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有毒?無毒?どっちなんだい!『あつまれ どうぶつの森』に登場するミズクラゲって何者?【平坂寛の『あつ森』博物誌】

インサイド

有毒?無毒?どっちなんだい!『あつまれ どうぶつの森』に登場するミズクラゲって何者?【平坂寛の『あつ森』博物誌】

※リアルの生物の写真が出てきます。苦手な方はご注意ください!

ついに東京オリンピックが開幕しましたね。

紆余曲折ありましたが、出だしはメダルラッシュで上々の盛り上がりといったところでしょうか?

ところで、その「紆余曲折」の中にはトライアスロンの会場となる東京湾の汚濁問題が懸念された件もありました。

東京湾には数多くの河川が、それも関東平野に暮らす人々の生活排水を、大なり小なり巻き込みながら流れ込みます。そのため、非常に栄養が豊富な状態(=人間目線では汚い)になりがちなのです。

その結果としてプランクトンが豊富になり、それを食べるアサリなど多くの海の幸が育つという側面もあります。

しかし、富栄養化によって増えるのは、そんな人間に都合の良い生物ばかりではありません。

『あつまれ どうぶつの森(※以下『あつ森』)』にも登場するこの生物もしばしば大発生して漁師さんを困らせたり。

ミズクラゲ!!

東京湾に限らず、日本の近海でもっともよく見かける美しいクラゲです。

ほんのり白濁した半透明のボディはナタデココを想起させます。

彼らはプランクトンを食べており、高めの水温を好見ます。

そのため、夏場の東京湾やそれに連絡する運河、河口にしばしば大量発生してしまうのです。

多い年だと、場所によっては水中にびっしりとミズクラゲが漂うことも…。

そうなってしまうと、漁網や釣り糸に彼らの破片が絡みついたり、採れた魚に混じったりという漁業被害につながってしまうのです。

……絡めとられたミズクラゲからすれば、自分たちこそ被害者だ!と主張したいに違いありませんが。

ミズクラゲは小さすぎて食用にされることもありません。体の90%以上が水分だといわれるクラゲを食用するには、塩やミョウバンで脱水する工程が必須です。せいぜい洗面器ほどの大きさしかないミズクラゲを脱水してしまうと、手元に残るのはほんのわずかとなるため割に合わないのですね。

ただし利用法がないわけではなく、その美しさから水族館で展示したり、設備さえあれば観賞用に家庭で飼育したりするという例が挙げられます。

とはいえ、水族館では数十~数百個体もいれば展示には十分すぎるわけですし、時期さえ合えば業者を介さずとも、大量に漂っているところを水族館スタッフの手でサクッと採れてしまいます。

それゆえ、やはり商業的な価値は限りなく低いと言えるでしょう。

ところで、クラゲといえばその毒性が気になるところ。

そもそもクラゲというのはいずれの種も大なり小なり、捕食と防衛のために触手に毒を備えています。

ただしミズクラゲの場合、『あつ森』内でもフータさんが言及しているように、その毒性は比較的弱めです。

クラゲが対象に毒を打ち込むメカニズムは触手にある「刺胞(しほう)」という器官によります。

刺胞は袋状で、触手に獲物や外敵が触れるとその刺激によって反転し、内側に仕込まれていた毒針が飛び出して毒を注入…という寸法なのです。

要はとてもとても小さな毒針を大量に打ち込んでくるわけなので、手のひらなど皮膚の厚い箇所はダメージを受けにくく、二の腕や内腿といったやわらかな部位は重症化しやすいというわけです。

これはミズクラゲも同様で、手のひらだけを触れるよう気をつければ、素手でつかんでも何も感じません。

ただし、毒性が弱いとはいえ無毒ではありません。

皮膚の薄い箇所に触れれば痛みを覚えるかもしれません。

特に、肌の弱い子どもは要注意。あまりがっつりいじくり回すのは控えるべきかも。また、言わずもがな眼球など粘膜への接触は避けるべきです。

…そういえば学生時代に海へ行った際、ある友人が打ち上げられたミズクラゲやタコクラゲを海パンに突っ込んでふざけていましたが、事後に「なんかヒリヒリするかも…」と嘆いていた思い出があります。

ダメ。ゼッタイ!

そんな個人的にも思い出深いミズクラゲですが、『あつ森』での出現時期は北半球設定の場合は7~9月のみと限定的です。

素潜りで捕獲できるので、未採集の方はお忘れなく!

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<span class="blueblock"><b>■著者紹介:平坂寛</b>
<img src="https://www.inside-games.jp/imgs/zoom/1004827.jpg" width="14%" height="14%" align="left" vspace="2" hspace="2" alt=""><p style="margin-left: 7em;">Webメディアや書籍、TV等で生き物の魅力を語る生物ライター。生き物を“五感で楽しむ”ことを信条に、国内・国外問わず様々な生物を捕獲・調査している。現在は「公益財団法人 黒潮生物研究所」の客員研究員として深海魚の研究にも取り組んでいる。著書に「<a href="https://www.shufu.co.jp/bookmook/detail/978-4-391-15045-2/" rel="nofollow" target="_blank">食ったらヤバいいきもの</a>(主婦と生活社)」「<a href="http://www.chijinshokan.co.jp/Books/ISBN978-4-8052-0879-3.htm" rel="nofollow" target="_blank">外来魚のレシピ</a>(地人書館)」など。</p></span>
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