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目は脳の窓。瞳(瞳孔)の大きさと知能に関連性があるとする研究結果

カラパイア

瞳の大きさと知性に関連性があるとする研究
photo by iStock

 目は心の窓というが、知能の窓でもあるようだ。『

瞳孔と知能の意外な関係


 アメリカ・ジョージア工科大学の研究グループがその可能性に気がついたのは、ダニエル・カーネマンという心理学・行動経済学者が考案した理論にもとづき、瞳孔の散大を調べていたときのことだ。

 カーネマンによれば、瞳孔が広がる様子を観察すれば、記憶作業をこなすために費やされている心の労力を推し量ることができるのだという。

 瞳孔の大きさと知能に関連性のがあることに気がついた研究グループは、確信が持てなかったために、さらなる実験を行うことにした。被験者(18~35歳の500名)の瞳孔の大きさを計測したうえで、認知機能のテストを受けてもらったのだ。

 なお瞳孔とは、目の中心にある直径2~8ミリほどの黒い円形の開口部のことだ。
虹彩に囲まれており、光の刺激に反応して大きさが変化する。そのため被験者には薄暗い部屋の中で何も映っていない画面を見つめてもらい、そのときの4分間の大きさの平均がアイトラッカーで計測された。

 また計測後に行われた認知機能のテストは、「流動性知能」「作業記憶力」「注意制御力」に関するもの。流動性知能とは新しい問題を論理的に考察する力、作業記憶力は情報を一時的に記憶しておく力、注意制御力は気を散らすものがあっても集中を維持する力のことだ。

 ちなみに注意制御力のテストは、画面の片側で点滅しているアスタリスクを無視しながら、その反対側に一瞬だけ表示される文字を見つめるというもの。文字が表示されるのは一瞬だけなので、アスタリスクに目を奪われるとすぐに見逃してしまう。

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photo by Pixabay

瞳孔が大きいほど知能が高い


 こうした実験の結果明らかになったのは、やはり瞳孔の大きさは知能と関係があるということだ。瞳孔が大きいほど、流動性知能・注意制御力・作業記憶力(前の2つよりやや関係性が薄まる)が高かったのだ。

 また面白いことに、瞳孔の大きさは年齢が上がると小さくなることもわかったという。それでもなお、大きさを年齢に応じて標準化してしまえば、認知機能とに相関関係があることが確認された。

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photo by iStock

なぜ瞳孔の大きさと知能に関連性が?


 だが不思議なのはその理由だ。なぜ一見関係のなさそうな瞳孔の大きさに知能が反映されるのだろうか?

  研究グループによると、それは瞳孔の大きさが「青斑核」という脳領域と関係しているからなのだという。

 青斑核は脳幹の上部にあって、ほかの領域と神経でつながっている。神経伝達物質としてもホルモンとしても作用する「ノルエピネフリン」という物質を放出し、認知・注意・学習・記憶に関するプロセスを制御するのがその役割だ。

 さらに脳の組織的な働きを維持し、遠く離れた領域同士が連携する手助けもしている。そのため青斑核がうまく働かなくなってしまうと、脳は組織的な活動ができなくなってしまう(これはたとえばアルツハイマー病やADHDなどでも見られる症状だ)。

 脳活動の組織化はきわめて重要なもので、今回の実験で被験者に画面を見つめてもらったときのように、何もやっていない状況ですら脳はエネルギーの大半をその維持に費やしている。

 こうしたことから、安静時に瞳孔が大きな人は、青斑核の制御機能が強く働いており、それが認知機能を高める結果につながっていると考えられるのだという。

 ただし、あくまで仮説であって、今後さらなる研究が必要であるとのことだが、少なくとも目は心は心だけでなく様々な窓であるようだ。

References:Is baseline pupil size related to cognitive ability? Yes (under proper lighting conditions) – ScienceDirect/ written by hiroching / edited by parumo

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