたことから、「文學界」の発行を文藝春秋が担うようになりました。
小説、戯曲、文学、映画、哲学、評論など幅広い構成で読者の支持を集め、社会的影響力が大きいです。五大文芸誌のなかでも権威ある雑誌だといえるでしょう。
純文学作家の登竜門ともいえる「文學界新人賞」を主宰しています。そのほか、「芥川賞」受賞作は「文學界」に掲載されたものが圧倒的に多いのも特徴。どの作品が受賞するのか予想しながら読むのも楽しいでしょう。初めて文芸誌を読む人にも、ベテランの人にもおすすめできます。
2021年11月23日