押井守監督『人狼』韓国実写版、興行不振で苦戦中
押井守監督『人狼』韓国実写版、興行不振で苦戦中
押井守監督の長編アニメ映画『人狼 JIN-ROH』が韓国で実写化され、先月7月25日に公開された。韓国で大人気の俳優らがキャストを務め、夏休みシーズンの超期待作として投入されたが、蓋を開けてみると…?
映画『人狼』は、押井守監督のアニメ映画『人狼 JIN-ROH』を原作として韓国目線で再解釈されたSFアクション作。韓国と北朝鮮による“統一準備5年計画”が宣布された2029年の世界を背景に、緊張を感じた列強の過酷な牽制と、統一を反対する内部勢力などの暗闘と激突で混沌たる状態に陥る中、“狼”と呼ばれる人間兵器“人狼”たちの活躍を描く。

押井監督本人も、映画公開に先駆けた23日に来韓し、試写会を観覧した。


押井監督は試写会出席後、「いろんなことを考えさせる、とても力強い良い作品だった」と満足感を表しており、「日本ではこのような映画は作れない。まるでハリウッドのようなセットに驚いた」、「強化スーツを着てアクション演技を行ったことにビックリしたし、ポイントである赤い目の具現も完璧だった」、「原作を見た人も、そうでない人も、是非観てほしい映画」と語ったという。

作中に登場する“強化スーツ”については、事前の制作発表会やマスコミ向けの試写会で幾度となく話題に挙がっていた。


写真で見ても重量感を感じるこのスーツ。主演を務めたカン・ドンウォンによると、「地下水路セットで強化スーツを着て本格的なアクションを行ったが、初めて着たので、歩くことすら大変だった。服だけで約30kg、他のものを装着すると40kgにもなる。1週間ほど経ってやっと慣れてきたと思ったら、今度は『走れ!』と言われて、最終的には肉弾戦までこなすことになった」と、かなりの苦労があったようだ。


このように、人気アニメ原作、主演クラスのキャストラインナップ、精巧に再現されたセットと衣装、原作者のお墨付きと、公開前から高い注目度を誇っていた『人狼』だったのだが…残念ながら、興行は振るっていない。

公開当日の7月25日は、ライバル作『ミッション・インポッシブル:フォールアウト』の公開日でもあった。同作が60万2076人を動員したのに対し、『人狼』は27万4622人。スコアには約2倍の差がついた。

そして現在、公開から2週間が経ったところで結果を見てみると、ボックスオフィス8位で、累積観客数は88万4656人。『人狼』には約19億円もの制作費がつぎこまれており、損益分岐点を超えるためには、観客動員数600万人以上が必要と言われている。

更に残念なのは、この興行不振に関連する“ある騒動”。『人狼』に出演している俳優ユ・サンジェが、同作の興行不振について、「評価点を操作している作戦勢力がいる」とSNS上で発言して物議をかもしているのだ。


ユ・サンジェの発言は、次の内容。

「上映時間を減らすために編集過程と多くのストーリーが省略されたため、人物の感情的な流れが明確に見えない物足りなさはあるが、これを口実に評価点を操作している非常識で低劣な、政治色を帯びた作戦勢力が大半を占めていると明らかに感じられる」

その後SNSを非公開に切り替えた彼は、再びSNSを通じて長文の謝罪および釈明文を掲載した。

「誤解を受けている、また私が書いた文の趣旨とはまったく違う歪曲報道された部分に対してだけは、説明したい」

「私は観客を非難したり、興行失敗の原因が観客のせいだと言ったことはない。私が言及したのは一般の観客ではなく、映画を見ることもせずに映画に出演した特定の主演俳優に対する嫌悪感を表わし、映画が公開される前から最低点である1点を付けた不特定多数の人の行為を批判した言葉だった」

残念な話題が続いている『人狼』となったが、夏休みシーズン、今後の巻き返しはあるのか、日韓コンテンツに期待する意味もこめて、注目していきたい。
(更新日:2018年8月10日)

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