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憧れ? 縁がない? 婚活女性にとっての「結婚指輪」とは

マイナビウーマン

「何度かメールのやりとりをして、悪い人じゃなさそうだなと思ったら、食事に行く約束をする。それから食事に行くための服を選んで、ちゃんとメイクして、髪もきれいに巻いて、ネイルもベージュピンクにして、時間をかけて一番きれいな自分を作って、待ち合わせのお店へ行くと――そこには好きでもなんでもない人が座っている」

彼女から感じるどうしようもない虚しさとやるせなさは、鐘子と同年代の多くの婚活女性の胸をえぐったのではないだろうか。

■「誰かに選ばれた唯一無二の存在」結婚指輪への憧れ

そんな、ある種の諦観や虚無感を抱えた鐘子がなぜ「偽装不倫」などという詰みゲーを始めたのかを考えていくと、それは2人が出会うきっかけにもなった、姉の結婚指輪という“偽物のお守り”が深く影響しているのではないだろうかと思う。

鐘子の「偽装不倫」は、初対面である丈の前で落とした姉の結婚指輪を、咄嗟に自分のものだと言ってしまうことから始まる。

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結婚指輪を左手の薬指にはめることは、婚活に励んだが思うようにいかず、苦しい思いをたくさん飲み込んできた鐘子にとって、かつての“ゴール”であると同時に、「もう自分には縁がない」と諦めたものだ。

結婚指輪に対する憧れは、婚活に励む女性なら一度は感じたことがあるだろう。既婚者の象徴たるそれは「誰かに選ばれて結ばれた、唯一無二の存在である」という事実が目に見える形となって左手の薬指にキラキラと輝く、一種の勲章である。

婚活の中で自信をなくし、感情を押し込め、傷ついていた鐘子。しかし、指輪をはめて自分を既婚者に見せることで、丈に、そして自分に魔法をかけようとしたのではないか。自分もまた誰かにとって、たった1人選ばれた、魅力的な女性だと。

そして、その指輪が発揮する偽物の魅力に守られないと、目の前に現れたイケメンと恋に踏み出せなかったのだろう。

■こじれにこじれた大人たちの“ピュア”ラブストーリー

旅行の後、東京で再会した丈に幾度となく本当のことを打ち明けようとして失敗した鐘子はついに、自分を既婚者と偽ったまま丈との偽装不倫を続けていくことを決意する。

だが、その選択の先に待つ物語は案の定、さらに混沌を極めていくことになる。

本物の不倫を続けて泥沼になっていく姉夫婦の動向も相まって、視聴者側の情緒もカオスになっていくが、基本的には重苦しくなく話を追っていくことができるだろう。

年下イケメンとの胸キュンラブと、秘密を抱えるハラハラ感、そしてその随所に垣間見えるほの暗いエグみを楽しみながら、ぜひ鐘子の行く末を一緒に見守ってもらいたい。

こじれにこじれた大人たちのどろどろの恋愛感情から生まれる上澄みは、確かにこの上なく“ピュア”なのかもしれない。

(文:琴子、イラスト:タテノカズヒロ、編集:高橋千里)

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