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急増するタイムトラベラーと彼らの活動内容に関して

カラパイア


 最近SNS上で自称タイムトラベラーが急増中だ。彼らが未来から現在へやってくる理由はふたつ。現在の私たちに警告をする為、そしてSNSで自分のことを告白するためだ。

 タイムトラベラーを名乗る人物は過去にも存在したが、これほどまでに急増したのは最近になってのことだ。

 2000年、アメリカの同時多発テロに関与したというタイムトラベラーの話が話題となった。このころから自称タイムトラベラーは増え始めた。

2000年、同時多発テロに関わったとされるタイムトラベラー

 西暦2000年、ひとりのタイムトラベラーがやってきたと言われた。彼は2038年からやってきたというが、1967年製のシボレー・コルベットを運転していた。

 彼の快適なタイムトラベルは、ツイン・シンギュラリティ(マイクロソフトが開発したOS)・システムを使って重力を破壊することで成り立っているという。

 このタイムトラベラーが現代にやってきたのは、アメリカの内紛を止めるためだったという。彼は、アメリカの諜報機関と接触して、秘かにアメリカ同時多発テロ事件(911)を起こすよう説得したのだという。

 それが功を奏して2008年の内戦は回避され、世界の歴史は別の時間軸に移ったとのことだ。

 この話はインターネットで人気都市伝説となった。言うまでもなく、これまででもっとも奇抜な911陰謀論のひとつであることは確かだ。

 なにより、こうしたタイムトラベラーが別の時代に紛れ込むという話は、インターネット上の非常に奇抜な都市伝説の氷山の一角に過ぎない。

photo by Pixabay

 このタイムトラベラーはのちに身分を明かすこととなる。

 2000年末、超常現象に特化した深夜のラジオ番組「Coast to Coast AM」のフォーラムに、ジョン・タイターと名乗る男が、自分がタイムトラベラーであると投稿を始めた。

 もともと彼は、IBM5100コンピューターを手に入れるために、1975年に送り込まれたのだという。

 映画『12モンキーズ』のブルース・ウィリスの立場とそっくりだが、映画と違うのは、その目的がウイルスのありかを探るためではなく、タイターの祖父がプログラミングと組み立てを担った、非常に特殊なIBMの初期のポータブルPCを見つけるためだということだ。

 タイターがIBM5100を回収するのは、非常に重要な任務なのだという。未来の政府の科学者たちが、”2038年問題”と言われるコンピューターバグに対処しなくてはならないからだ。2038年問題は、実際に言われていることだ。

 IBM5100の回収に成功した後、タイターは2000年にちょっと立ち寄り、2001年までぶらぶらしていたらしい。

 この間に、彼は、タイムマシンの写真をシェアしたり、図解や設計図をアップしたりした。

 半信半疑な人たちが、2001年になにをしていたのかと訊ねると、彼は未来の内戦のときになくしてしまうことになる写真を集めたいのだと説明した。さらに、将来失ってしまう家族を訪ねたいとも言った。

 だが、タイターが2001年に現れたもうひとつの大きな理由は、内戦からアメリカを救うことだったという。そのために、あの911テロを引き起こさせたのだというのだ。

 そしてテロのおよそ半年前、2001年3月24日にタイターは忽然と姿を消した。

photo by Pixabay

2075年からやってきたタイムトラベラー

 最近の動画のインタビューで、2075年からやってきたイギリス人、マイケル・フィリップスというタイムトラベラーが、この話を裏づけている。

 フィリップスはこう語る。
ありがたいことに、タイターが2008年に起こるはずだったアメリカの内戦を止めた。

アメリカは国をひとつにまとめ、国が分断されないようにしなくてはならないとして、そのためにひとつの決定的な出来事が必要だと考えた。

それが911だったのだ。2008年の内戦が起こらないよう、時間軸を変えたのだ
 フィリップスは、有名なタイムトラベラーのひとりだ。彼は2043年に生まれ、たくさんのミッションを引き受けてきたことを自慢している。

 例えば、初めての旅は2138年で、タイムトラベルしていないときは、2075年に生きているという。

 こうした生活は悪くはなく、地球に起こる大きな変動を、現在の私たちに警告したいだけなのだと主張する。

 残念ながら、気候変動は衰えることはなく、現在の権力者たちは、それに対抗する行動をまだなにも起こしていない。

 だから彼は、私たちにこれまでのやり方を変えるよう頼むためにやって来たのだと。こうした内容が、最近のタイムトラベラー動画の共通テーマだ。

 動画の中で、フィリップスは、セクション18と呼ばれる未来の政府によって自分は選ばれたと言っている。

Time Traveler From 2075 Reveals WWIII Details

 基本を教えこまれた後、秘密の格納庫に連れて行かれ、そこで2.4メートルほどの大きさの回転楕円型タイムマシンを見せられた。

 このマシンは、ふたつのマイクロシンギュラリティを使っているという。上にひとつ、底にひとつついていて、これがマシンの動力源となって、時空に穴をあける”重力の歪み”を作り出す。

 一般的にUFOと思われているものは、宇宙船ではなく、時空間を移動するタイムマシンのことなのだという。

photo by Pixabay

エイリアンの侵略を忠告しに来たタイムトラベラー

 最近、話題になったタイムトラベラー話は、2017年に現れた、27歳のブライアント・ジョンソンのケースだ。

 前年の10月、この酔いどれタイムトラベラーは、ワイオミング州キャスパーに現われた。

 彼は警察に対して、自分は2048年から、エイリアンの侵略を人々に警告するためにやってきたのだと主張した。そして、町長にだけ話したいと要求した。

 本当は2018年にやってくるつもりだったが、失敗して2017年になってしまったという。エイリアンがやってくるのは2019年なので、時間的にはまだ間に合うというわけだ。

 逮捕されたとき、ジョンソンは、自分がこんなに酔っぱらっているのは、エイリアンがアルコールを体に補給してくれたせいで、だからタイムトラベルができたのだと、まことしやかに語った。

Drunk Man Told Police He Traveled Back In Time After Aliens Filled His Body With Alcohol

以降タイムトラベラーが急増

 このスペースカウボーイの話は、当然のことながら、またたくまに広まったが、この後、タイムトラベラーが急増した。

 毎週のように、イギリスのタブロイド紙や、ニュースサイトが、10年以上未来からやってきたと主張する人物について、おもしろおかしく話題を提供した。

 YouTubeもまた、タイムトラベラーだと言い張る人物とのインタビュー特集をたくさんとりあげている。

Exclusive: ‘Time traveller’ goes to the year 2042 and it’s not good news for Arsenal fans

タイムトラベラーたちの特徴

 典型的なタイムトラベラーの告白ビデオは、どうして自分が未来から現代の私たちを救いに来たのかということを、カメラに向かって直接、緊張した面持ちで説明する。

 彼らは、自分の言うことは信じてもらえないことはわかっていて、身の危険も感じているという。だが、真実を伝えなければならない使命感があるため、あえて語っているとのこと。

 ほとんどの場合、彼の顔はぼやけ、その声は割れていて、その姿は白っぽく不鮮明だが、彼らも一般大衆が”証拠”を求めているのを承知している。

 人々には決して理解されないと諦めているタイムトラベラーもいれば、タイムトラベルの仕組みをなんとか説明しようとしたり、6000年の高層ビルのぼやけた写真のような怪しげな証拠を使って、一般人を納得させようとする者もいる(現在は非公開だがこの動画は、500万回も再生された)。

Time Traveler Explains Our FUTURE & How Time Travel Works

 トランプ大統領が2期目も当選するといった、近いうちに起こる出来事を予言してみせるトラベラーもいる。都合のいいことに、彼らの予言する未来の出来事は、次の週や今月末に起こることではな。たいていは、数年待てば誰でもわかることだ。

 こうしたタイムトラベラーたちには、もうひとつ共通点がある。

 彼らの告白は、YouTubeチャンネルのApexTVと、姉妹チャンネルのParanoramal Eliteに投稿されている。これらチャンネルは両方とも、不思議なこと、奇妙なこと、オカルト、超常現象などの発信地となっている。

 ブライアント・ジョンソンのように、彼らはどこからともなくいきなり現われる。

 昨年の10月には、2250年からやって来たというトラベラーが出てきたが、これまでと違って、この髭を生やしたパーカー男は、証拠を見せてくれた。この動画は、150万回以上の再生数だった。

 そのすぐ後で、アレキサンダー・スミスと名乗るタイムトラベラーの動画が投稿された。2118年からやって来たという彼の動画は、再生回数700万回を記録するメガヒットになった。

 妙なのは、スミスの動画は、どうしようもなく出来が悪く見えることだ。絶望的なほど嘘っぽいのが見え見えなのだ。

 スミスは、ゴム製のマスクをつけて老人を装い、まるで不釣り合いなスーツを着て、1981年から秘密を守り続けているタイムトラベラーのようなふりをしている。

 ダミ声で話し、1981年の自分の時代を語るときには、彷徨える南部紳士のようなアクセントにしようと苦心しているのがわかる。

タイムトラベラーは今一番熱いコンテンツに

 それでも、この動画はApexTVの路線を変えた。人魚や未確認生物、エイリアンの解剖といった動画は徐々に数が減り、この4ヶ月は、迫りくる悲運を警告するために未来から戻って来たというタイムトラベラーの話ばかりになった。

 確かにこの傾向は理解できる。タイムトラベルというものは、永遠に続く時間の流れの外に出ることができ、物理学の法則を打ち破って、喪失感や死を乗り越えることができる。

 このような煽情的なタイムトラベラー話は、極めてアメリカ的な実存主義のひとつの形態と言えよう。私たちは皆、未来を形作ることができると信じたいし、すべてがうまくいくと知る必要があるのだから。

 ノアは、今もっとも人気のあるタイムトラベラーだろう。彼の話は、きちんとした合法的なニュース報道にまで発展した。

 ApexTVとParanoramal Eliteが、ノアの最初の動画を公開し、視聴者が質問することができるライブインタビューを行った。

Time Traveler Noah LIVE Interview (Ask Your Questions)

 ノアはいくつかの質問に答え、自分が真のタイムトラベラーであることを証明するために、嘘発見器のテストまで受けた。

 この動画は大反響となり、オーストラリアの朝のテレビ番組も、ノアを招いて”嘘発見器に合格したタイムトラベラー”として、インタビューを行ったが、実際には嘘発見器は実際には作動していなかったことがわかる(この動画は現代非公開)

 ノアの上腕にはカフがつけられていて、単刀直入な質問に答えているが、嘘の答えを言うと、ポリグラフの針が大きく振れるのではなく、スクリーンにある緑や赤の文字の”true”とか”false”という文字が点滅するだけだ。

ノアの話は、細心の注意を払ってはいるが、やはり信用できないものだ。例をあげると、あるライブ配信中に、ノアはなんの説明もなく姿を消し、数日間、連絡がとれなくなった。

 その後、2018年に再び姿を現したとき、彼はApexTVのスタッフにメールを送り、自分は拉致されて、2030年に連れて行かれ、簡単な尋問を受けていたのだと説明した。

 ApexTVのスタッフは抜け目なく、動画を更新して、ノアの話の続きを追うには、自分たちのチャンネルを定期購読し、通知をオンにするよう、視聴者に勧めている。さらに煽り立てるために、ノアが未来の自分に会っている動画まで公開した。

ジョン・タイターのまやかしが暴かれる

 時を経て、冒頭にでた、911テロに関与したとされる、ジョン・タイターのまやかしが暴露された。

 著名な物理学者であるミチオ・カク(加來道雄)にタイムトラベラーについての意見を求めると、彼はデタラメだと一蹴した(タイターは、フロリダ州出身のモリーとラリー・ハーバー兄弟によるデ
マだと広く信じられている)。

 しかし、タイター伝説は、いまだに擁護する者も多く、彼らに言わせると、タイターが出来事の連鎖を変えたので、予言したことが起こらなかったのだと主張している。

 実際、タイターはタイム・パラドックスを起こして、何が起こるかを伝えることで、世界の出来事を変えたというのだ。

 彼がなにを変えたのかはわからないし、変えなかったのかもしれない。つまり、彼が自分のタイムラインに戻れない可能性があるのだという。

スティーブン・ホーキング博士もタイムトラベラーの嘘を暴く

 2018年に亡くなった物理学者のスティーブン・ホーキング博士が、タイムトラベラー論争にきっぱりと決着をつけようとした。

 そのために、2009年、ホーキング博士はタイムトラベラーを招待したパーティを開催した。しかし、そのことを知らせたのは、パーティが終わった後だった。

 パーティには誰も来なかった。もし彼らがタイムトラベラーなら、パーティーがいつ開催されるかをあらかじめ知っていたはずだ。

 タイター自身と、ApexTVのスターたちも来ていなかった。ホーキング博士のこのパーティーが明らかにしようとしたのは、タイムトラベルが可能で、常に存在しているのかどうかということだ。

 タイムトラベラーが本当にいるのなら、彼らはいつでもどこにでも、望んだところに行くことができるはず。それができないのなら、タイムトラベルは不可能で、存在しないということになる。

 YouTubeに出てくるタイムトラベラーの告白話の数は関係ない。いずれにしても、将来的にはそれらはさらに急増していくだろう。

 誰だって未来に何が起きるかを知りたいと思うし、例え眉唾ものであっても、コンテンツとしては面白みがあるからだ。

References:melmagazine. / written by konohazuku / edited by parumo

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