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日本のサイバーパンク小説おすすめ5選!言葉の意味や由来も解説!

ホンシェルジュ

2003年に刊行された冲方丁の小説。「日本SF大賞」を受賞しました。

壮絶な虐待を受けてきた少女が、特殊能力を得たことで、真の強さや他者を愛することを学んでいく日本のサイバーパンク小説の金字塔ともいえる作品です。

バロットは生き抜くために戦うなかで、時には加害者側になってしまうこともあり、自分の行動に関する責任や、力をもつことの意味などを考えていきます。さらに彼女を守るため全力を尽くすネズミ型の兵器ウフコックは、戦いを好まないにもかかわらず、自身が武器であることから戦うことでしか己の価値を見出すことができません。

人間や武器の存在意義について考えさせられる作品。細かく練られた設定と、迫力あるアクションシーンも魅力的でしょう。

日本のサイバーパンク小説の傑作『ハイブリッド・チャイルド』

 

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アディアプトロン機械帝国と、長期間戦い続けている人間。劣勢に立たされていましたが、戦いに終止符を打つため、特殊金属ユニットの骨にあらゆる生命体の細胞をサンプルとして取り込み、姿や性能を変えることのできる最終兵器を開発しました。

いわば生物と機械が融合した人造兵器であるそれは、「ハイブリッド・チャイルド」と呼ばれます。

ところがそのうちの一体が、「生きよ」という声に導かれて意志を持ち、軍から脱走。さまざまな細胞を取り込み変化しながら旅を続け、数奇な運命を辿ります。

ハイブリッド・チャイルド (ハヤカワ文庫JA)
著者大原 まり子 出版日

 

1990年に刊行された大原まり子の代表作。「星雲賞」の日本長編部門を受賞しています。

「ハイブリッド・チャイルド」は、単なる生体メカニックではありません。サンプリングされた細胞の記憶から徐々に自我に目覚めて、人間以上に人間らしく悩み、生きるのです。

機械と人間の細胞を融合した宇宙戦闘用生体メカニックというサイバー要素の強い主人公が求めるものは、「愛」。生命の美しさを感じられる、サイバーパンク小説の傑作といってよいでしょう。

まるで文字で映像をみるような、端正で美しい文章にも注目してみてください。

破壊と再生を描いたベストセラー小説『コインロッカー・ベイビーズ』

 

新生児の時にコインロッカーに遺棄され、奇跡的に生き残った「キク」と「ハシ」。孤児院で育てられた後、九州の離島に住む夫婦に2人そろって引き取られました。

当初は自身のなかに沸き起こる暴力性を抑えられずにいましたが、心臓の音を聞く治療を受け、徐々に社会に適応し成長していきます。

やがてハシは、実の母親を探すために東京へと旅立ちます。一方のキクもハシを追って上京し、破壊的な性格の女性アネモネと出会うのです。そして、小笠原の深海に眠る生物兵器「ダチュラ」を手に入れて街を破壊しようと計画し……。

コインロッカー・ベイビーズ(上) (講談社文庫)
著者村上 龍 出版日1984-01-09

 

1980年に刊行された村上龍の作品。「野間文芸新人賞」を受賞しました。若者に大きな刺激を与え、ラジオドラマ化や舞台化もされています。

1970年代に多発したコインロッカー幼児置き去り事件をモチーフにしていて、もしもコインロッカーを母体とする子どもが生きていくとしたら、何を考え、どんな生き方をしていくのか、作者の凡人離れした想像力が作品に熱量を与えています。

キクは、細菌化学兵器「ダチュラ」を使ってすべてを破壊することで、再生を求めていました。しかし最終的に彼らを救うのは、母親の胎内できいた「心臓の音」。破壊を描いているようで、生きることを力強く追い求めるサイバーパンク小説です。

サイボーグ猫が活躍するサイバーパンクノワール小説『ペロー・ザ・キャット全仕事』

 

物語の舞台は、稀代の犯罪者パパ・フラノが支配する未来都市「パレ・フラノ」。そこに住む主人公のペローは、他者との関わりを避け、精神のみの存在になりたいと望んでいました。

ある日ペローは、サイボーグの動物に人間の意識を転移させるシステムを偶然手に入れます。それからというもの、改造した猫に乗り移り、覗きを楽しみ、恐喝をくり返す生活をするようになりました。

しかし彼の存在を知ったギャングに脅されて、パパ・フラノのスパイにさせられ、陰謀の渦へと巻きこまれていくのです。

ペロー・ザ・キャット全仕事
著者吉川 良太郎 出版日

 

2001年に刊行された吉川良太郎の作品。当時の吉川はフランス文学を専攻する現役大学院生で、24歳の若さで「日本SF新人賞」を受賞しました。

人間の戦闘能力を強化するため、全身改造が当たり前になった近未来のフランス。自由を求めた主人公は、猫にジャックする能力を得たために、犯罪組織に取り込まれていきます。危険なノワールの香りが漂うサイバーパンク小説です。

物語は主人公の回想録として語られますが、いかなる場面でもスマートで穏やかな文体なのが特徴。読みやすいため、SF小説初心者の方にもおすすめです。

インターネット前夜に描かれたおすすめサイバーパンク小説『ヴィーナス・シティ』

 

国際情報調査会社に勤める主人公の咲子は、コンピューター・ネットワーク上に構築された仮想都市「ヴァーチャル・シティ」で、精悍な男性に転換し、夜な夜なバーにくり出していました。

ある夜、シティ内で暴漢に襲われる少女、ジュンコを助けます。ジュンコは現実世界では男性で、謎の人物に脅迫されてヴィーナス・シティに入れられたと言うのですが……。

ヴィーナス・シティ (ハヤカワ文庫JA)
著者柾 悟郎 出版日

 

1992年に発表された柾悟郎の作品。「日本SF大賞」と「星雲賞」の日本長編部門を受賞しています。

本作の舞台は、21世紀初頭。日本は世界経済を支配する国家となり、日本の家電製品や情報ネットワークが世界を席巻。日本企業が海外の大企業を買収しています。

テクノロジーも進歩して仮想が現実を凌駕していきますが、そこではやはりわずかな違和感や乖離が発生。仮想都市でで起きた事件が、世界を巻き込む国際情報犯罪に発展していく過程が見どころでしょう。しかも本作が、インターネットが一般家庭に普及する前に描かれたというのも興味深いところです。

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2021年11月23日

提供元:ホンシェルジュ

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