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高校日本代表でも独特の世界を築く藤原恭大

週刊ベースボールONLINE


大阪桐蔭・藤原は言葉でチームをけん引するタイプではない、不思議なオーラがある

「藤原ワールド」が広がっていた。

 前夜(8月29日)に空路で羽田空港から宮崎入り。高校日本代表チームは結成から5日間、休みなく、練習と対外試合を行い急ピッチで調整を重ねてきた。チームの成熟度は増しているが、疲労はピーク。30日は「完全休養日」に設定された。試合会場のKIRISHIMAサンマリンスタジアム宮崎のグラウンド状況を約30分確認し、宿舎へ引き揚げる予定だった。

 しかし、そのプランは大きく崩れた。外野に加え、内野も天然芝で、きれいに整備されたフィールドに足を踏み入れると、選手は自然と体を動かしたくなったようである。投手、野手に分かれての自主練習は約2時間続いた。

 最初にキャッチボールを始めたのが大阪桐蔭・藤原恭大と浦和学院・蛭間拓哉の外野手コンビ。さらにバットを持ち出すと、本塁付近でのフリー打撃がスタートした。ここまで対外試合3戦で3安打と、藤原からしてみれば納得のいかない打席が続いていた。打開策を見出すためには、とにかくバットを振るしかない、と判断したようだ。

 約30分。誰も寄せ付けないオーラを発しながら、1球1球、感触を確かめるようにフルスイング。緩いボールをしっかりと手元まで引き寄せ、インパクトに全神経を集中し、課題としていた引っ張りのサク越えを連発していた。

 ボールケースに入っていた1箱、約50球を一心不乱に振った。今夏の甲子園期間中には、「筋肉の張りが出ないと調子が出ない」とウエート・トレーニングを取り入れるほどの練習の虫である。

 藤原がベンチへ戻ると、ほかの選手たちも、追いかけるようにフリー打撃を行った。今大会はDH制であり、打席に立つことはほとんどない大阪桐蔭・柿木蓮、金足農・吉田輝星ら投手陣も触発されていたのが印象的だった。藤原がこの日の練習の雰囲気を、自らの背中で作り出した。それが「藤原ワールド」である。

 藤原は大阪桐蔭、今回の高校日本代表を通じて、チーム内での役職がない。不要であることが、この日の練習でよく分かった。言葉はいらない。攻守走の3拍子、特に、バットで結果を残すことが最高のリーダーシップだ。

文=岡本朋祐 写真=高原由佳

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