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「いい子でいるために我慢してきた人たちに楽になってもらえたら」 映画『彼女はひとり』主演・福永朱梨、中川奈月監督が作品に込めた想いとは

ガジェット通信

●なるほど撮りたい映像は浮かぶが、伝えたい物語などが薄くなってしまったと。「腑に落ちる」とは、具体的にはどういうことなのですか?

中川:主人公のまわりに対する不満と恨みを全部叩き返すような言葉が、ちゃんと最後に出て来たと思ったんです。それまで前半でやってきた人を傷付けることを、その純粋な理由を提示した上で、終われたなと思って。物語の流れとして、すべての行動の意味を出す事が出来たかなと思ったんです。

●福永さんは、どういう気持ちで準備をしたのですか?

福永:脚本を読んだ段階で「わたしこの役やるかも」ってその時まず思ったんです。オーディションが終わった後も「そうだな」と、自分の中では、きっと決まったなという想いがあったんですよね。なのでちょっと運命的なものは感じていました。

●それは演じている最中も実感できましたか?

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福永:そうですね。ただ、自分の中に澄子と近いものがあったのかと聞かれたら自覚はあまりなかったのですが、たぶん普段は表に出さないだけで、自分の中にはも劣等感や鬱屈した感情があると思うんです。寝る前に今日嫌だと思ったことを思い出したりね(笑)。そういうものを澄子は出している子だけで、それで助けを求めているだけで、あまり自分と変わらないんだなと。なので無理して演じることもなかったですね。

●リアルなキャラクターでしたが、表現する工夫は何でしょうか?

福永:澄子って、映画を観た人の中にはこの子嫌だなって受け止める人もいると思うんですよね。でも、澄子を演じるわたしが彼女を嫌いになったりバカにしたり、距離を取ったりすると、たぶんキャラクターが魅力的にならないと思うんです。どんな悪い役でも絶対いいところもあると思うんですよね。お米粒を残さず食べるとか(笑)。人って一面だけじゃないと思うので、キャラクターの全面多面性を受け入れるということが一番大事とは思っています。

●監督はどうリクエストを?

中川:福永さんはほぼイメージどおりでした。わたしも初めてだったので、澄子をどうしようか、どう任せればいいのかわからなくて。でもオーディションで出会って、そこに「いるわ!」と、福永さんの後ろに隠しきれない暗いものを勝手に感じて(笑)。そんな感じで作ってきていただいたと思っているので、脚本もわたしのイメージどおりに理解してくれていました。なので見ているだけで面白かったですし、わたしが書いた以上のセリフを言ってくれた。「そんな感情になるのか、怖い!」みたいな(笑)。セリフを聞いていて楽しかったですね。怖いシーンばかりなのですが、わたしはめちゃくちゃ楽しかったです。

●なるほど。ある種の共犯関係みたいなところがあったわけですね。

福永:共犯関係って、しっくりきますね。このタイミングで出会えたことは、本当に奇跡のように思います。この先も途切れることなく続いていくのだろうなって思いますね。

中川:福永さんは、この役で一番いいところが出ているなと本当に思うんです。この先も自分が福永さんにやってほしいなと思うことを福永さんにやってほしいので、また今度福永さんとやるとなると、これを超えるものを作らないといけない。なので簡単にはお願いできないなという感情もありつつ、またやれたらいいなとも思います。

●今日はありがとうございました!最後にメッセージをお願いします!

福永:これまで映画祭で上映の機会を沢山頂き、今回が本格的な劇場公開になります。今まで映画に触れたことのない方や澄子と同世代の方にも観てほしいです。ぜひこの機会に足を運んで、この映画と出会ってもらえたらうれしいなと思います。

中川:いい子でいるためにいろいろ我慢してきた人たちに、ちょっと楽になってもらえたらいいなという思いもあるので、ストレスを抱えている人にこそ観てほしいなと思います。主人公の澄子の気持ちに任せてもらって楽しんでください。

■ストーリー
高校生の澄子(福永朱梨)はある日橋から身を投げた。しかし、死ねずに生還する。父は引っ越そうと言うが自分の意思で残ることを選び、1年留年して学校に戻ってきた澄子は、同級生となった幼馴染の秀明(金井浩人)を執拗に脅迫し始める。身を投げる原因を作ったのは秀明であり、秀明が教師である波多野(美知枝)と密かに交際していると言う秘密を握っていたのだった。その行為は日々エスカレートしていくが、そこには過去の出来事、そして澄子の家族に関わる、もうひとりの幼馴染・聡子の幻影があった…。

公開中

(執筆者: ときたたかし)

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