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西暦2500年、地球はどうなっているのか?3地域の未来を予測

カラパイア

西暦2500年、地球の気候は異質なものへ変貌している可能性
 長期的な気候変動の影響に関して、数多くの科学的調査に基づいた報告がなされている。その多くは2100年までには、温室効果ガスが増加し、気温や海面が上昇するといったことだ。

 この事態に対して、例えばパリ協定は、今世紀末までに温暖化を産業革命前の水準よりも2℃未満に抑えることを求めている。

 だが、遠い未来に関する長期予測は、まだ十分なものではない。約500年後の地球は、今とは全く違う気候となっている可能性があるという。


このままでは2100年までに気温が2.7度上昇する

 1990年以降、数年ごとに、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の科学的に根拠のある評価報告書や、関連する特別報告書を通して、私たちは温暖化防止の進捗を評価してきた。

 IPCCの報告書は、これまでの調査・研究を評価して、現状と、2100年までに目標を達成するためにすべきこと、目標を達成できない場合、なにが起こりうるかを示している。

 国が決定する貢献(NDC)の国連評価は、現在の政府間の取り決めのままでは、2100年までに世界の気温が、摂氏2.7℃上昇するという非常に危険な温暖化に陥ると警告している。

 これは、前例のない山火事、台風、旱魃、洪水、熱波、地域や水域における生態系の深刻な変化を意味する。
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photo by iStock

先を見据えた対策が必要

 一方で、2100年より先の気候変動を予測するところもある。だがこうした長期予想は、現在の気候変動適応や環境に関する意志決定の主流には考慮されていない。

 2100年には、今生まれた人たちが70代になることを考えると、驚くべきことだ。子どもたちや孫たちにとって、そのころの世界はどうなっているのだろうか?

 どのようなシナリオを描いても、たとえパリ協定を達成できたシナリオであっても、気候変動の影響を空間的、時間的に完全に把握し、計画し、伝えていくためには、研究者や政策立案者は、2100年よりもずっと先を見越しておく必要がある。
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photo by iStock

2100年以降、地球はどうなっているのか?

 2100年には、温暖化はおさまっているのだろうか? そうでなければ、.それは現在の、そして未来の人類にとって、どういう意味をもつことになるのだろう?

 現在、『Global Change Biology』の最新のオープン論文では、こうした疑問に答えを提供し始めている。

 大気中の温室効果ガス(GHG)濃度を時間に照らして予測する、ICPPによる代表濃度経路シナリオ(RCP)に基づいて、地球気候モデルの予測が行われた。

 今回の予測は、2500年までの低緩和シナリオ(RCP6.0)、中緩和シナリオ(RCP4.5)、高緩和シナリオ(RC2.6)、つまり、パリ協定の目標である”摂氏2℃を十分に下回る”に対応するようモデル化した。

 また、22世紀以降、私たちの子どもたちや子孫が、どのような環境変化に適応しなくてはならないのかを知るために、植生分布、熱ストレス、現在の主要作物の生育条件をモデル化した。

 さらに、現在人口過密な熱帯地域で、熱ストレスが人間にとって、致命的なレベルに達する可能性があることがわかった。

 こうした地域には、人間は住めなくなるかもしれない。高緩和シナリオにおいてさえ、温度が上昇した海水が広がり混ざり合うことで、海面が上昇し続けていることがわかった。

 こうした発見は、ひとつの気候モデルに基づいたものだが、ほかのモデルによる予測の範囲でもあり、より長いスケールでの気候変動の潜在的な大きさを明らかにするのに役立つという。
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photo by iStock

2500年に3地域がどうなっているかを予測

 低緩和シナリオと高熱の世界が、これまで私たちが体験してきた気候に比べて、どのようなものになるかを描くために、予測と多様な研究の専門知識を用いて、3つの主要な地域(アマゾン、米国中西部、インド亜大陸)の1000年間(1500年、2020年、2500年)をカバーする9つの絵を作成した。

 RCP6.0という予測における、2500年のイメージは、現在ある技術をわずかに進歩させたバージョンが含まれている。

アマゾン地域
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(Lyon et al., 2021) , CC BY-ND

上のイメージは、1500年頃の外部の文化と接触する以前の現地の村の様子。川のそばの熱帯雨林に作物を植えていた。

中のイメージは、現在の風景。

下のイメージは、2500年頃の予想図で、植生が衰退したために川の水位が低下し、インフラが劣化して、人間の活動が最小になった不毛な風景。

アメリカ中西部
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(Lyon et al。、2021)、CC BY-ND

上のイメージは、植民地化以前の先住民の家屋があるコミュニティを表わし、トウモロコシをベースとした多様な農業が営まれている。

中は、今日の同じエリアで、単一穀物の栽培と大規模収穫が行われている。

下は、高温多湿の亜熱帯気候に適応した農業の様子を示している。アブラヤシや多肉植物をベースにした亜熱帯農業が行われていて、作物はAIを搭載したドローンによって栽培されていて、人間の姿はほとんどない。

インド亜大陸
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(Lyon et al。、2021)、CC BY-ND

上のイメージは、田植え、家畜を使う社会生活で忙しい農耕民族の村。

中は、南の発展途上国の多くの地域で見られる、伝統的な稲作と近代的なインフラが混在する現在の風景。

下は、ロボットを使った農業や環境配慮型ビルなど、高熱対策がとられた未来を示している。暑さを防ぐ防護服が必要なため、人間の存在は最小限になっている。

今の地球とは違う、まるで異質な未来

 1500年から今日までの間に、私たちは植民地化、産業革命、現代国家や独自性や制度の誕生、化石燃料の大量燃焼とそれに伴う地球温暖化を目撃してきた。

 もし、地球温暖化をくい止めることができなければ、次の500年、それから先も、地球は変化し、人類は怒涛の如く試練が押し寄せて来るだろう。

 とくに歴史的、地理的に根付いた文化において、私たちが生き残るために必要不可欠なものを維持する能力が試されることになるだろう。

References:Our Climate Projections For 2500 Show An Earth That Is Alien To Humans | IFLScience / written by konohazuku / edited by parumo

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