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石井裕也監督「それでも映画を撮ることを選んだ…」コロナ禍で映画の重要性を再認識、最新作『茜色に焼かれる』が公開

ガジェット通信

主演に尾野真千子さんを迎え、和田庵さん、片山友希さん、永瀬正敏さん、オダギリジョーさんが共演する、石井裕也監督最新作となる映画『茜色に焼かれる』が全国順次公開中です。本作はコロナ禍の今の時代を舞台に、不器用ながらも己の信念に従って懸命に生きる親子の姿を描く、激しくも切ない魂のドラマとなっています。その公開を前に、石井監督にインタビュー。撮影のプロジェクトが始まった昨年の夏、「命がけで撮ることを決めた」という石井監督に、本作に込めた想いをうかがいました。

■公式サイト:https://akaneiro-movie.com/ [リンク]

■ストーリー
「お芝居だけが真実」と母は言った
1組の母と息子がいる。7年前、元高級官僚が起こした交通事故で夫を亡くした母子。母の名前は田中良子。彼女は昔アングラ演劇の女優をやっており、お芝居が上手だ。中学生の息子・純平をひとりで育て、夫への賠償金は受け取らず、施設に入院している義父の面倒もみている。経営していたカフェはコロナ禍で破綻。花屋のバイトと夜の仕事の掛け持ちでも家計は苦しく、そのせいで息子はいじめにあっている。数年ぶりに会った同級生にはふられた。互いの日常を取り巻くことごとく理不尽な出来事に、張り裂けそうな想いを抱えてこの世界を生きている。だがどんな困難でも、何が怒るとも、それでも前を向き、信念を貫く良子。はたして彼女たちが最後まで手放さなかったものとは?

●尾野さん演じる主人公にはすべてを失うような悲劇が降り注ぐのですが、それでも力強く生きる彼女の姿に希望を感じる素敵な作品でした。昨年の夏にプロジェクトが動いてすぐ撮影も始まったそうですが、そういうこともあるのかとびっくりしました。

去年の夏、コロナ禍という不明瞭な状況のなか、僕はどうしてもこの映画を撮りたくなり、ある種、強引にプロジェクトを推し進め、電撃作戦で撮影を始めました。実は前作の『生きちゃった』という映画も、やると決めて3日で脚本を書いてすぐ撮影に入ったので、いわゆる自主映画の感覚なんですよね。熱い衝動を持ったまま撮影に入ることを2019年に一度行っていたので、自分の中で自信はありました。

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●そのきっかけは、コロナだそうですね。

そうですね。ただ、それはふたつある理由のうちのひとつです。去年僕は37歳になったのですが、僕が小学生の頃、その年齢で母親が亡くなっているんです。自分でも驚きましたが、急に母親に対する思いが募りました。

●実際映画化したことで、ご自分の中で何か変わりましたか?

映画を作る際はいつも特殊な心の変化があります。漠然と抱えていた感覚が整理されると言いますか、その逆もあるのですが、それまでの自分の人生で大きく占めていた母親への想い、母親の不在というものが形にできたことは、僕にとって大きな変化と言っていいと思います。

●今回、尾野さんとは主人公像をどう練り上げて行かれたのですか?

僕の母親に対する感情や、何故この状況下でリスクを負ってまで映画を作るのかということを、尾野さんと最初に話しました。多分、それだけで尾野さんは全てを理解したと思います。命を賭けて映画をやるということと、主人公が命がけで子どもを守るということはほとんど一緒と言うか、キャラクターと尾野さん自身がリンクしたのではないかと思います。

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