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ラジオ番組は誰のものであるか? ラジオディレクターの最大のミッションとは?/アフタートーク

ダ・ヴィンチNEWS

 才能がない。社会になじめない。暗い。無駄に背が高い。服がダサい。腐っていたぼくに残るのは、ラジオへの情熱と無色透明の個性――。

「オードリーのオールナイトニッポン」「星野源のオールナイトニッポン」など、数々の名番組に関わった、オールナイトニッポン元チーフディレクター・石井玄(ひかる)さんの初エッセイ『アフタートーク』。 「ラジオ制作や会社員にまつわる仕事論」「学生時代にラジオに救われてから業界を目指すまでの道のり」など、ラジオへの情熱と志を余すところなくつづった10年間の集大成。ラジオファンのみならず、モチベーションを高めたい社会人、これから働く学生にも読んでもらいたい作品。

※本作品は石井玄著の『アフタートーク』から一部抜粋・編集しました。

『アフタートーク』を最初から読む

『アフタートーク』(石井玄/KADOKAWA)

ラジオディレクターの仕事

「ラジオディレクターの仕事って何ですか?」

 若いディレクターや学生にディレクター講座をする機会がたまにある。その度にこの質問をされて答えに窮する。一般的にディレクターは演出家なのだが、ラジオの演出の役割は曖昧で、何をもって演出とするのかが難しい。

 もちろん、実際にどういうことをやっているかを説明することは出来る。

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 番組の企画を考え、スタッフと打合せをし、選曲し、番組全体の構成を考え、キューシート(進行表)を作成し、それを基に構成作家が書いた台本を手直しし、パーソナリティと打合せし、本番に臨む。本番中は、喋り出し、曲やBGM、SE(効果音)などの音素材の流れるタイミング、CMのタイミングを指示するために、パーソナリティやスタッフにキュー(合図)を出す。

 生放送であれば、決められた放送時間に収まるように時間を計算して調整する。想定していた内容に変更があれば、パーソナリティとスタッフに指示をして、放送が滞りなく進むようにする。

 収録番組であれば、収録したあと、番組が放送時間に収まるように編集をする。準備段階では、ゲストのブッキングや、営業企画の調整を行うこともあるし、出演者の事務所とギャラの交渉をすることもあれば、お茶を買いに行ったり、経費の伝票を処理したり、SNSで番組の告知をしたり、とにかく何でもやる。

 しかし、「これが演出か」と言われると自信を持ってそうだと言いにくい。喋る内容は、最終的にパーソナリティが決めているし、内容については構成作家の書く台本が最も重要だ。リスナーからのメールを選んだりすることも、パーソナリティや作家が行うことが多い(ちなみに「放送作家」は職業名、「構成作家」は番組内での役割の名前と言われています)。

「え、じゃあ、ディレクターって何もやってないじゃん!」と言われると、「まあ、そうですね」と言わざるを得ない。正直、ディレクターが何も考えなくても番組を進行させることは可能だ。

 クリエイティブな仕事だと思われることが多いが、実際には調整や各所ヘの連絡、事務作業が圧倒的に多く、主に番組を円滑に進める制作進行的な役割を担っている。番組によっても与えられる役割が違うし、やる仕事も変わってくる。チームにいるスタッフ、担当するパーソナリティによっても、変わってくる。構成作家のいない番組ではディレクターが台本を書くこともあるし、パーソナリティによっては喋る内容をディレクターが考えることもあるので、何とも言えない。

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