top_line

【 最新ニュースをアプリでサクサク読むなら! 】

パラ水泳日本代表、エース・木村敬一を筆頭にメダルラッシュなるか!

パラサポWEB

日本から男女合わせて27名の代表選手が出場する水泳。キャプテンであり5大会目のパラリンピックとなる鈴木孝幸らベテランから、最年少14歳の山田美幸などフレッシュな面々も。代表のうち8名を占める知的障がいクラスの山口尚秀や東海林大など、金メダルを獲得できる実力者がおり、日本知的障害者水泳連盟の谷口裕美子専務理事は、「山口は泳げばベストタイムが出るし、東海林も強くなっている」と期待を語る。 また、上垣匠日本代表監督は目標のメダル数は変動的としながらも、「視覚障がいクラスと機能障がいクラス合わせて、金4、銀4、銅4個のメダルが目標」と具体的な数を挙げている。 ライバルをおさえ自国開催の表彰台に登るのは誰か?

世界トップクラスの視覚障がいスイマー

木村 敬一
日本代表のエース・木村敬一(S11/全盲)は、ロンドンパラリンピックで2つのメダル(銀1と銅1)を獲得、リオパラリンピックでは4つのメダル(銀2と銅2)を獲得しており、東京パラリンピックでは、まだ手にしていない悲願の金メダルを目指す。
2019年3月のパラ水泳春季記録会で100mバタフライの日本記録(1分01秒17)を更新すると、同年9月にロンドンで行われた2019世界パラ水泳選手権大会では同種目1位(1分02秒22) に輝いた。その中で「必ず金メダルを獲ることを目標にしている」と、本番に向けも士気は上々。ただ、100mバタフライでは富田宇宙も金メダルを狙うと公言しており、日本人選手同士、火花を散らす展開になりそうだ。

金メダルに一番近いと言われる木村敬一(写真は2021ジャパンパラ水泳競技大会)

富田 宇宙
100mバタフライで木村を追う位置にいる富田宇宙。リオパラリンピックの代表を逃しているため、パラリンピックは初出場になる。パラ水泳を始めた頃のクラスは軽度の弱視(S13)だったが、2017年以降、病気の進行によりクラスが全盲(S11)に変更。これにより一気にメダル候補に挙がると、2019世界パラ水泳選手権大会では100mバタフライで木村に続く2位、400m自由形でも4分32秒90のアジア新をマークして2位となった。同大会同種目で、オランダのロジャー・ドルフマンと首位争いを繰り広げており、東京パラリンピックで金メダルを獲るためには、ドルフマンとの競り合いに勝利しなければならない。2019パラ水泳世界選手権の富田のタイムは、1位のドルフマンに4秒以上の水をあけられた。コロナ禍で自分の体を見つめ直し、高地トレーニングなどでパワーをつけた富田は、成長の証を見せられるか。

複数メダル獲得に挑む富田宇宙(写真は2021ジャパンパラ水泳競技大会)

辻内彩野
父がインストラクター、母は全国大会出場の実績を持つという水泳一家に育ち、小学3年生から水泳を始めた辻内彩野は、大学入学直後に視力が低下、2017年からパラ水泳の視覚障がいクラス(S13/弱視)でレースに臨んでいる。2019世界パラ水泳選手権大会では100m平泳ぎで日本新記録をマークして銅メダルを獲得。第37回日本パラ水泳選手権大会では50m自由形(27秒83)と非パラリンピック種目の100m自由形(1分00秒25)で日本新をマークし、絶好調ぶりをアピールしている。ただ辻内のクラスは世界的に見ても競争が激しく、例えば、イタリアの20歳・カルロッタ・ジッリが持つ世界記録は50m自由形が26秒67となっている。ただ、モットーは「楽しんだもん勝ち」。地元・東京開催を力に変えて、輝く結果を手にしてほしい。

ベテランから若手が躍動! 肢体不自由障がいのメダル候補

鈴木 孝幸
2013年イギリス・ニューカッスルを拠点にしている鈴木孝幸(S4・SM4・SB3/運動機能障がい)にとって、東京パラリンピックは、初出場した2004年アテネパラリンピックから数えて5回連続出場となる。唯一メダルなしに終わったのはリオパラリンピックだけ。ただ近年の大会を見ると、2018年のアジアパラ競技大会で5個の金メダルに輝き、2019世界パラ水泳選手権大会でも銀4個、銅1を獲得。この大会では、50m自由形、200m自由形、150m個人メドレーの3種目で自己ベストを更新し、200mの自由形ではアジア新記録(2分53秒22)、50m平泳ぎも好タイムをマークした。200m自由形と150m個人メドレーではライバルたちが今年に入って世界記録を出しているが、自国開催のアドバンテージを力にすることができるか。

水泳チームのキャプテンでもある鈴木孝幸(写真は2021ジャパンパラ水泳競技大会)

広告の後にも続きます

山田 美幸
14歳の山田美幸(S2/運動機能障がい)は、今大会の日本代表選手団の中で最年少となる選手。保育園のときの小児ぜんそくがきっかけで水泳を始め、リオデジャネイロで行われたパラリンピックを見て、パラリンピックで世界の選手たちと泳ぎたいと思うようになった。それから5年、今ではメダル候補に名を連ねるまでに成長した。最近では序盤のスピードに加えて、スタミナも強化し、第37回日本パラ水泳選手権大会で、50m背泳ぎで自身の日本記録を5秒以上更新する1分05秒44をマークすると、50m自由形でも1分08秒60の日本新記録をたたき出し、100m背泳ぎでも好記録でフィニッシュ。世界記録のタイムに近づくためにはタイムをさらに縮める必要があるが、日本チームの中でも最も伸びしろがある中学生スイマーは、大舞台でブレイクするか。

注目の中学生スイマー、山田美幸(写真は日本パラ水泳選手権大会)

勢いと強さを兼ね備える知的障がいスイマー

山口 尚秀
近年、成長著しいのが知的障がいクラス20歳の山口尚秀。まずは、2019年3月の2019パラ水泳春季記録会100m平泳ぎ(SB14)で好タイムを出すと、日本代表に選出され、2019世界パラ水泳選手権大会にて国際大会デビュー。同種目で1分04秒95の世界新記録をたたき出して金メダルに輝くと、パラ水泳秋季記録会ではタイムを0秒82縮めて1分04秒13、2021ジャパンパラ水泳競技大会ではさらに0秒13縮めて1分04秒00をマーク。コロナ禍で2度も自身が持つ世界記録を次々に塗り替える快挙を見せた。2019年以降、100m平泳ぎでは2位以下に差をつけて世界ランキング1位につけているが、今年6月、オーストラリアの23歳マイケル・ジェイクがオーストラリア新記録を出すなど調子を上げてきており、山口にプレッシャーをかけている。

平泳ぎの世界記録保持者・山口尚秀(写真は2021ジャパンパラ水泳競技大会)

東海林 大
日本代表有力候補と言われながら前回のリオパラリンピックでは出場切符を逃した東海林大(SM14/知的障がい)が、いよいよパラリンピックに登場する。リオパラリンピックの代表になれなかった思いが糧と言うように、2018年以降、100mバタフライで一時世界記録を保持、現在は2019世界パラ水泳選手権大会で樹立した200m個人メドレーで世界新記録 (2分08秒16)を持っており、王者として東京パラリンピックに挑む。第37回日本パラ水泳選手権大会では100mバタフライで55秒68のアジア記録をたたき出したが、2021ジャパンパラ水泳競技大会では200m個人メドレーで目標タイムに届かず悔しさをにじませただけに、本番では重圧をはねのられるかがカギとなりそうだ。目標については「思う存分楽しむ。今までの自分を超える最高のレースをしたい」と前向きに語っている。

世界の注目選手は?

2019世界パラ水泳選手権大会で金5を含む6つのメダルを獲得したイタリアのシモーネ・バルラーム(S9、SB8、SM9)は、2017年に国際大会デビューしており、今回が初めてのパラリンピック出場となる。今年5月にポルトガル・マデイラで行われた欧州パラ水泳オープン選手権大会では、100m自由形で世界記録(53秒03)を更新。普段はミラノ工科大学で勉強する学生で、将来は義肢装具士を目指している

2019世界パラ水泳選手権大会では最優秀選手にも選ばれたイタリアのシモーネ・バルラーム

2019世界パラ水泳選手権大会で金メダル1個、銀メダル1個、銅メダル2個を獲ったブラジルのダニエル・ディアス(S5、SB5、SM5)は、長年、パラ水泳の第一線で戦ってきた選手。これまでパラリンピックで獲得したメダル数は男子選手の中で最多となる24個で、パラスイマーのなかには彼にあこがれる選手も少なくない。東京パラリンピック後に引退することを表明しており、 本番ではメダルの獲得数の記録をどこまで伸ばすのか期待が膨らむ。

パラ水泳界のスター、ダニエル・ディアス(写真はリオパラリンピック)

2019世界パラ水泳選手権大会で金6、銅1個のメダルを獲ったベラルーシのイハール・ボキ(S13、SB13、SM13)は、欧州パラ水泳オープン選手権大会では6個、銀1個と2種目で世界記録を樹立した。とくに自信をのぞかせるのが自身の記録を塗り替えた100mバタフライ(53秒72)。新型コロナウイルスに感染し、苦しい時期も過ごした、東京パラリンピックに向けて前向きにトレーニングに励んでいる。

2019世界パラ水泳選手権大会でメダルを量産したベラルーシのイハール・ボキ(写真はリオパラリンピック)
  • 1
  • 2

TOPICS

ランキング(スポーツ)

ジャンル