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天の川の中心付近で奇妙な電波が観測される。新種の天体である可能性も

カラパイア


 オーストラリアの天文学者グループが、天の川の中心付近で見たこともない電波を観測し、『Astrophysical Journal』(21年10月12日付)で発表した。

 パルサーやクエーサーといった、これまでに知られている電波源のパターンとは一致せず、まったく新しいタイプの天体である可能性もあるそうだ。

不規則に変動する奇妙な電波シグナル

 シドニー大学のワン・ズータン教授によると、新たに発見された電波の最大の特徴は、「高い偏向性(不規則な変化する変化)」であるという。

ワン教授は説明する
これは光が一方向にしか振動せず、その方向は時間とともに回転しているということを意味します

また明るさも100倍まで大きく変化し、不規則についたり消えたりするかのように見えます。このようなものは見たことがありません
 この奇妙な電波は、西オーストラリアの砂漠に設置された電波望遠鏡「ASKAP」によって発見された。昨年、最初の9か月間で行われた観測では、6つの電波シグナルが検出されている。

 ところが、目に見える可視波長で観測してみたところ、何も見つからなかったのだという。さらに「パークス電波望遠鏡」で観測しても、何も検出されなくなってしまった。

 そこで今度は、南アフリカにあるより感度が高い電波望遠鏡「MeerKAT」で、数週間ごとに15分ずつ問題の電波源の観測が試みられた。

 こちらでは幸いにも電波を再び観測することができた。しかし、たった1日のうちに再び消えてしまったのだ。

 最初にASKAP電波望遠鏡で観測されたときは、数週間も観測できたのに、そのときとは振る舞いがまるで変わっていたのである。

Artist’s Impression of Radio Signal ASKAP J173608.2–321635 From the Center of the Milky Way

謎の電波の正体は?

 一体、この電波は何から放たれているのだろうか?

 宇宙にはさまざまな電波源があるが、今回発見されたものはパターンが変動する。このことから「恒星」、通常の「中性子星」「X線連星系」などは除外される。

 それでも「パルサー」「超新星」「閃光星」「高速電波バースト」など、候補はまだ数多くある。

 「最初はパルサーかと思いました。非常に密度が高い回転する死んだ星です。あるいは巨大な太陽フレアを放出する星も考えられました」とワン教授。

 しかし新しい電波源のシグナルは、それらから予測されるものとは一致しないのだという。

photo by iStock

銀河中心電波過渡現象に類似

 今回得られた観測データは、「銀河中心電波過渡現象(GCRT)」という最近知られるようになった新しい謎の天体に似ているという。

 ただし違う点もあり、そもそもGCRT自体がよくわかっていないので、決定的なものではない。

 問題の電波が、天の川の中心付近から出ていることも注目すべき点だ。ただし今の時点では、これが電波の性質と関係しているのか、それともただの偶然なのかは定かではない。

新しいタイプの天体である可能性も
 謎は深まるばかりで、これまでに知られている電波源には似たものがないことから、新しいタイプの天体である可能性もあるとのことだ。

 27年から本格的な運用が始まる電波望遠鏡「スクエア・キロメートル・アレイ(SKA)」をはじめ、次世代の望遠鏡ならばその正体を突き止められるかもしれないそうだ。

References:Strange radio signals from the centre of the galaxy / written by hiroching / edited by parumo

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