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1600万年前の琥珀の中に閉じ込められた新種のクマムシを発見

カラパイア


credit:Holly Sullivan.

 地球最強伝説を誇るクマムシだが、さすがに琥珀の中で1600万年は生きられなかったようだ。だが、我々にとっては、古代のクマムシをじっくり観察できるチャンス到来だ。

 ドミニカ共和国で発見された琥珀の中にとじこめられていたのは、1600万年前を生きた、これまでに知られていない新属・新種のクマムシだったという。

琥珀の中に閉じ込められていた新属・新種のクマムシ

 『Proceedings of the Royal Society』(21年10月6日付)に掲載された研究によると、琥珀に閉じ込められていたクマムシの化石は「中新世」(約2300万年~500万年前)に生きた新属・新種で、「Paradoryphoribius chronocaribbeus」と名付けられた。

 琥珀から新種のクマムシが発見されたのは、今回で3度目であるとのこと。ほかの2種は「Milnesium swolenskyi」と「Beorn leggi」で、どちらも「白亜紀」(約1億4550万年~6600万年前)のもの。今回のクマムシよりずっと古い。

Paradoryphoribius chronocaribbeus credit:Ninon Robin(Harvard / NJIT)

進化史の隙間を埋めるピース

 新たに発見されたP. chronocaribbeusは、クマムシの進化史の隙間を埋めるパズルのピースであるようだ。

 「クマムシの系統樹のざっくりとした位置付けならわかっています。節足動物とつながりがあり、起源を深く辿るとカンブリア爆発に行きつきます」と、米ハーバード大学のハビエル・オルテガ・エルナンデス氏は語る。

 「問題は、この孤独な門の生物には、名前のある化石が3つしかないことです。この門の化石はほとんどが琥珀から発見されましたが、何しろ小さいので、保存状態が良好だったとしてもなかなか目に見えません。」

大きさは0.5ミリ、特徴的な爪と前腸

 今回の化石も保存状態は良好だ。だが、大きさは0.5ミリ強しかない。そのため普通の解剖用顕微鏡では観察できず、特別な顕微鏡が必要だった。

 幸いにもクマムシの体は丈夫な「キチン質」でおおわれている。これは光を当てると蛍光を放つので、レーザーで可視化することができた。

 そして発見されたのが、「爪」と口にある「前腸」という重要な特徴だ。外見は現代のクマムシによく似ている。しかし前腸の組織が独特で、現存のクマムシ上科に属する新属であると判断された。

大きさを比較するためにコインの画像をデジタルで追加。琥珀の中には、3匹のアリ、1匹のカブトムシ、1本の花も入っている。Credit: Phillip Barden (Harvard/NJIT)

クマムシの体の変化を知る手掛かりに

 この化石は、数百万年の間にクマムシの体がどう変化したのかを知る手がかりになるという。外見は同じであっても、体内では変化が起きていたのかもしれないのだ。

 クマムシの化石は今回のものを含め4つしかなく、名前が付けられているものはそのうち3つと数少ない。新たに発見された化石は、進化生物学者にとってそれだけ貴重な標本ということだ。

References:New species of ancient tardigrade found preserved in amber / written by hiroching / edited by parumo

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