top_line

【 最新ニュースをアプリでサクサク読むなら! 】

45年ぶり!アーチェリー・上山友裕が挑んだ「国内最高峰の舞台」と普及への思い

パラサポWEB

10月23日と24日、国内最高峰の大会「第63回全日本ターゲットアーチェリー選手権大会」が静岡掛川市のつま恋リゾート彩の郷で行われた。アーチェリー上山友裕(リカーブ男子)は、リカーブ部門の車いす男子選手としては実に45年ぶりに出場を果たし、東京2020オリンピックの銅メダリストをはじめとした国内のトップアーチャーたちとの競演を果たした。

すごい選手たちの中でやってんねんな

「甘くありませんでした」

大学生のころから競技に打ち込み、いつかはこの大舞台に立ってみたいと願い続けてきたという上山。念願の初出場を終えての感想を聞かれると、開口一番、渋い表情とともにそう吐露した。

調子が上がり切らなかったせいか、時折、渋い表情を見せることも

アーチェリーは、健常とパラの垣根がない競技だ。実際、上山は当たり前に健常の選手たちと練習を重ね、試合で競い合ってきた。最高峰の舞台という意味では、すでに社会人のみを対象とした全日本社会人ターゲットアーチェリー選手権(リカーブ一般男子)にも出場歴がある。今大会でも顔なじみが多く出場していたこともあり、「緊張しなかった」というが、終わってみれば89人中81位。力の差を感じる結果となった。

「途中、いま課題にしているミスが出て、0点、2点、4点を射ってしまったんです。これまで出場してきた大会では、それでも後で点数を取り返せば順位を上げることができた。でも、この大会では、取り返しても順位が上がりませんでした。こんな感覚、初めてで。やっぱ、すごい選手たちの中でやってんねんな、と改めて思いました」

「車いすの選手だから、という感じが全くない。社会が目指すべき姿がアーチェリーにはある」(上山)

広告の後にも続きます

新型コロナ対策のためとはいえ、競技方法が変わったことも残念ではあった。

従来は、予選ラウンドとして72射の合計点で順位を決め、32位までに入った選手が、トーナメント方式の決勝ラウンドに駒を進める。決勝ラウンドは、1対1で、交互に1本ずつ矢を放つ。神経戦となるのはもちろん、風の状況などの運も関わってくるため、かつて上山も「決勝ラウンドに出られれば勝機はある」と発言していたように、下剋上も十分あり得るのが魅力の競技方法だ。ところが、今大会では、従来の予選ラウンドのみで順位を確定することとなった。この方式では下剋上の要素は薄くなる。上山も頭を切り替え、従来の決勝ラウンド進出ラインである32位以内に入ることを目標にしていたというが、そこにも手が届かなかったことになる。しかし、今大会の32位は、640点。上山本来の射ができれば、クリアできたラインではあった。

矢取りの間、スコープをのぞき、点数を確認する

「(全12エンド中)2エンド目までは36位だったので、自分の力が発揮できていたらと思うと、もったいないことをしたなと思います」

健常のアーチャーと同じ射線に並び、的を射る

パラアーチャーが大舞台で結果を出すために

とはいえ、現時点で、オリンピック出場を狙う選手たちとの間に力の差があることは、残念ながら否めない。また、東京2020オリンピックで、アーチェリー日本代表は個人、団体ともに銅メダルを獲得したが、パラリンピックでは、十分にメダルを狙える力がありながらメダルなしに終わった。

同じくリカーブ女子に出場し、先に競技を終えた重定知佳と言葉を交わす

この東京での経験を「がんばったけど、残念だった」で終わらせるには、いかにももったいない。次へつなげるためにも、パラアーチェリー界が健常のアーチェリー界から学べることがあるのではないか。その点について上山に率直に尋ねたところ、上山はパラ界の競技力向上を図るうえでの課題として、二つ挙げた。

一つは、ベースとなる競技力を上げることだ。そのポイントとして、練習量とともに、知識と経験の継承を上山は挙げた。

  • 1
  • 2

TOPICS

ランキング(スポーツ)

ジャンル