top_line

【 最新ニュースをアプリでサクサク読むなら! 】

魚の発酵・漬物・珍乾物が楽しめる湖南農家楽的世界|荒川区熊野前「寶山道(バオシャンダオ)佳味旅遊」

80C[ハオチー]

中国人オーナーシェフの店では、表に出ているメニューと、メニューにはない、いわゆる「裏メニュー」にかなりギャップがある場合がある。

つまりこういうことだ。店が日本人向けにメニュー化している麻婆豆腐やエビチリをランチセットで食べるのと、客が「料理長が本当に作りたい料理をおまかせで!」とお願いして食べるのとでは、まったく違う世界が体験できる可能性がある。

多くの場合、裏メニューは料理人が得意な料理だが、日本人に知名度が低く、表に出していても注文されない。荒川区にある「寶山道(バオシャンダオ)佳味旅遊」も例に漏れず、従来の「表メニュー」は店の本領ではなかった。

しかし、長年封印されてきたこの店の「裏メニュー」が、今まさに“オモテ化”されようとしている。それがまた、ちょっと他の店では見ないような名菜や、中国の西南地方の農家楽(農家レストラン)で食べるような田舎風の味わい、はたまた創作まで幅広く、気になる料理が目白押しなのだ。

「寶山道」外観。場所は都電荒川線の熊野前そば。こう言ってはなんだが、どこにでもありそうな町場の中国料理店。しかしその実力は…!

喉元過ぎれば臭さを忘れる!? うまみの塊・臭魚(チョウユィ)

まず、封印されていた料理のひとつが臭魚(チョウユィ|chòu yú)だ。料理名に「臭」とあるが、口にすると、焼いた魚皮の香ばしさと唐辛子の香りに、発酵した白身魚のふくよかな旨みがぐぐんと増幅され、臭いどころか漬け汁もろとも旨みの塊のような料理である。

臭魚(チョウユィ)。食べ終わった皿に米粉の麺を入れ、汁のうまみをまとわせて食べると美味。

広告の後にも続きます

臭魚は白身魚を塩水に2週間ほど漬け込み、発酵させて香りと旨みを醸成した魚料理。食べる直前に煎り焼きにし、香ばしさをまとわせ、生唐辛子と自店で発酵させた唐辛子・剁辣椒(ドゥオラージャオ)をたっぷり乗せて蒸し上げる。

自家製の剁辣椒(ドゥオラージャオ)。

この料理の本場となる中国湖南省や安徽省では、スズキ目の淡水魚・鱖魚(ケツギョ)で調理されるが、店でよく使うのはクロソイ。軟らかで上品な身が口の中でほろりとほどけた瞬間、きっと新たな中国料理の扉を開けた気持ちになるだろう。

スープが恐ろしいほど美味くなる!入れ子構造の猪肚包鶏(ヂュドゥバオジー)

そしてもうひとつ、ここで何気なく出された猪肚包鶏(ヂュドゥバオジー|zhū dǔ bāo jī)も、滅多にお目にかかれない料理だ。

猪肚包鶏(ヂュドゥバオジー)。見た目からして目を引く。

猪肚包鶏は広東客家料理で、豚の胃袋の中に丸鶏を詰め、その腹に蓮の実、枸杞、棗、木耳などを詰めてじっくりと煮込んで仕上げた料理。5時間ほど煮込まれた胃袋を割れば、中には丸鶏、さらにお宝のように薬膳食材がザックザク。

胃袋に包まれていることで、鶏肉全体に生薬の栄養と滋味が行き渡り、身はしっとり。器に湛えられた黄金色のスープを飲めば、どんな病気も治ってしまいそうだ。

猪肚包鶏(ヂュドゥバオジー)。黄金色のスープはおかわり必至!(余ればの話)

漬物も乾物もどんとこい!発酵の風味を味わう湖南農家菜の数々!

自店で乳酸発酵させた漬物や乾物、腊肉(ラーロウ:中華干し肉)などの保存食も、中国の料理上手なおばあちゃんの家に来ているかの如し。

  • 1
  • 2

TOPICS

ランキング(グルメ)

ジャンル