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青学大陸上部の㊙人材育成に学ぶ、VUCA時代に飛躍する方法

パラサポWEB

近年、ラグビーやテニス、バスケットボール、野球などスポーツの世界で日本のチームや選手がめざましい活躍をしている。こうした一流選手の人材育成方法がビジネスの世界でも活用されているのをご存じだろうか? 科学技術の急速な進歩、天災、コロナ禍などVUCA(予測不能)な時代において、旧来通りの画一的な方法では優秀な人材を育成できないからだ。そこで、一般社団法人スポーツコーチング協会認定のスポーツコミュニケーションアドバイザー&コーチでもある、ビジネスコーチの佐藤正彦氏にスポーツ界の成功例に見る、新時代の人材育成方法について伺った。

あの大学はなぜ成果を出し続けることができたのか?

スポーツ界の人材育成で成功した例として有名なのが、全国大学ラグビー選手権9連覇の帝京大学ラグビー部や、箱根駅伝で4連覇を成し遂げた青山学院大学陸上部。佐藤氏は両大学の共通点を、監督が「指導」だけではなく、「育成」を行ったからだと分析する。

「このふたつは平たく言うと、『指導』は正しい答えを教えること。それに対して『育成』は答えを見つける力をつけさせることです」(佐藤正彦氏。以下同)

日本のスポーツ界は長い間「指導」をメインにやってきた。今まではそれで良かったが、これからの時代は「指導」だけでは勝てない。その理由を佐藤氏は次のように分析してくれた。

「たとえば昔のサッカーは、ウイングと呼ばれるサイドの最前線に配置される選手が、フィールドの外側からドリブルで進み、ゴール前で待っているフォワード(得点を狙う選手)にボールを渡す。そこからセンターフォワードがヘディングなどでゴールにボールを押し込むといった単純な戦略しかありませんでした。ところが最近のサッカーはいくつものフォーメーションがあり、さらにミッドフィルダー(中間の位置で攻守ともに貢献する選手)がさまざまな指令を出して、試合ごとに違った複雑なプレーが求められるので再現性がない。答えは1つではないので、選手一人ひとりがその都度、臨機応変に考えて行動できないと試合には勝てないんです」

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想定外のことが起きた時に指導者しか答えを持っていないのでは、複雑な試合を制することはできない。帝京大学ラグビー部や、青山学院大学陸上部では、選手一人ひとりが答えを見つける力を持っていたからこそ、勝ち続けることができたという。

VUCAの時代で生き残るのは自分で答えを見つけられる人材

答えを見つける力が必要なのはビジネスの世界も同じだ。近年の複雑で多様な状況をビジネスの世界では「VUCA(ブーカ)の時代」と呼ぶ。これは、Volatility(変動性・不安定さ)、Uncertainty(不確実性・不確定さ)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性・不明確さ)という4つの言葉の頭文字からなる言葉で、目まぐるしく変化する環境の中、将来の予測が困難なカオス化した状態を意味している。まさに現在のコロナ禍もそのひとつと言えるだろう。

「日本が高度成長した昭和の時代に人々が尊重していたのは、みんなで同じ目標に向かって進んでコツコツ頑張る画一性でした。しかし、今は、それぞれの強みや価値観を生かしていくD&I(ダイバーシティ&インクルージョン)の時代に変わってきています。チームとしてのビジョンや行動指針を共有することは大切です。その上で多様性を生かしたチームづくりをしないと、予選は勝てても決勝では勝てない。それはビジネスの世界でも全く同じです」

では、多様な社会に対応できる組織を作るには、どのように人材を育成すればいいのだろうか。そのキーワードは「主体性」にあると佐藤氏。

「たとえば、『自主性』と『主体性』という言葉は似ていますが、意味が違います。『自主性』とは、決められた“やるべきこと”を人に言われなくても率先してやること。それに対して『主体性』とは、“やるべきこと”も自ら考えて自ら行動することです。想定外のことに対応するには、この『主体性』がとても大切になってきます。以前ある新聞記事で読んだのですが、当時のトヨタ自動車ラグビー部のジェイク・ホワイト監督が、『日本の選手はスキルも高く、指示を正確に実行できる一方で、選手自身が臨機応変に決断するのは得意ではないと見ている』というようなことを言っていたそうです。まさに自主性はあるけれど、主体性がないということですよね」

ちなみに、ホワイト氏の監督就任後、トヨタ自動車はジャパンラグビートップリーグで7年ぶりにベスト4入りを果たしている。近年、この「主体性」がビジネス界でも課題とされ、自律型組織、自律型の人材の育成を目指す企業が増えているのだそうだ。

多様な時代で成果をあげる人材育成法

では、自ら課題を見つけて考え、実行できる主体性のある人材を育てるにはどうしたらいいのか。具体的な方法を佐藤氏に紹介してもらった。1.真の意味でのコミュニケーション
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