解説
太宰治の小説「ヴィヨンの妻」を、「雪に願うこと」の根岸吉太郎監督が映画化し、第33回モントリオール世界映画祭で監督賞を受賞した人間ドラマ。人気作家として世間から注目されるも、生きることに苦しみ酒や女に溺れる大谷と、そんな彼が酒代を踏み倒した小料理屋で働き、放蕩を続ける夫を愛し続ける妻・佐知の姿を描く。主演は松たか子、浅野忠信。共演に広末涼子、妻夫木聡、堤真一ら豪華キャストが揃う。
(提供元:映画.com)
恋愛もの大好きOLさん ★★★★★
世間が『大豆田とわ子と三人の元夫』……というより、再び松たか子に夢中になっているタイミングで鑑賞。「ヴィヨンの妻」という太宰治の小説を元に、映画化した作品。
太宰治といえば「人間失格」にはじまり、基本的に鬱屈していて、影のある主人公が登場する。とにかくダメな男、それが太宰作品の男なのですが、その人間的な醜さも一つの真理だし、実直に映すのもある意味重要というかすごいことだなあと思いました。
それでいうと、そのザ・ダメ男を見事に演じ切った浅野忠信はさすがでしたね。彼のよく演じる役柄の雰囲気にベストマッチで、そんな彼の妻である佐知を演じた松たか子の凛とした美しさと強さといったら! このキャスティング自体が天才的だったなと思いました。
愛人役の広末涼子、佐知との浮気を疑われる妻夫木聡、弁護士の堤真一と脇を固める俳優陣も豪華。監督は『サイドカーに犬』の根岸吉太郎。本作でモントリオール世界映画祭の最優秀監督賞を受賞しています。太宰治という題材が世界的であるから、というのもそうですが、その中でも本作は原作に忠実でありながら、オリジナルの要素も嫌な風に作用していなくてバランス感が良かったですね。
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