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「脳内トラベル台湾」トークイベントで、作家・乃南アサさんが語った“ユニークな台湾取材エピソード”とは?

ダ・ヴィンチNEWS

「コロナ禍で自由を奪われた今、台湾の書籍や雑貨を通して現地の空気に触れ、まるで台湾旅行をしているかのような気分を味わってほしい」――そんな思いから、TAICCA主催のもと企画されたイベント「脳内トラベル台湾」。9月25日(土)に、誠品生活日本橋で行われたトークライブ(オンライン配信)にゲストとして登壇したのは、台湾通で知られる作家の乃南アサさん。コロナ禍になる前は、年に10回は訪台し、台湾についての書籍を4冊も刊行されている乃南さんだが、そこまで台湾への思いが高まったのはなぜなのか。取材エピソードを端緒に、乃南さんの「脳内トラベル台湾」のイメージ、お薦めの台湾書籍についてうかがった。

ここは警察……彼氏の浮気が原因で口論に。その後、待ち受けていたのは⁉

(取材・文=konami)

東日本大震災の多額の義援金に対する感謝の気持ちを伝えたくて――。台湾との交流を促進するために社団法人を設立

 乃南アサさんが初めて台湾に行ったのは、今から20年前の2001年。小説の取材で故宮博物院が目的の訪台だった。

「とてもハードなスケジュールで、“ホテル→博物院→ホテル→博物院、終わり”みたいな旅でした」

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 その後も何回か取材で台湾を訪れたが、常に時間に追われながら目的地だけを目指し、ときには一泊のみで帰国することもあったという。そんな乃南さんが台湾という国に大きく興味を持ったのは、東日本大震災がきっかけだった。

「台湾の方々がとても心配してたくさんの義援金を送ってくださったのに、国交がないから政府からは正式なお礼もできない。ならば、民間レベルで感謝の気持ちを表すことはできないだろうかと、知人たちと『一般社団法人 日本台湾文化経済交流機構』を立ちあげました。今でこそ、台湾に関するニュースは日本でもよく流れますが、当時は“台湾と中国の違いがわからない”とか“台湾とタイの違いがわからない”とか、そういう方も多かったんです。私はもっぱら文化担当ということで、台湾でいろいろな方にお目にかかったり、お話をうかがったり、ということをしています」

 そうした交流を通して、乃南さんはこれまでに4冊の台湾に関する書籍を執筆。なかでも『ビジュアル年表 台湾統治五十年』(講談社)は、国立台湾歴史博物館の全面協力を受け、地図や写真や絵などの収蔵資料をオールカラーで贅沢に掲載、台湾が日本の統治下にあった50年(1895~1945年)の歴史を、日本と台湾双方を同期させて辿れるようになっている。

「国立台湾歴史博物館にうかがって収蔵品を見せていただいたとき、日本統治時代の灯火管制されているときの黒く塗られた電球など、日本で見たことのないものがたくさんあって。そうしたものを拝見しているうちに、日本でこういうことがあったときに台湾ではこんなことになっていたとわかる本があったらいいなと。でも探しても見つからないので、じゃあ自分で作ろうと思ったんです」

道草しながら、地元の人と仲良くなって、取材先を開拓

 そんな乃南さんに、「コロナ禍が収まって、ふたたび台湾旅行が叶ったときにまっさきに訪れたい場所は?」と尋ねたところ「台南です」と即答。

「台南、好きなんです。台南は、日本でいうところの京都によくたとえられる都市。日本統治時代の古い街並みを見たいという思いがあって……。初めて行ったとき、新光三越に食後の夕涼みで立ち寄ったのですが、私は同行者から離れてその周りを一人で散歩していたんです。そうしたら、通りの向こうに大きなガジュマルの木があって、その向こうに古い日本家屋が並んで見えた。通りを渡ってよく見たら、塀で仕切られていたんですが、まちがいなく日本の木造家屋で。地元の方にうかがったところ、新光三越のある場所は、日本統治時代には監獄があったところで、日本家屋は、その監獄に勤めていた日本人が住んでいた官舎跡だということでした。『私はこういう、普通の日本人が暮らしていた場所を見たいんです』とお願いして、台南のあちこちを案内していただくようになりました」

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