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佐藤隆太「これからは作品を支える側になりたい」…胸にドスンと落ちた山本耕史の言葉

SmartFLASH

 渋谷店にお邪魔するのは何年ぶりだろう。今日頼んだのは当時からの人気メニューで、僕も大好きだった料理です」

 

佐藤がアルバイトしていたときの人気メニュー

 

 アルバイトを始めて4カ月後、渋谷パルコ劇場で上演された宮本亞門演出の舞台『BOYS TIME』(1999年)でデビュー。初めて受けたオーディションに合格したのだった。

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「大学の同級生がそのオーディションを受けるということで、僕にも教えてくれたんです。大好きなウルフルズさんの曲で構成されると知って『これは受けるしかない!』と」

 

 こうしてプロの俳優としての第一歩を踏み出した。

 

「歌も踊りも実践的な芝居経験もない僕に、先輩方がゼロから教えてくださいました。とても恵まれた、幸せな毎日でした」

 

 だが、本番の1週間前に突然、経験したことのない恐怖に襲われた。稽古に向かう電車の中だった。

 

「ふと、冷静に『いよいよ本番か』と考えたら、自分がプロとして、大きな舞台に立つことが怖くなったんです。全身が硬くなって、足が動かなくなった。

 

 どうしても次の一歩が出ないんです。電車に乗ったはいいものの、すぐ次の駅で降りてしまって。誰かと電話で話したかったんですが、大学の友人は授業中だったりで誰とも繋がらなくて。

 

 恥ずかしいですけど、母親に電話しました。すると『(高校まで)部活の野球であれだけ苦しい練習をやり切ったんだから大丈夫だよ』と言われて。その言葉を聞いたら足が動くようになって、稽古場に向かうことができました」

 

■高3のときの夢をかなえた「代表作」

 

『BOYS TIME』での演技がTBSの磯山晶プロデューサーの目に留まり、出演した『池袋ウエストゲートパーク』(2000年)、『木更津キャッツアイ』(2002年、いずれもTBS系)がヒットした。

『BOYS TIME』の楽屋で

 

「出演から20年たった今でも『池袋~観てました』『木更津~大好きです』なんて言われますから。デビュー直後にそんな作品に参加させていただけるなんて、本当に、ただただ運がよかった。

 

『木更津~』は共演した役者が同年代だったこともあり、とにかく楽しい現場でした。木更津に行く日が待ち遠しかった。この作品で出会った(塚本)高史とはその後、僕が一人暮らししていた家で1カ月ほど一緒に住んだこともありました」

 

 佐藤は作品と役への思い、言い換えれば「熱量」がとても高く、熱い。それを体現したのが、高校野球を通して不良生徒を更生させようと奮闘する熱血教師・川藤幸一を演じた『ROOKIES』(2008年、TBS系)だろう。

 

「高校3年生の冬に『週刊少年ジャンプ』で連載が始まり、第1話を読んですぐ『役者になって、川藤を演じたい!』と無謀な夢を持ちました。(原作者の)森田まさのり先生と対談する機会をいただいたときも、先生に僕の思いをすべて聞いていただきました」と笑う。

 

 佐藤は、卒業した中学校に招かれたときに『ROOKIES』の単行本を全巻揃えてプレゼントしたそうだ。

 

「夢を持つことの大切さを教えてくれる作品ですから。『絶対にこれをやる』と心に決めて本気で求め続け、歩みを止めなければ、確実に夢が近づくと教えてくれました。そして、僕自身、夢を抱いたその10年後に出演が決まったんです。冷静に考えたらとんでもないことなんですけど(笑)」

 

 しかし、その夢の実現は、新たな葛藤をもたらすことになった。

 

「本当に多くの方に観ていただいて、反響も大きかったのですが、僕自身は(俳優としての)実力のなさを思いっきり叩きつけられました。ドラマが終わったとき、『夢がかなった? やり切った? 何を言ってんだ、お前。自分の演技はどれだけのもんなんだ?』と自問する自分がいたんです。

 

『ROOKIES』に限らず、どんな作品に出ても毎回自分の足りないところに気づかされます。そういった点でも、仕事は選り好みをしないでいろんな作品に出演したほうが、得るものが多いと僕は思っています」

 

刺激的な職場でしたと語る佐藤隆太

 

■自分がどうこうより求められることを大切に

 

 こうして1時間、熱いインタビューは続いた。最後に佐藤が、「デビューしてからの20年」と「これからの役者人生」について言葉を選びながら続けた。

 

「数年前のことなんですけど、ある作品の撮影で監督さんとなかなか意見が合わなくて悩んだことがあったんです。

 

 僕は同じ役者という仕事をしている誰かに、ド直球でお芝居の相談をすることはめったにないんですけど、このときは誰かに話を聞いてもらいたくて、デビューしたときの舞台でもお世話になった山本耕史さんに『監督さんと、お互いに譲れないところがあるんですが……』と電話で相談させてもらったんです。

 

 そうしたら耕史さんが『隆太もそういう年齢になったか』と優しく言ってくださって。

 

 続けて『若いときは、役をこうやりたいとアピールすることもあるけど、隆太も20年やってきて “自分がどうこう” というより “求められることをしっかりできる役者になる” という年齢になったんじゃないか。作品を支える側になって、監督さんが求めることにしっかりと応えることも大切なんだよ』と。

 

 その言葉は胸にドスンと落ちました。それからは今まで以上に作品にフィットできるような役者になりたいという欲が強くなってきました」

 

 新たに見つけた夢ーー。

 

 それをかなえるために、今も日々、“役者” を楽しでいる。

 

さとうりゅうた 
1980年2月27日生まれ 東京都出身 1999年、舞台『BOYS TIME』で俳優デビュー。2000年『世にも奇妙な物語 映画の特別編』で映画初出演。おもな出演ドラマは『池袋ウエストゲートパーク』(2000年)、『ROOKIES』(2008年)、『JIN-仁-』(2011年、いずれもTBS系)、『ナオミとカナコ』(2016年、フジテレビ系)、『ウチの夫は仕事ができない』(2017年、日本テレビ系)など。映画は『木更津キャッツアイ』シリーズ、『海猿』シリーズなどにも出演

 

【TGI FRIDAYS 渋谷神南店】
住所/東京都渋谷区神南1-19-3 ハイマンテン神南ビル2 
営業時間/11:30~翌0:00(ランチタイム11:30~16:00)
休日/年中無休 
※新型コロナウイルスの感染拡大により、営業時間・定休日が記載と異なる場合があります。

 

衣装協力・Tシャツ/COGNOMEN、パンツ/SEVEN BY SEVEN

 

(週刊FLASH 2021年5月25日号)

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