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遠く離れて2400キロ。本来いるはずのない場所でぼっちのシロイルカが発見される

カラパイア


 アメリカ、ワシントン州シアトル郊外の海岸では、ここ1週間ほど1頭のシロイルカ(ベルーガ)が目撃されているが、本来いるべき場所ではない。

 シロイルカの生息地は、北極海の寒い海で、一番近いところでもシアトルから2400キロ離れたアラスカ、クック湾だ。

 なぜシロイルカがこんな場所にいるのか?
 今のところその理由は謎に包まれているという。

本来いるはずのない場所でシロイルカを発見

 最初に目撃情報が寄せられたのは、10月3日のことだ。ワシントン州シアトルから50キロほど南のコメンスメント湾で、その姿が撮影された。

 さらにシアトルのピュージェット湾にある3か所の造船所でも目撃された。

 非営利団体「オルカ・ネットワーク」のハワード・ギャレット氏によると、シロイルカの本来の生息地は寒い海で、一番近いところでもシアトルから2400キロ離れたアラスカ、クック湾であるという。

 「造船所の何に引き寄せられたのかさっぱりです」とギャレット氏は語る。

WATCH: Beluga whale spotted in Puget Sound near Commencement Bay

スパイ動物なのか?

 2019年には、ノルウェーの海でハーネスを装着したシロイルカが発見されている。ハーネスに「サンクトペテルブルク備品」と記載があったことから、このイルカはロシアのスパイ動物ではないかと疑われている。

 しかしシアトルのシロイルカに、そのような身元を示すようなものはない。どこからか迷い込んだのか、それとも造船所付近で飼育されていたのかも不明だ。

寒い海で仲間と暮らすシロイルカがなぜ?

 北極や亜北極で暮らす動物と同じく、シロイルカの体は白い。これは雪と氷の世界で目立たないためのカモフラージュだ。

 もう1つ特徴的なのは、「メロン」と呼ばれる頭の上の丸く膨らんだ脂肪だ。これは鼻腔の奥で鳴らした音をレンズのように収束させるための器官で、仲間とのコミュニケーションやエコーロケーションに使われる。

 このことが示すように、シロイルカは社会的動物で、100頭もの群れで暮らしている。だから1頭だけでシロイルカがいるのはとても珍しいのだ。

photo by iStock

ひとりで冒険しようとしていた?

 ギャレット氏によると、このシロイルカは、ひとりで冒険しようとしていたのではないかという。
旅に出たかったのかもしれません。とても珍しいことですが、たまにそうした好奇心旺盛なアドベンチャーを好むシロイルカがいます。

まったく前例がないことではありませんが、非常に稀であることは確かですね

イルカは高度な知能を持っているし、個性豊かなので、様々なタイプがいてもおかしくはないのかもしれません。


Mysterious Beluga Whale Seen in Seattle

ピュージェット湾に現れたのは80年ぶり

 ピュージェット湾でシロイルカが目撃されたことを示す最後の記録は、1940年にまでさかのぼる。2010年にも目撃情報が寄せられたが、このときは証言だけで、証拠になる写真などは撮影されなかった。

 ピュージェット湾を泳いでいるシロイルカは、今のところ健康であるようだ。彼らはイカ・小魚・カニなどを食べるが、この海にそうしたエサは豊富にある。

 またピュージェット湾には、シャチ・コククジラ・ザトウクジラ・ミンククジラなど、ほかのクジラも生息していたり、回遊の際に立ち寄ったりする。

 アメリカ海洋大気庁をはじめとする専門家グループは、今回のシロイルカの姿を追い、旅の目的や、元の生息地を特定できればと考えているそうだ。

References:Lone beluga whale spotted 1,500 miles from home, and nobody knows why | Live Science / written by hiroching / edited by parumo

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