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世界中の墓地で見かける猫。なぜ猫は墓地を好むのか?

カラパイア


 世界各地の墓地で猫を見かけることは多い。ただ単に日向ぼっこしているだけ、と言う人もいれば、もっと深い理由でそこにいるのだと、言う人もいる。

 墓地は不思議な場所だ。悲しみがあふれる場所でもあり、平穏に包まれる場所でもある。遺族が愛する故人を訊ね、思い出に浸ることができる場でもある。

 そして気が付くと猫がいる。ただの偶然かもしれないが、猫が頻繁に墓地を訪れているのは事実であり、どうもこれは世界共通のことらしい。



Cute Cats roaming at the huge Cemetery

古代エジプトと猫

 5000年前に目を転じてみると、古代エジプトの社会的、宗教的な慣習の中で、人間と共に死後の世界に向かう猫の姿が日常的に描かれていた。

 実際、古代エジプトの神々の中には、猫のような頭をしているものがいる。ヘビやサソリから守ってくれる女神マフデット、守りの女神バステット、戦いと癒しの
女神セクメトなどだ。

 古代エジプトでは、第一王朝時代から猫は毒ヘビを退治してファラオを守るとして、大いに崇められてきた。

photo by Pixabay

 『死者の書』の中でも、猫は太陽神ラーを表わすとされ、猫の保護的な性質が記されている。

 エジプトの新王国時代にも、猫をモチーフにした装身具や装飾品が使われていて、ネコの人気が高かったことがうかがえる。

 作家のテリー・プラチェットはこう言っている。「古代、猫は神として崇められていた。彼らは今でもそれを決して忘れていないのだ」

photo by Pixabay

古代から続く猫と人間の関係

 古代から続く猫と人間の関係は、現在でも見られる。死においても同じだ。

 10年前、世界最古とされるペット墓地が、エジプト南東部にあるローマ都市の城壁の外、ゴミ捨て場近くで発見された。

 最初、ここから100体の動物の骨が発掘されたが、当時は、これが墓地なのか、ただの死んだ動物の捨て場なのかは、はっきりしていなかった。

 最初に発見されたのは2016年のことだったが、この発見が非常に特異なものであることがはっきりしたのは、2021年始めのことだった。

 今は、この墓地がエジプト、ベレニケの世界最古のペット墓地であることがわかっている。

テーベ、ナフトの52基の墓の壁に描かれた猫の絵 / image credit:Ashmolean Museum, University of Oxford

 2000年前のこの墓地は、猫、犬、サルなど動物専用のもので、600体弱の動物の骨が発見された。そのうち9割が猫のものだ。

 つまり、これは数千年前から続く人間と猫の絆を証明し、裏づけるものだと研究者は考えている。

 ポーランド科学アカデミーの考古学者によると、この種の墓地としては世界最古である可能性が高く、紀元1世紀半ばから2世紀半ばごろまで使用されていたと考えられるという。

猫と死者の関係

 猫と死者の関係は、民間伝承にも広がっている。フィンランドの神話では、猫は死者の魂をあの世に導くと言われ、トランシルヴァニアでは、猫が死体を飛び越えると、その死体は吸血鬼だと信じられていた。

 現在でも、世界各地の墓地は、相変わらず猫が集まる興味深い場所になっている。東京の谷中界隈は野良猫が多いことで有名だが、その多くは谷中霊園に住みついている。

Yanaka Cemetery – Tokyo – 谷中霊園 – 4K Ultra HD

 この墓地は、猫社会の家として広く受け入れられ、敬われていることから、この界隈のもっとも有名なランドマークのひとつになっている。

 ここの猫は墓地を訪れる人にとって大きな癒しになっているという。猫たちは人間に近づいてきて、小さな頭をすり寄せたり、足の間を歩いたりして、自分の存在をアピールする。

 猫が墓地にいるのは、なにか深い理由があるからかもしれない。あるいは、ただ静かな環境で日光浴をしているだけかもしれない。

 いずれにしても、猫と私たち人間が最期に眠る場所との組み合わせは、今後もこのままずっと続いていくようだ。

LE CHAT, LA CORNEILLE ET LA MORT
References:Curious link between cats in cemeteries and moggies near graves around the world – Mirror Online / written by konohazuku / edited by parumo

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