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「自分たちの考えを全てシェアしなくてはいけない世界になったら?」 新感覚SF『カオス・ウォーキング』原作者が描きたかったこと

ガジェット通信

ーー本作では原作者としてだけではなく脚本に参加されていますが、映像化するにあたり脚本にどの様な工夫をされましたか?

世界観が登場人物たちにとって、どれだけリアルであるかということを考えています。読者や観客にとってどれだけファンタジックな世界観だったろしても、そこで生きる人物にとってリアルであれば、地に足についた物語が書けるのではないかと思っていました。ヴァイオラはこの星「ニュー・ワールド」に着いて、初めて“ノイズ”に触れるから、観客と同じ視点を持っていて、観客はヴァイオラと一緒にこの星の常識を知っていくんだ。

ーー映画冒頭でトッドが狩りなど生活をしているシーンがありますが、「この星ではこれが常識なんだ」ということがよく分かりました。

『マディソン郡の橋』(1995)という映画があって、映画としてすごく面白いわけではないと思うのだけど(笑)、メリル・ストリープが演じていたのがイタリアからアメリカに来た女性で、彼女がクリント・イーストウッドの前を歩く時に、スカートのお尻の部分を自分の手でサッとはらう。「こういうささやかなシーンが映画をリアルにしている」とメリルが語っているのを見たことがあったんだ。ロバート(クリント・イーストウッド)が自分のお尻を見ていることに気付いて、自意識が生まれる、それでスカートをちょっと自分で直す、というシーンで。そのメリルが言っていたことがとても印象に残っていて、すごく小さな動きであっても、意味のある描写は物語をリアルにするんだと。本作においても、そのトッドの狩りのシーンが、『マディソン郡の橋』のスカートにあたる役割なんじゃないかなと思っているよ。

ーーSFな世界と西部劇な世界が融合されているのもユニークですよね。

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この小説自体が半分SF、半分西部劇であるイメージなんですね。開拓時代というのは色々な問題を抱えていて、人間というのは入植しつづける歴史を持っているので、この「ニュー・ワールド」の男たちは、アメリカが開拓してきた歴史と同じような過ちを繰り返してしまうのかという事が気になって書いていたんだ。

ーーそして素晴らしいキャスティングによって、映画の世界観がより身近なものになっていると感じました。

トム・ホランドとデイジー・リドリーは、映画ファンならどの皆さんも感じている様に、とても親しみやすいキャラクターを演じるのが上手です。彼らが演じているだけで応援したくなる魅力を持っている。そしてマッツ・ミケルセンは、本人は会った人なら誰しも好きになってしまう魅力を持っているのだけど、これまでも色々なヴィランを演じていますよね。彼の顔が佇まいに人を引きつけるものすごい魅力があると思うし、危険なのだけど支持してしまう。善悪の白黒がはっきりしていないキャラクターの方が僕は面白いと思うし、マッツは聡明な俳優なのでそういった人物を演じるのがとても上手なんだよね。

ーー今日は大変貴重なお話をどうもありがとうございました!

『カオス・ウォーキング』
出演:トム・ホランド、デイジー・リドリー、マッツ・ミケルセン、デミアン・ビチル、シンシア・エリヴォ、ニック・ジョナス、デヴィッド・オイェロウォ
原作:『心のナイフ』〈混沌(カオス)の叫び1〉パトリック・ネス著(東京創元社) 脚本:パトリック・ネス&クリストファー・フォード 監督:ダグ・リーマン
【原題】CHAOS WALKING/2021年/アメリカ・カナダ・香港/英語/109分/ドルビーデジタル/カラー/スコープ/G/字幕翻訳:大西公子 配給:キノフィルムズ 提供:木下グループ cw-movie.jp
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