「人生を一つの“舞台”だとするならば、『親父の役の人生を見事に演じきったね!』とたたえてあげたい。僕にとって彼は誇りです」
そう語るのは、演出家の宮本亞門さん。
’21年6月24日に、94歳の父・亮祐さんを天国へと見送った。
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亡くなる3日前、亞門さんは父の好物の鰻を持って実家を訪れた。
「喜んで少しは食べていたけれど、ふとしたときに仏像のような半眼で優しく遠くを見つめているんです。まるですべてを受け入れたかのように。このとき初めて、父が死ぬかもしれない、と感じました」
それから父は何も食べなくなり、3日後、眠るように天国へと旅立った。遺言のとおり、葬儀は身内だけで行ったという。