top_line

【 最新ニュースをアプリでサクサク読むなら! 】

『旅猫リポート』魅力とあらすじをネタバレ!作者も紹介!泣けて面白い!

ホンシェルジュ

「吾輩は猫である。名前はまだ無い。
――と仰ったえらい猫がこの国にはいるそうだ。
 そのえらい猫がどれほどえらかったのか知らないが、
僕は名前があるという一点においてのみ、そのえらい猫に勝っている。」
(『旅猫リポート』より引用)

いかかでしょうか。夏目漱石の『吾輩は猫である』の冒頭の引用から始まり、固い文学と思わせるようなところから一転し、初めのわずか数行で物語の主人公である猫の性格が掴めてしまいます。

有川浩の作品は、あまり小説を読まない方にもおすすめです。本を読む機会が多くない人でもすんなりと馴染めるくらい、文章の読みやすさがピカイチなのです。

『旅猫リポート』は名言も沁みる!

さらに本作は、名言が多いことでも知られてします。ここではいくつかそれらの言葉を紹介いたしましょう。

「動物は命が尽きて 斃(たお)れたところでそのまま眠るが、 
死んだ後の寝場所を 用意しておくなんて、 
人間はとても心配性で 不自由な生き物だね。  
死んだ後のことまで考えていたら、 
どこでも自由に斃れることが できないじゃないか。」
(『旅猫リポート』より引用)

広告の後にも続きます

まさに旅というテーマ、猫という気まぐれな動物らしい言葉です。日常に縛られ、どこにもいけないと重がちな現代人の心も重さを軽くしてくれますね。

次は本作の結末で語られるこんな名言です。

「僕らは旅の思い出を数えながら、次の旅へと向かうんだ。 
先に行ったひとを思いながら。
後から来るひとを思いながら。 
そうして僕らはいつかまた、
愛しいすべてのひとびとと地平線の向こうで出会うだろう。」
(『旅猫リポート』より引用)

旅の終わりを感じさせる、切ないながらも優しい言葉です。人生という旅は、同伴者がいたとしても基本的にはひとりで始まり、ひとりで終わるものではないでしょうか。でもその道のりは、たくさんの人との出会いがあり、また彼らとどこかで繋がることができるのです。

寂しいからこそ、他者との出会いは大事な宝物になることが感じられます。

この他にも心に沁みる名言が数多くあるので、ぜひ作品でご覧になってみてください。

『旅猫リポート』の面白さの秘密は吸引力にあり!? とにかく引き込まれる!

旅猫リポート (講談社文庫)
著者有川 浩 出版日2017-02-15

この物語は、先ほどのちょっとひねくれものの猫と、その飼い主の旅が主軸。「リポート」という名前の通り、様々な場所に1匹と1人で白いワゴンに乗ってあちこちに出かけます。

その中で、飼い主の古い友人たちに出会うのですが、彼らのキャラクターもそれぞれ個性的です。全員どこかしら惹かれる部分があり、気づいたら彼らに共感しています。共感させる力の高さも有川浩作品の魅力の1つです。

主人公は猫ですが、視点は旅先で出会う人間の場合もあります。しかし、彼らが飼い主になることはなく、そのため旅の目的はなかなか明かされません。

一体なぜこの旅をしているのか。そこに思いを巡らせながら読んでいくと、最後には涙が止まらなくなってしまいます。1つ1つの旅を通して、大きな旅の物語を読んでいくところもこの作品のおもしろさといえるでしょう。

読み進めるうちに、この作品は読者の思い出に語りかけてきます。読了後、きっとあなたは大切な誰かに会いたくなるでしょう。

こんなにも気持ちよく泣ける作品は他にないのではないか。思わずそう感じてしまう『旅猫リポート』をあなたも一度手にとってみてはいかがでしょうか。

  • 1
  • 2

更新日:2021年10月9日

提供元:ホンシェルジュ

TOPICS

ランキング(読書)

ジャンル