
ステイホームの流れのひとつとして、自宅の庭で家族とバーベキューを楽しむ人が増えています。そんなバーベキューが、実は防災訓練にもなります。日本バーベキュー協会の会長で防災士の下城民夫さんに、防災に役立つ観点で話を伺いました。
下城民夫さん
BBQのどんなところが防災に役立つ?
―バーベキューの経験が、災害時に役立つと伺いました。
大前提として知っておいてほしいのは、何か一つのスキルが役立つのではなく、日常的にバーベキューを楽しむことが防災訓練になるということです。例えば、電気が止まって明かりが必要になったとします。懐中電灯を使うのか、ロウソクに火をつけるのか、とっさの時に判断がつきません。アウトドアのバーベキューならランタンです。でも、突然ランタンを手渡されても、どうやって点灯させればよいかわからない人だっています。
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―災害で役立ちそうなものとしては、火おこしをイメージする人もいるかと思います。
ほとんどの被災現場では、火おこしのような原始的なサバイバル術は必要ないです。火が必要ならライターを使えばいい。特別な技術よりも、いざという時のために必要な道具を知っておき、使い方を身に付けておくことが大切です。
具体的にBBQのどんな経験が…
―アウトドアの中でも、バーベキューの経験がいかせることはなんでしょうか?
災害になると、おなかを満たすものとしてパンやおにぎりを思い浮かべる人もいます。しかし、それで我々は満足できない。贅沢(ぜいたく)がしたいわけではありません。日本人は「温かいもの」が食べたくなります。みそ汁のように、日常的なものであれば更にうれしい。
―温かいものを作るために、バーベキューの経験がいかせるわけですね。