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45年ぶり!アーチェリー・上山友裕が挑んだ「国内最高峰の舞台」と普及への思い

パラサポWEB

実は今大会の出場者の多くを占めたのが、近畿大学の学生やその出身者たちだ。近畿大学は、東京オリンピック銅メダリストの古川高晴をはじめとしたオリンピアンや世界レベルの選手を多数輩出。長年、日本のアーチェリー界は、近畿大学がけん引しているといっていい。上山は同志社大学出身なのだが、上山のコーチは近畿大学出身。上山には、ほかにも近畿大学関連の友人、知人が多数いる。

「近畿大学の学生さんやOB、OGの方たちと交流する機会も多いのですが、彼ら、彼女らを見ていると、ここまで練習しているのかと思わされますし、考え方も違うなと思います。近畿大学の方たちは知識や経験の継承にも熱心に取り組んでいて、それを吸収した選手たちがオリンピックを目指すレベルへと成長しているんです」

今大会の上位選手には近大関係者がズラリ。オリンピック銅メダルの古川高晴(前列左から3人目)も近大職員だ

近畿大学では、王者のDNAが脈々と受け継がれているのだ。その薫陶を受けている上山はパラアーチェリー界にとって貴重な存在であり、上山自身もそれを自覚している。

「今日も試合後に近畿大学OBの方にあいさつに行ったら、『甘かったな』なんて言われて(笑)。いろいろと教えていただいているので、パラ界のベースを上げるために、今度は僕がそれを次へとつなげていきたい」

バラエティ番組で競技普及を

上山が課題の二つ目に挙げたのが、競技の普及だ。

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「とにかく日本のパラアーチェリーの競技者数が少な過ぎます。僕が東京に向けてがんばってきたのも、少しでも多くの方にパラアーチェリーを知ってもらい、競技人口を増やしたい一心から。普及の最大のチャンスだった東京2020大会が無観客開催となり、本当に残念でした。3年後のパリ大会に向けて、今から普及に取り組む必要があると思っています」

一週間前のパラアーチェリーの大会では4連覇達成。普及や強化にも力を入れ、2位の選手と一緒に練習をする予定だという(上山)

上山にはすでにアイデアがある。一つは、トーナメント方式が行われる大会に観客を入れ、競技をしながら自ら実況することだ。

「うれしいことに、僕個人を応援する中でアーチェリーにも興味を持った、試合を見てみたいという方がいらっしゃいます。そういう方たちに、僕が国内で優勝できる力がある間に、ぜひ生で観戦していただきたい。ただ見ているだけだとわかりづらいこともあると思うので、試合中に僕が解説することで、より楽しんでいただけるのではないかと思っています」

また、障がいのある人たちが競技を始めやすい環境づくりにも思いを馳せている。

「過去に出演したイベントのパラスポーツの競技体験コーナーでは、アーチェリーが大人気で、やってみたいという人がめっちゃ多かったんです。そういう方たちが気軽に始められて、しかもきちんとした技術が身につくアーチェリースクールができるといいなと思っています。車いすでもアクセスしやすい場所だと、もっといいですよね。そこに僕が関わることで、『車いすだけど体験に行っていいですか』という質問をなくしたいです」

 「(嵐の)相葉(雅紀)くんがオリンピックを振り返るテレビ番組で、パラの僕を取り上げてくれて。もっと普通にパラの話題が出るようになったらいい」(上山)

さらに、テレビのバラエティ番組にもどんどん出演したいという。

「かつて、僕がアーチェリーを見てくださいと言っても、だれも振り向いてくれませんでした。でも、SNSや講演会、イベントなどを通じて僕自身を知ってくださった方が、僕を通してアーチェリーにも興味を持ってくれたんです。だから、まずは多くの方に僕自身を知っていただきたい。そのためにも、楽しみながら見ていただけるバラエティ番組がいいと思ってます。実は先日、バラエティ番組の収録に参加したのですが、どっかんどっかんうけて、共演者の方たちからも『すごい』って言っていただいたんです。僕、完全に覚醒しました(笑)」

競技普及に向けて熱い思いを持つ上山が、テレビの向こうで活躍すれば、それはパラスポーツ全体にとってもプラスのはず。上山が笑いをとる姿、見てみたいと思いませんか。

美しい天然芝の射場で、健常とパラのトップアーチャーたちが競い合った

text by TEAM A
photo by Haruo Wanibe

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