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【PLAY BACK TOKYO】ブラインドサッカー初代代表の黒田智成が決めた! 過去と未来をつなぐスーパーゴールの裏側

パラサポWEB

メダルだけではない。去る東京2020パラリンピックで生まれたひとつのゴールに心を揺さぶられた――。

「2002年にブラインドサッカーに出会って以来、何度もパラリンピック出場を逃して悔しい思いをしてきました。ようやくつかんだ夢の舞台。大会の前から、チャンスがあれば皆が驚くようなすごいことにチャレンジしたいと考えていました」

そう話すのは、ブラインドサッカー初代日本代表でもある黒田智成。代表歴19年目で悲願のパラリンピック初出場を遂げた。42歳(大会当時)のエースストライカーは、4試合すべてに先発。初戦で待望の先制点を挙げると、計3得点を決めて日本代表の5位入賞に貢献し、最後は仲間たちから胴上げされた。

パラリンピックに初出場した日本代表(背番号11が黒田)photo by Takashi Okui

9月2日のスペイン戦は日本代表にとって今大会最後の試合だった。前々日にグループリーグの最終戦で宿敵の中国に敗れ、決勝トーナメント進出の夢はついえた。しかし、メダルを目指して同じ釜の飯を食ってきた選手やスタッフにとって、順位決定戦はこのメンバーで戦うラストゲームだ。キャプテンの川村怜率いるチームは「最後は勝利で終わりたい」と皆が強い気持ちで試合を迎えた。その結果、日本代表は古豪の猛攻を振り切り1-0で勝利した。

この勝利を強く印象付けることになったのが、黒田が決めた“奇跡のゴール”だ。

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前半20分。右コーナーキックを得た日本代表は、川村がゴール前に送り出した浮き球を左サイドから走り込んだ黒田がハーフボレー。「思い切り信じて足を振り抜いた」というボールはゴール左隅に鮮やかに吸い込まれていった。

「ピッチの4人のイメージが一致して生まれた奇跡のゴール。練習したからといってできるものではない。これまでブラサカを支えてくれた人たちが導いてくれたとしか思えません。今振り返っても、本当にうれしいゴールでした」と黒田が言えば、「僕の足にも、黒田選手の足にも、魂が宿っていた」と川村も誇らしげに話した。

大会後に、何度も映像を再生して解説してもらったという黒田は言う。

「(フィジカルの強い、佐々木)ロべルト(泉)が(川村)怜からの球をワンタッチした後、すぐにディフェンスに走っていた。そして、(コーナーキックで)怜が雨の中で完璧に浮かせるのは難しいんですが、最高の位置に球を落としてくれた。そのうえで(DFの要である田中)アキがニアに走り込んだことで自分にマンマークされずに動くことができたんです」

日本はグループリーグ最終戦で最大のライバルである中国に屈した photo by Getty Images Sport

特筆すべきは、全盲の黒田が、ボールが回転したときに奏でる一瞬の音を聞き逃さず、頭の中でボールの軌道を思い描き、自分の動きと合わせたことだ。

「浮き球の頂点と転がったワンバウンド目の二点を聞き取ることで、ボールのスピード感がわかったので、一度外に逃げてから中に走り込んだんです。見返すと、そのおかげで近くにいた相手に当たることなく、シュートを打ち切ることができていました」

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