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地方への移住者増加は本当?専門家に聞いた、人口移動と首都圏地価の実態

教えて!gooウォッチ

新型コロナウイルスの流行により、テレワークでの勤務が日常となったという人もいるだろう。そのような背景から、オフィスの移転に踏み切る企業もあるようだ。その影響で、東京から地方への移住者が増加傾向にあるという話も耳にする……実際のところどうなのか。「教えて!goo」にも「コロナの影響で、人口の多い現住所から田舎への移住希望が殺到しているとは本当ですか?」と投稿があった。人口移動に伴う土地価格の変動も気になるところだ。そこで今回は、土地や物件の価格相場・推移のデータ提供を行う不動産メディア運営組織、ウチノカチに、人口移動の実態や地価の変動について話を聞いた。

■「転入超過数」からわかる推移

テレワークの普及や支援金制度の充実により、地方移住に魅力を感じる人が増えたのではないだろうか。まず、東京の人口移動の実態をうかがった。

「地方から都心部、特に東京へ移住する人は大幅に減少しています。総務省統計局の『住民基本台帳人口移動報告』では、転入者数から転出者数を差し引いた『転入超過数』という数値を公開しています。東京都の転入超過数は、2019年度の8万3455人から2020年度の7537人へ大幅に減少しています。前年度の1割にも満たない数です。東京圏(東京、埼玉、千葉、神奈川を含める範囲)の転入超過数も、2019年度の14万9779人から、7万5350人へと半減しています。」(ウチノカチ)

全ての年齢層において、転入超過数が減少しているという。

「反対に、転入者数から転出者数を差し引いた『転出超過数』という数値を見てみましょう。東京からの転出超過数が増加した都道府県は、2019年度には埼玉県のみです。しかし2020年度には埼玉県、神奈川県、千葉県、沖縄県の4県に増加しています」(ウチノカチ)

2020年度では、「東京から移住してくる人が増加した」という都道府県が増えたとのこと。

■上昇傾向にある首都圏の物件価格

東京からの地方移住者は増えた。しかし東京の地価は上昇傾向にあるという。具体的な推移を、データをもとに見てみよう。

「国土交通省が発表した2020年度の公示地価によると、東京都全体の平均金額は坪単価145万円です。2019年度は142万円だったので、約3万円、2.4%ほど上昇しています。中古マンション価格も、2019年度の約82万円/㎡に対して、2020年度は85万円/㎡と、約3万円、4.4%ほど値上がりしました。近隣の県では、神奈川県は4.5%、千葉県は1%、埼玉県は5%ほどの上昇がみられます」(ウチノカチ)

東京のみならず、首都圏で不動産価格が上昇している。移住者数が減少しているにも関わらず、なぜこのような状況になるのだろう。

「東京から地方へ移住する人が増えたとはいえ、東京都の人口自体は増えています。転入超過数で減少した7万5000人ほどは、東京都の人口のたった0.5%に過ぎません。つまり、全体の人口は、大きく減少していないのです」(ウチノカチ)

さらに、政府の金融緩和で借入金利が低下したことも理由のひとつだとか。

「金利の低下により住宅を購入しやすくなったことが考えられます。在宅勤務の必要性から、計画よりも前倒しで購入しているケースもあるでしょう。また、緊急事態宣言による移動制限や各種給付金により、家計貯蓄率の上昇幅は過去最大規模となっています。それが不動産価格を押し上げているという側面もあります」(ウチノカチ)

新型コロナウイルスの流行は、人口移動に大きな影響を与えている。同時に金利の低下やテレワークによる新たなニーズが、首都圏を中心とした不動産価格を押し上げているのだ。今回の取材で、人口移動に変化はあるものの割合としては小さく、また「地方移住者の増加=東京の地価下落」とはなっていないことがわかった。

●専門家プロフィール:ウチノカチ
全国25万地点、2万以上の沿線・駅周辺のマンション、住宅、土地などの価格相場や推移、家賃相場などのデータを提供するメディア「ウチノカチ」を運営。姉妹メディアに、全国のエリアや駅の地価などを掲載する「トチノカチ」がある。

教えて!goo スタッフ(Oshiete Staff)

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