女性ならでは健康の課題を解決する、フェムテックという言葉を、最近いろいろなメディアで目にするようになりました。Female(女性)とTechnology(技術)を掛け合わせた造語で、ドイツ発の生理管理アプリ『Clue』を開発した企業がつくった言葉だそうです。生理管理アプリは、フェムテックというキーワードを生んだサービスとも言えます。
ガラケー時代から生理日管理サービスを提供し続けて20周年、今やアプリは1,700万DL(2021年6月時点)を突破した女性の健康情報サービス『ルナルナ』は、フェムテックの先駆けともいえる存在。今と比べると生理に対して閉鎖的だった時代から、どのようにしてサービスを育てあげ、今後どのような未来を描いているのでしょう。株式会社エムティーアイ ルナルナ事業部長の日根麻綾さんに話を聞きました。
前編では、生理や生殖にまつわるサービスだからと拒まれた過去から、妊活の常識を変えるような新発見など、デジタル化の変化の波とともに、時代を駆け抜けたルナルナのこれまでに迫ります!
★連載企画「のぼり坂47f」では、女性ならではの健康課題と向き合い、より良くするために取り組んでいる人や商品、サービスなどを紹介しています。
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(テキスト:女子部JAPAN(・v・) 編集部 たけだ)
――まず、今、フェムテックをとりまくムーブメントについて、日根さんは率直にどう感じていますか?
実は、フェムテックという言葉が広がってきたとき、「どこまでがテクノロジーのソリューションだと言えるのだろう?」と思うことはありました。でも、こういう言葉が先行したことで、起業する人が増えたり、新サービスが出てきたり、企業がどんどん参入して盛り上がり、新しい市場ができていくことは、私たちにとっても、社会の流れとしても好ましいことだととても肯定的に受け止めています。
今はまだ企業や国、メディアといったレイヤーでの盛り上がりで、一般の女性がそこに付いていってない部分もありますが、徐々に引っぱられるカタチで変わってくるとは思いますね。
――女子部JAPANで2017年に座談会ではじめて生理の話をしたときにとても盛り上がったのですが、大きな声では言いづらい話題という認識でした。今はよりオープンに話せる雰囲気に変わってきたと思います。ルナルナは20周年ということで、立ち上げ当時はかなりハードルが高かったと伺っていますが。