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アトランタ五輪の銀メダリストが3代目 大正13年創業の老舗「仏教」書店(Vol.24東陽堂書店)

J-CAST会社ウォッチ

連日、熱戦が繰り広げられてきた東京オンピック。2021年8月9日からは夏の高校野球、甲子園がはじまり、24日からはパラリンピックが開幕する。もうしばらくは暑い、熱い夏が続きそうだ。

じつは、ここ東京・神保町に五輪にまつわる人がいる。野球日本代表として1996年アトランタオリンピックに出場し、銀メダルを受賞した古書店主。大正13(1924)年創業、老舗の古書店で3代目店主を務める髙林孝行さんだ。大通りに面し、吟味する人が耐えない店頭のワゴン。ガラス戸を開いて中に入ると、賑やかな表の雰囲気とは異なった、古書の香りに満ちた重みのある空気である。レジに座り作業をする髙林さんの古書店主然とした姿からは、選手時代の様子は想像がつかない。



野球とともにあった日々

東陽堂書店の主な本は、「仏教」に関するものだ。天井の高い1階の店内から2階へ向かう階段の壁まで、整然と本が並ぶ。棚は黒い札に白い文字で分野ごとに毛筆で書かれたでジャンルごとに区切られている。

「祖父の代は学術書なども売っていたようですが、父である先代から仏教書の専門店になりました。仏教から派生して、神道や易学・東洋史など幅広く扱っています。お客さんはお寺さんから研究者、仏教系の学生などさまざまです。近年ではリタイア後の趣味として仏教を学びたいと訪れるお客さんも多いですね」

古びた書棚は過ごした年月の重みを感じさせる、どっしりした風合いだ。


手書きの温かみがある毛筆の字

髙林さんの父、先代の恒夫さんはプロ野球選手であった。その影響が大きく、東陽堂で働くまで髙林さんの青春は野球一色である。立教高校から立教大学に進学し、卒業後は日本石油に入社。社会人野球の選手として活躍した。国際大会への出場経験も多い。

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輝かしい経歴に思えるが、当時を振り返ると、

「韓国やイギリスなど各国で試合をしました。慣れない環境や移動時間など、国際試合は過酷だった」

と話す。

見事、銀メダルを獲得したアトランタオリンピックに関しては「開会式が長くて長くて」と笑いを交えて淡々と話し、自身の過去を決して飾らない。

コロナ禍で行なわれている東京オリンピックに、特別な思いはあるかと訊ねると

「やっぱり、選手には気の毒ですね」

とゆっくり、噛みしめるようにひと言。出場経験者にしかわからない思いがあることだろう。

30歳で古書の世界へ飛び込む


髙林さんは「二つの世界」を知る

髙林さんは30歳になって現役を引退。家業である店を継ぐのは自分の中で、ごく自然なことだったと話す。

「はじめは何もわからない状態。本の包み方から教わりました」
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