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人はロボットに見つめられると、気になって判断に遅れが生じることが判明

カラパイア

人間はロボットの視線を感じると気になってしまう
 人の視線は気になるものだ。何かをやっている時、横からじっと見つめられていたおかげで、普段ならさらっとできることなのに、気が散ってうっかりミスをしてまった。そんな経験は誰にでもあるだろう。

 どうもそんな視線のパワーはロボットにも宿るものらしい。『Science Robotics』(21年9月1日付)に掲載された研究では、ロボットに見つめられると、集中力が途切れてしまい、一瞬の判断の遅れが生じることが確認されている。

 その影響は脳波にもしっかり現れる。ロボットの視線を感じた脳は、それをどうにか無視しようと努めるのだそうだ。

ロボットに見つめられると人はどんな反応をするのか?

 イタリア工科大学の研究グループは、テーブルの上に置かれた画面上で、幼児型ヒューマノイドロボット「iCub」とチキンレースゲームで遊ぶという実験を行なった。

 iCubは子供の成長・発達を研究するためのツールとして開発されたヒューマノイド・ロボットで、設計はオープンソースとなっており、進化を遂げている。

 ゲームが始まるとモニターに映る自分の車が相手の車に向かって突進するので、プレイヤー(40名)はそのまま突っ走るか、それとも回避するか判断する。

 ただし衝突する直前、ゲームは一時停止され、プレイヤーはロボットの目を見なければならない。するとロボットは見つめ返してくるか、あるいは視線をそらす。

 研究者が知りたかったのは、ロボットの視線の違いでプレイヤーの行動に影響が出るかどうかだった。

Humans play in competition with a humanoid robot

ロボットの視線で集中力が途切れ、無視しようと努める

 実験の結果、ロボットに見つめ返されても、プレイヤーの行動自体(前進または回避)は特に変わらなかった。しかし、それを判断するまでに遅れが生じることが明らかになったという。

 つまり、ロボットに見つめられたことでプレッシャーを感じ、集中力が途切れてしまったのだ。

 その影響は脳波でも確認されている。注意の抑制と関係しているとされる脳波パターン(アルファ活動)が観測されたのだ。

 研究グループによると、こうした判断の遅れが生じる理由は、互いに視線を交わしたことでより高度な認知的努力が必要になるからだ。

 たとえば、脳はロボットがどのような選択をするのかよりたくさん考えを巡らせるようになるのかもしれない。

 あるいは、目の前の勝負とは関係がない視線の刺激をどうにか無視しようと脳が努めるようになるとも考えられる。

 ちなみに実験全体を見てみると、ロボットが視線をそらした場合の方が、参加者はよりゲームに集中できるらしいことも観察されている。
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credit:IIT

人間的側面を考慮した人型ロボットの設計

 こうした反応は、iCubが人型ロボットで、人間の姿をモデルにして設計されていることを考えると、特に意外なことではないそうだ。

 しかし今後は、そうした影響をも考慮したロボット開発につながるかもしれないとのことだ。

 「ロボットは、これから日常生活の中でもっと存在感を増していくでしょう」と研究グループのアニエシュカ・ウィコフスカ氏は述べている。
だからこそ、ロボットの技術的側面だけでなく、人とロボットの相互作用における人間的側面つまり人間の脳がロボットから伝えられてくる行動サインをどのように処理するのか理解することが大切なのです
 今後、子供型ヒューマノイド、iCubがどのように進化していくのかもちょっと楽しみだ。

iCub Reactive Walking
References:When humans play with a humanoid robot, they delay their decisions when the robot looks at them – IITalk / Mutual gaze with a robot affects human neural activity and delays decision-making processes / written by hiroching / edited by parumo

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